かみちゅ!
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『かみちゅ!』は、2005年6月29日から9月28日までテレビ朝日系列で放送された日本のテレビアニメ作品。あるいは、それを元にした漫画・ラジオ番組。
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[編集] 作品概要
瀬戸内地方(モデルは広島県尾道市)に住む女子中学生のゆりえはある日突然神様になってしまう。神様になってしまったゆりえとその仲間たちの生活を描く。この作品での神様は神道の八百万の神の事であり、神様がより身近な存在として描かれている。作中では語られていないが、時代背景は1980年代である。
放送は全12話だが、シリーズ自体は全16話であり、差分の4話分は後日発売のDVDのみで提供される。
平成17年度(第9回)文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞した。
タイトルの『かみちゅ!』は「神様で中学生!」の意味。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場人物
[編集] 主な登場人物
- 一橋 ゆりえ(ひとつばし ゆりえ)
- 声優:MAKO (Bon-Bon Blanco)
- 主人公。中学2年生。丸顔でショートヘア。極度の上がり症、しかもドジ。背は低く、胸も薄め。しかし心は真っ直ぐである。
- ある日突然、神様になってしまった。その後は、神様として拝まれたり、いろいろな人の望みをかなえたり、イベントに出演したりと忙しい日々を送っている。
- 全国初の神様中学生で世の中に知れ渡っているが、地元の人たちはゆりえの事を普通の中学生として接する事が多い。
- 神様として力を使う時のセリフは「か・み・ちゅー!」。これは祀が命名。当初嫌がっていたが気がつくと力を使う度にこのセリフを言っている。力を使う時は髪が伸びる事もあり、力を使いすぎると寝てしまう。
- 神様としての力はかなりある、神様達から人気があり彼等から「ゆりえ様」呼ばれている。
- 他の神様達とは違い、神通力がない人でも感知でき、力を使わなければ普通の中学生にしか見えない。おそらく現人神。
- 学校の成績は低空飛行。追試を受けたこともある。
- おこづかいは、毎月800円。
- クラスメイトの二宮くんが好き。
- 困ったときに指を噛む癖がある。
- 生徒会長に立候補し、光恵の名応援演説で当選するも、張り切りすぎて失職した。
- 四条 光恵(しじょう みつえ)
- 声優:峯香織
- ゆりえのクラスメイトで、元からの親友。セミロングヘアの眼鏡っ娘。
- 落ち着いた性格で、暴走しがちな祀やボケ役のゆりえに対するツッコミ役。巨乳(祀よりも大きい)。
- 祀やゆりえを見守りブレーキ役となることが多いが、つい2人のペースに巻き込まれることもしばしば。
- 学校の成績は、ベスト5に入るほど優秀。
- 口癖は、「潤いが欲しい」。
- 三つ子の兄と三つ子の弟がいる設定。(アニメには未登場)
- 三枝 祀(さえぐさ まつり)
- 声優:森永理科
- ゆりえのクラスメイト。ゆりえが神様となってからは親友。本人曰く「心の友」。
- 来福神社(コミック版は八島神社)の娘。ロングヘアの美少女。活発な性格。アニメ版はそうでもないが、コミック版は巨乳。
- 神社が貧乏なため性格までも貧乏性で、いつもお金儲けのことを考えている。
- ゆりえの自称マネージャーで来福神社専属とし、祈祷料などを取ろうとした。
- 和室で光恵やゆりえだけなら、遠慮なくあぐらをかく。
- 学校の成績は、比較的優秀。
- いつも「C」と書かれたTシャツを着ていることから、広島カープファンだと思われる。
- 三枝 みこ(さえぐさ みこ)
- 声優:野中藍
- 祀の妹。来福神社では一番の神通力を持つ。おかっぱ頭。内向的な性格。
- ゆりえの弟の章吉とは、クラスメートでお互いを意識しあう微妙な関係。
- 章吉と同じ弓道部に所属。
- 八島様のことが好き(?)
