せむしの仔馬
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せむしの小馬、とも。ポニーのことであるので子馬、では間違い。
ロシアの童話。作者はロシアの詩人ピョートル・パーヴロウィチ・エルショーフ。サンクトペテルブルク大学在学中の作品。
または民話を元にソ連で製作された長編アニメ映画。バレエ化もされている。
[編集] あらすじ
山と森に囲まれた小さな村に、イワンという少年(働き者の少年であることもあれば、うすのろでばか、まぬけという設定のときもある)が農民の父親と兄二人といっしょに暮らしていた。
村には夜になると金色の馬がやって来て、畑を荒らされて困っていた。イワンが金色の馬を捕まえると、自由にしてくれるかわりに3頭馬を産んであげる、と金色の馬から二頭の黒馬と、人の言葉を話し背中にこぶが2つある、耳が大きなせむしの仔馬(ポニー)をもらう。イワンは、二頭の黒馬を王様に売って、その馬の世話係として城内に住む。
火の鳥の羽根を拾ったところを大臣に見つかり、王様は大臣の話を聞いて、イワンに火の鳥を捕まえて来るよう命じた。せむしの仔馬に助けられて、イワンはどうにか火の鳥を捕まえる。
欲深い王様は、今度は、太陽の娘で月の妹という美しい娘を連れてこいとイワンに命じた。この美しい娘も仔馬のおかげで、城に連れてくることに成功する。王様は、娘に結婚と申し込むが、娘は王様がもっと若くなければ嫌だと断わる。
氷のように冷たい水。煮えたぎったお湯。そして最後に、火のように煮えたぎったミルクの釜に入ると若くなれるという。王様はまずイワンにためさせる。イワンが飛び込むとりっぱな若者になるが、つづいて飛び込んだ王様は二度と現れることはなかった。
美しい若者となったイワンと太陽の娘は結婚し、幸せに暮らす。
[編集] 関連
手塚治虫が原案・監督を務めたアニメ作品青いブリンクの原案である。
レフ・トルストイのイワンのばかとは別の作品である。
[編集] 書籍
せむしの小馬 (岩波少年文庫)…ピョートル・パーヴロウィチ・エルショーフ/網野菊=訳/V・プレスニャコフ=挿絵