スターオーシャン
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スターオーシャン | |
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ジャンル | コンピュータRPG |
対応機種 | スーパーファミコン |
開発元 | トライエース |
発売元 | エニックス |
人数 | 1人 |
メディア | カセット |
発売日 | 1996年7月19日 |
価格 | ¥8,500 |
売上本数 | 23万本 |
『スターオーシャン』(Star Ocean) は、エニックス(現スクウェア・エニックス)から発売された日本のゲームソフト。
1996年7月19日にスーパーファミコン用のロールプレイングゲームとして発売された。
開発はトライエースが行っており、同社初の開発ゲームでもある。
また、後に続編が多数発売されている。
目次 |
[編集] 概要
略称として「SO」、「スタオー」、「スタシャン」、「エスオー」と呼ばれる。第一作目の『スターオーシャン』はSO1と表記することが多い。
『テイルズオブファンタジア』の制作スタッフの多くが第一作の開発に関わっており、テイルズシリーズのシステムで酷似した点が多々あるが、SFをテーマにしているところが最も異なる。
シリーズ第1作『スターオーシャン』は1996年7月19日に定価8500円で発売された。エニックスから発売されたスーパーファミコン用ソフトとしては最後のオリジナル作品(最後はリメイク作品の『スーパーファミコン ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』または『いただきストリート2~ネオンサインはバラ色に~』)。スーパーファミコン用ソフトとしては48メガという大容量で、掛け声の入った自由に動かせる戦闘やSFをテーマとしたストーリーが話題を集めた。そのサウンドはスーパーファミコンでは考えられないほど極めてクオリティが高く、なんとスーパーファミコンの限界同時発音数である8音を独自の技術で上回ることに成功している。ただその分容量不足が否めないことも事実で、洞窟の中に開かずの扉があったり、どうやっても入れない場所が存在したり、使用されないサウンドがあったりと、その痕跡をゲーム内にいくつか残してしまっている。そういったことから、完全な形での本作のリメイクを望む声も多い。本作の人気を受けて1998年には続編となる『スターオーシャン セカンドストーリー』(SO2) が発売され、以降トライエースによってシリーズ作品が制作された。
キャラクターデザインはMEIMUだが、『月刊少年ガンガン』では1998年に『スターオーシャン そして時の彼方へ』の名前でかぢばあたるによって漫画版が連載された。
また、ゲームのオープニングストーリーが『スタートレックVI 未知の世界』と酷似していたり、フェイザー等の用語も使用されていたり、「SO2」のタイトル字体が『新スタートレック』のタイトル字体にそっくりだったりする点から『スタートレック』の影響を少なからず受けていると思われる。
[編集] 戦闘
リアルタイムで行なわれる戦闘は本作の特徴の一つとなっている。敵味方が同一の戦闘フィールドに配置され自由に移動しながら攻撃や呪紋の詠唱などの行動をとることになる。ただし自由に移動できるといっても後続のシリーズ作品とは異なり、ボタン1つで簡単に移動できるわけではない。
エンカウント方式はランダムエンカウントを採用している。戦闘の参加メンバーは主人公ラティを含めて4人までで、ラティを戦闘メンバーから外すことはできない。基本的にプレイヤーはラティを操作し、他の仲間は事前に設定した「作戦」に基づいたオート行動をとる。戦闘中操作キャラを変更することは可能だが、他の仲間を操作中ラティは待機状態になる。ラティ以外の仲間は戦闘に参加していない控えのメンバーと交代が可能。