- 二宮 健児(にのみや けんじ)
- 声優:宮崎一成
- ゆりえたちのクラスメイト。書道部だが、部員は健児だけ。屋上の部室(仮)で頑張っている。
- 熱中すると、周囲が見えなくなる。
- ゆりえの好意には気づいていないが、次第にゆりえが気になる存在になりつつある。
- 学校の成績は、ゆりえとほぼ同じで低空飛行中。
- 八島様(やしまさま)
- 声優:岡野浩介
- 来福神社が奉る神様。若い青年の姿をしている。
- 「田舎の神様」で終わるのが嫌で、家出をしたがゆりえの説得により神社に戻る。
- ロックが趣味で家出をした際にバンドを組もうとしたが仲間が集まらなかった。
- 弁天様の追っかけをやっている。
- 光恵と波長が合うらしく、祀などと話す時は光恵の身体を借りる。
- 本人曰く神様としての力はゆりえよりも劣るらしいが、神様になったばかりの彼女に神様の仕事についてのアドバイスを与えたりしている。
- タマ(♀)/貧乏神様(♂)
- 声優:斎藤千和
- タマは一橋家で仔猫の頃から飼われている白い猫。貧乏神様がその身体に入り込んでいる。貧乏神様の力はゆりえが相殺しているため、害はない。
- 一橋 章吉(ひとつばし しょうきち)
- 声優:津村まこと
- ゆりえの弟。みこのクラスメイトでもある。姉のゆりえよりもしっかりしている。
- 姉のゆりえを「ゆりえ」と呼び捨てにしている。
- ゆりえよりも章吉の方が年上に見られてしまう事が多い。
- みことは同級生で同じ弓道部に所属する微妙な関係。
- 一橋 堅吉(ひとつばし けんきち)
- 声優:星野充昭
- ゆりえの父。小太りで優しい。
- 害のない「見てきたようなウソ話」をすることが多いがその話しに乗るのは妻の茜だけ。
- 写真が趣味、市役所に勤務。
- 一橋 茜(ひとつばし あかね)
- 声優:伊藤美紀
- ゆりえの母。ロングヘアを三つ編みにしている。美人。
- 夫婦仲はとてもよい。
- 太めの男性が好みで、息子の章吉も太らせようとご飯を大盛りにしている。
- イノ、シカ、チョウ
- 声優:前田ゆきえ、服部加奈子、福圓美里
- 神様協会からゆりえの元に派遣された「お願い集配チーム“しやわせ”」の面々。イノはイノシシ、シカは鹿、チョウは美少女の蝶の姿をした、手のひらサイズの「神の使い」。
- ゆりえ宛のお願い事を管理・選別を担当する。
- ゆりえの元に派遣された時は名前がなかったが、チョウ・イノ・シカの順でゆりえが名付けた。
- チョウは女の子らしい活発さで、イノは積極的な言葉でゆりえをサポートする。シカは、ついよけいなことを言いがちでその度に他の二人から殴られる。
- 三枝 光雲(さえぐさ こううん)
- 声優:岩尾万太郎
- 祀とみこの父。奥さんに数年前に先立たれて、男手一つで二人の娘を育てたが……気がつけば、祀に引っ張られている。
- 来福神社の神主であったが、神主としての力(神様が見えたりとか)が全く無く野良仕事に逃避している。
- 若い頃はかなり破天荒な人間だったようだが、面影はない。
- 額が拡大気味で、娘たちからも心配されている。
[編集] ゲストキャラ
- 犬和尚
- 声優:杉山紀彰
- 出演:#2、#12、#15、#16
- 神様の世界にいる和尚さん。見た目は柴犬。八島様とは親しい仲。
- アニメではあまり出番はなかったが、同人誌等では人気とか。
- 火星人ちゃん
- 声優:望月久代
- 出演:#4
- ピンク色をした火星人で、火星中学の生徒。
- 火星探査機ヴァイキングを地球に送り届けようとやってきたが、地球の情報が少なかったため、アメリカではなく日本にやって来てしまった。
- 総理大臣
- 声優:宝亀克寿
- 出演:#4、#9
- くせ者の総理大臣で、合衆国の味方らしい。頭はバーコードで、容姿のモデルは時代設定を考えると中○根総理?しかし、ゆりえの事は信頼しており、戦艦大和の機密資料を貸すほど。
- 能登 きよみ
- 声優:広橋涼
- 出演:#6
- 中学1年生。あることがきっかけに健児に一目惚れして、ゆりえのところに恋愛相談やってきた。
- タイラー
- 声優:古澤徹
- 出演:#8
- ふらりと街にやってきて、猫たちの楽園『キャットワールド』を作った猫。
- とある理由でゆりえ・タマとタッグマッチをすることになった。
- デイブ
- 声優:稲田徹
- 出演:#8
- タイラーとタッグを組んだ体重10キロの巨漢猫。
- 源さん
- 声優:鈴木清信
- 出演:#9
- 大工で元大和の乗組員。健児が大工仕事に興味を持って、手伝いをすることがきっかけで、ゆりえ達は知り合いになった。
- 戦艦大和
