かしもの・かりもの
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かしもの・かりものとは天理教における身体観、道具観、地球観、自然観、そして命の観に関する教えであり、すべては親神天理王命から借りているもの、親神からみれば(可愛い子どもたちへ)貸しているものとする教えである。他者のものを借りて使う場合、人は些細なものでも大切に使う。ましてや親神天理王命から借りているものである。大切に、また親神の思いである陽気ぐらしのために生かす(陽気に親孝行をする)べきとする教えである。
この教えではまた、親神の思いをともに抱くとき、実の親からの贈り物である潤いとぬくみによって、自然法爾のコントロール(自由自在な神通力)が顕現すると説かれる。恵みの非物質的ななにかが、光子群のごとくになって自他の脳神経系や感覚器官に充満し、わがものである心を統治し、借り物である身(からだ)を素敵に統治すると解釈される。
一方この教えは(戒律)としての側面もある。道の子は多かれ少なかれ、元(もと)を知ることによって、福男、福女の特性(福智)を持つようになるとされる。これらに伴う、ほこり(高慢など)を掃除するための教えとしても、かしもの・かりものの教えは位置づけられよう。
なおこの教えは、日常的に一句で、元はじまりの理と永遠の命なる陽気の心の芯から、また神の息(風)をいただいて、<身のうちかりもの、心一つがわれのもの>と吹き分けられる。