攻撃はAボタンを押したあとターゲットを選択し、その決定にAボタンを押せば通常攻撃、戦士の場合LまたはRボタンを押せば事前にセットした必殺技で攻撃する。必殺技はLボタン、Rボタンそれぞれにショートレンジとロングレンジに1つずつの計4つセットすることができる。レンジは操作キャラと敵との距離によって変化し、押したボタンのレンジにセットされている必殺技が実行される。戦闘スキル「リンクコンボ」を習得していればスキルレベルに応じて必殺技を繋げることができ、戦闘中ボタン1つで最大4つまでの必殺技を連続して使用することができる。リンクコンボは複数のキャラクターを操作しようとする際には必須のスキルといえる。
攻撃を伴わない移動は、Yボタンで移動先のカーソルを出し、任意の地点で決定することで行なう。このように手間がかかり、方向ではなく地点への移動のため相手の攻撃を緊急に回避するために移動を利用するということは難しい。
[編集] システム
[編集] スキルシステム
キャラクターのレベル以外の育成システムに「スキル」システムを採用している。町にあるスキルショップでスキルの情報を購入し、スキルポイントを振り分けることでスキルレベル (SLV) を上げることになる。スキルは大きく通常スキル、戦闘スキル、流派スキル、奥義スキルの4つに分かれる。スキルショップでは通常スキルと戦闘スキルの情報を購入でき、一度スキルの情報を買うとその後加わるキャラクターを含めてパーティ全員がそのスキルを習得する。続編の『セカンドストーリー』と異なり最初から各キャラクターが特定のスキルを習得しているということはなく、スキルショップで購入しない限りスキルポイントは流派スキルにしか割り振ることはできない。スキルは何種類かまとめたスキルセットの形で売られていて、スキルショップ毎に3つのスキルセットを扱っている。通常スキルはスキルショップでは「知識」、「感覚」、「技術」の3つの系統に分かれ、「戦闘」とあわせて4系統のスキルがさらに3段階に分かれて「知識1」、「戦闘3」のような形で売られている。
スキルのうち最も種類が多いのが「通常スキル」で「包丁」や「生物学」など全部で28種類ある。いくつかのスキルにはスキルレベルを上げることでステータス上昇が設定されているものがある。また1つから3つ程度のスキルのレベルを上げることで「特技」を習得し、さらにその特技レベルを上げることができる。例えば「包丁」「レシピ」「目利き」を習得すると「料理」を覚え、「危険感知」のスキルを習得すると「スカウト」が使用可能になる。
戦闘スキルは一定確率で攻撃を必ず命中させる「フェイント」や同じく一定確率で敵の防御力を無視してダメージを与える「衝撃波」、必殺技を繋げることのできる「リンクコンボ」など、いずれも戦闘時に特殊な効果を発動するものとなっている。戦士系のキャラクターのみが習得できる7種類と術師系のキャラクターのみが習得できる「早口」の全部で8種類がある。
流派スキルはスキルショップで購入するものではなく、ドーンを除く戦士系のキャラクター全員がはじめから1種類ずつ習得している。これは戦闘における各キャラクターの戦い方、「流派」を表しており、スキルレベルを上昇させることで必殺技の使用MPを減少させることができる。また、スキルレベルが高ければ後述する奥義を閃く確率も上昇する。
奥義スキルは他のスキルと異なりスキルポイントを振り分けてスキルレベルを上げるという必要はない。種類は全部で7種類あり、戦士系のキャラクターはそれぞれ習得可能な奥義スキルが決まっており、アイテムやイベントなどで習得することになる。術師系のキャラクターは習得できない。奥義スキルを習得した状態で戦闘中特定の必殺技を使用すると、一定の確率で強力な超必殺技(奥義)を閃くことがある。この確率は流派スキルのスキルレベルに比例する。
スキルのレベルを上げる際に用いるスキルポイントはレベルアップの際に増加する。この他、一部のイベントやタレントの開花の際にも増加する。
[編集] 特技
特定のスキルを習得することで「特技」を覚えることができる。特技のなかにはアイテムクリエーション (IC) と呼ばれる別のアイテムを生みだす特技があり、これはシリーズを通してゲームの魅力となっている。本作では特技は全体で15種類、そのうちアイテムクリエーションは12種類ある。
特技にはそれぞれ特技レベルが設定されており、特技を覚えるために必要なスキルの平均レベルがその特技のレベルとなる。基本的には特技レベルが高くなるほど特技の成功率やより大きな結果が望めるようになる。
