スタークルーザー
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スタークルーザーはアルシスソフトウェアが発売した3DアクションRPG、ならびに同ゲームに登場する宇宙艇のことである。 メガドライブ版は、アルシスソフトウェア開発、メサイヤ(日本コンピュータシステム)が販売。 PC版(PC-8800シリーズ版(SR以降)、X1turboシリーズ版、後にPC-9801版、X68000版)とメガドライブ版は若干異なっている。 続編には『スタークルーザー2』がある。こちらはPC9801シリーズ版とFM-TOWNS版のみのリリースとなった。
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[編集] 概要
世界観がスペースオペラで好印象であり、硬派なイメージが3Dゲームファンをうならせた。メガドライブ版は同機初のポリゴンシューティングゲームであり、PC・メガドライブ共々、当時持ちうる技術を惜しみなく引き出していた。PC版の1の迷宮戦での戦闘が敵にぶつかるとバトルフィールドへ移行し、小さなフィールドで戦うのに対し、メガドライブ版と2では3Dフィールド内で自由自在に射撃を行う事が出来た。 技術面ではメガドライブ版の戦闘シーンが2へのステップとなったであろう。 2では1の戦闘はオープニングでVOID戦役として紹介される。
ファミコン版スターラスターと違い、升目ごとに閉鎖された宇宙を蛇行するのではなく、広い宇宙を飛んでいるため、便宜上、ワープを使わなくても目的の惑星へ飛ぶ事が出来るが、着陸には「ビーコン」と言うデータ(ゲーム内のフラグ)が必要だった。 作者はプラズマラインと同じく、吉村功成。
[編集] メガドライブ版での変更点
- 主人公に名前をつけることが出来る。お喋りはフレディが代行。
- バー「大赤班」がレストランになっている。
- 迷宮戦では3Dステージがフルに活用されており、エンカウントから戦闘フィールドに移行することなく、迷宮内でそのままシームレスに戦闘が繰り広げられる。
- 金銭の概念が無いので、宇宙海賊の雑魚を狩り取る必要が無く、ドックへ行けば常に無料で無傷に満タンに出来る。
- ヒダリ・ダイゴ(ユウコ)の苗字がサカイに変わっている。
- 「太陽風」(メガドライブ版ではソーラーウィンド)の描写が一部異なっている。
- カティーサーク(赤いスタークルーザー)は登場するが、青いスタークルーザーは登場しなかった。
[編集] 世界観
人類が宇宙に進出した後、というものを基底としたスペースオペラである。 ブラックホール、モノポール、複数の方式を設定し分けたワープ航法など、80年代中葉当時の先端宇宙論や物理学予想、SF用語を駆使し、ヴィデオゲームとしてはめずらしくサイエンスフィクションとしての骨格を太いものとしていた。
物語の視点は、常にブライアン(主人公)=プレイヤーという図式を守っており、主人公の知りえない情報をプレイヤーのみ知りえるという「神の視点」を排除している。 また、内的独白、主人公の感情吐露を交えることなく物語を進行させることにより、センチメンタリスムへ陥ることも避けている。
主人公ブライアンのクールさに加え、こうした物語そのもののクールさにより、本作はハードボイルドとしても価値のある作品となっている。
[編集] 登場人物
[編集] ハンターギルド側
- ブライアン・ライト(パソコン版1~2のみ、メガドライブ版はデフォルト名)
- このゲームの主人公。パソコン版では人並みに話すが性格はいたってクール。ダイアナいわく『ギブスンよりもアイスが好き』…なほど、冷淡な主人公である。
- 主人公(名前は自由につけることが可能なのはメガドライブ版のみ。)
- メガドライブ版の主人公。プレイヤーを3Dに引き入れる事を重視した為、メサイヤ側が配慮し、無口であることを条件に自由に想像できるようにした(考えようによっては性別まで想像できた)。
- 名前入力時に何も入力せずに始めると、「ブライアン」として登録される。
- フレディ(メガドライブのみ)
- 無口な主人公に代わって喋ってくれるロボット。本人(?)曰く、「主人公が無口なので喋らざるえない」。名前の元ネタは、禁断の惑星のフライディのもじり。
- オリジナルのパソコン版においては、ブライアンの搭乗する機(スタークルーザー及びランドタンク)に搭載されたコンピューターの "Com" であり、コマンド「調べる」「動かす」の際に状況を説明するためだけの存在であったが、メガドライブ版においては、主人公のかわりに全てのセリフを喋ることになり、それにあわせて固有の名称「フレディ」がついた。
- ダニエル・ギブスン
- ブライアンの親友。木星のバー「大赤班」でブライアンに当時VOIDの最新鋭艦であったスタークルーザー奪取を持ちかける。名前は、SF作家のウィリアム・ギブスンを原典とするものと思われる。
- 味方すらも驚くほどの根回しの達人でもある。
- ダイアナ・ガーディス
- ブライアンのことを心配している女性クルー。いわばこのゲームのヒロインでもある。
- あるエイリアンの惑星で、不気味なファーストフードのメニューを見て、「ここはエイリアンだらけの星ね。」と愚痴をこぼしたところをある人物に「ここがエイリアンの星ではない、我々(地球人)がエイリアンなのだ。」と突っ込まれたのは名言。
- ヒダリ・ダイゴ(メガドライブ版ではサカイ・ダイゴ)
- VOIDに監禁され、スタークルーザーを開発させられていた科学者。いわばメカニック親父。
- 孫の裕子がいる。
- マサシ・クラーク
- ソル星系ハンターのリーダー格。名前の由来は、SF作家のアーサー・C・クラークと思われる。
[編集] VOID側
- B-システム
- ヒダリが知らない間にスタークルーザー内部で配置されていたバイオコンピューター、船内で戦闘を行った。
- B-システム撃破後は客間兼会議室に改造された。
- VOID総統(1、メガドライブ版最後の敵。)
- エイリアンの撲滅を目的にテロリズム活動をしていたVOIDだが、その総統が実はエイリアンであった。
[編集] 関連項目
- プラズマライン (ゲーム)
- ハードドライビン - メガドライブ版は、いずれも「メガドライブ初のポリゴン表示による3Dゲーム」。全く同じ発売日。