- 声優:松本大
- 出演:#9
- その物ずばり、戦艦大和の魂。
- ちなみに、通常軍艦は女性称(漁船は男性称)で呼ばれているモノだが、原作のこだわりで、あえて男性の声優が当てられている。
- 三つ葉丸
- 声優:小林由美子
- 出演:#9
- 大和の魂を呉に戻してくれないか、とゆりえに頼みにやってきた漁船の神様。ちょっと悪ガキ。
- 西村 受(にしむら うかる)
- 声優:甲斐田ゆき
- 出演:#10
- ゆりえの同級生で、生徒会長選挙のもう一人の立候補者。立場が悪くなると、すぐに謝るクセがある。
- 弁天様
- 声優:渡辺明乃
- 出演:#12
- 犬耳のパンク姿。この世界の七福神はバンドを組んでおり、担当はボーカル。
- 七福神バンドは、神様の中では大人気。
- 八島様は大ファンで、彼女の関連商品を買いあさっている。
- 落ち込んでいたゆりえは、あることがきっかけで彼女と知り合い、励まされた。
[編集] 各話タイトル
各話のタイトルはそれぞれ1980~1990年代のアイドルが歌った曲のタイトルから取られている。 カッコ内は引用元の歌手名・その曲の発売年。
- 青春のいじわる(菊池桃子、1984)
- 神様お願い(桃姫BAND、1993)
- そんなつもりじゃなかったのに(立見里歌、1987)
- 地球の危機(宍戸留美、1991)
- ひとりぼっちは嫌い(高橋美枝、1983)
- 小さな決心(中山忍、1988)
- 太陽の恋人たち(林紀恵、1981)
- 野生時代[1](工藤夕貴、1984)
- 時の河を越えて(うしろ髪ひかれ隊、1987)
- 君に決定(田原俊彦、1981)
- 恋は行方不明[1](南翔子、1984)
- ふしぎなぼうけん(真璃子、1989)
- やりたい放題[1](斉藤満喜子、1988)
- 夢色のメッセージ(西村知美、1986)
- ちいさな一歩で(CoCo、1993)
- ほらね、春が来た[1](うしろ髪ひかれ隊、1988)
[編集] スタッフ
- 原作:ベサメムーチョ(落越友則、舛成孝二、倉田英之の合同ペンネーム)
- 企画:竹内成和
- プロデューサー:落越友則、梶淳
- アシスタントプロデューサー:横山朱子
- アニメーションプロデューサー:佐藤由美
- 脚本:倉田英之
- キャラクター原案:羽音たらく
- キャラクターデザイン:千葉崇洋
- プロダクションデザイン:OKAMA
- 美術:渋谷幸弘
- ビジュアルアート:須藤岳
- 小物・メカデザイン:小川浩
- 色彩設計:歌川律子
- 撮影:月岡敦子
- デジタルエフェクト:佐藤正人
- 編集:坂本雅紀
- 音楽:池頼広
- 音楽協力:ブロッコリー
- 音響監督:菊田浩巳
- 音響プロデューサー:中野徹
- 音響制作:HALF H・P STUDIO
- 監督:舛成孝二
- 協力:メディアワークス、月刊コミック電撃大王編集部、スタジオオルフェ、尾道フィルムコミッション、尾道のみなさん
- アニメーション制作:ブレインズ・ベース
- 製作:アニプレックス
- オープニングテーマ:『晴れのちハレ!』
- エンディングテーマ;『アイスキャンディー』
- 作詞:Bee'、作曲・編曲:藤田淳平、歌:MAKO
[編集] 放送局
なお、ABCでは9月29日までの放送予定だったが、阪神タイガースのリーグ優勝に伴い終夜体制で優勝特番を組んだため、1週繰り下げられた。
モデルとなった尾道市の尾道ケーブルテレビで2006年4月3日より6月25日まで放送された。同じ話を1週間に4日、1日に3回放送(1週間に合計12回)する変則的な放送である。なお、尾道市が舞台でありながら広島県内のテレビ朝日系列局・広島ホームテレビではネットされていない。
[編集] 漫画
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『月刊コミック電撃大王』(メディアワークス)にて、2005年6月号から2007年1月号まで連載された。作画は鳴子ハナハル。
アニメ版にはない独自の解釈や、オリジナルストーリーもある。
順次、単行本化されている。
- 第1巻(2006年1月27日発売・2006年2月15日初版発行) ISBN 4-8402-3319-5
[編集] ラジオ放送
ラジオ番組『おまいり、かみちゅ!』がラジオ大阪(日曜23:00~)で15分間放送された。関東地区では最初TBSラジオで放送していたが、2005年10月からはNACK5にて毎週日曜日22:30から放送された。
パーソナリティーはMAKO、森永理科、峯香織。
2005年12月をもって放送終了。