特技の成功率については特技レベル以外にも「タレント」が大きく影響する。タレントはそのキャラクターの持つ才能のことでパーティ加入時に所持するタレントが決定される。「執筆」に対して「文才」のように、特技に対応するタレントを所持していればその特技の成功率は高くなり、逆に所持していなければ成功率はかなり低くなる。最初から所持していないタレントでも対応する特技を繰り返し行なえばそのタレントが開花することがある。各キャラクター毎に最初から所持する可能性のあるタレント、開花する可能性のあるタレントが決まっており、可能性を持たないタレントは何度繰り返しても開花することはない。
[編集] キャラクター
- ラティクス・ファーレンス(声優:結城比呂)
- 主人公。愛称はラティ。クラトスの自警団に所属。青い髪を後ろで縛った髪型が特徴的。自警団の仕事が暇なクラトスの平和を良いこととは思いながらも心では冒険も望んでいた。同じく自警団に所属しその仕事中に死んだ父から「エダール剣術」を学んでいる。武器は片手剣。
- ネコを祖先とする亜人「フェルプール」で尻尾がついている。好物はホイコーロー。最強のバランス型。奥義の七星双破斬はゲームバランスを粉砕するほど強い。ファイナルファンタジータクティクスのシドと良い勝負である。
- ドーン・マルトー(声優:檜山修之)
- ラティと同じくクラトスの自警団員。物語の冒頭で仲間になるがストーリーが進むと石化病に罹りパーティから外れる。短い間しか仲間として使用できず必殺技を覚えない。装備武器は片手剣。
- ミリーに恋心を抱いているがラティのことを好きなミリーの気持ちに気付いており、自分の気持ちを隠している。好物はステーキ240。フェルプール。通常攻撃がかなり強い。
- ミリー・キリート(声優:吉田古奈美)
- ラティ、ドーンと同じくクラトス自警団に所属する少女。回復の法術を使うことができる。装備武器は杖。物語の冒頭で一度仲間になるが300年前のロークに行く際にラティ達とはぐれ、パーティから一時離脱する。父マルトスはクラトスの法術師。
- 好物はフルーツパフェ。フェルプール。パーティメンバーによって彼女が仲間になる期間が早くなることもあれば遅くなることもある。回復や支援に特化したキャラ。
- ロニキス・J・ケニー(声優:岡本諦)
- 宇宙船カルナスの艦長を務める地球連邦の大佐。ロークで紋章術を習得し攻撃呪紋を使用する。装備武器は弓。ミリーと共にパーティから一時離脱する。かつて妻を病で失っていて、亡き妻への想いからイリアの気持ちに気付きながらもそれに応えられずにいる。
- 好物はまつたけボイル。地球人。続編「セカンドストーリー」の主人公の1人、クロードの父親で、同作にも登場するが物語中に乗艦を落されて行方不明になってしまう。攻撃魔法特化型。
- イリア・シルベストリ(声優:山崎和佳奈)
- ロニキスの副官を務める地球連邦所属の軍人。格闘術の心得があり武器はナックル。明るい性格でお酒好き。300年前のロークに向かう際にロニキス、ミリーとはぐれたためラティと二人で行動することになる。艦長のロニキスに密かに好意を寄せている。
- 好物はたまのひかり。地球人。続編「セカンドストーリー」ではクロードの口癖や特技から、ロニキスの後妻となった可能性が極めて高い。また、「スターオーシャン3」ではイリア・ケニーという名称で紹介されている。接近戦に強い。
- シウス・ウォーレン(声優:東地宏樹)
- 300年前のロークの住人で腕利きの冒険者。アストラル騎士団長ライアス・ウォーレンの息子でかつては同騎士団に所属していた。しかし実力不足を自覚していながら父に騎士団長補佐の役職を命じられたことで出奔。ホットでラティ達に出会い同行する。両手剣を武器とし、エダール剣術をもとにした「我流剣術」を用いる。
- 好物はこくりゅう。トラを先祖とする種族「ハイランダー」で、体にはトラの縞模様を髣髴とさせる模様がある。フィアの言葉遣いは彼の影響と思われる。一撃が重いパワー型。通常攻撃は遅めだが纏めてヒットしやすい。
- アシュレイ・バーンベルト(声優:井上和彦)
- ロークでは名の知られる隻腕の剣士。武器は片手剣。エダール剣術の達人で後継者を探していた。シウスの父ライアスや「真紅の楯」デル・アーガスィとは友人。「七星奥義」、「四聖獣奥義」、「皇竜奥義」と奥義スキルは全て習得済み。ただし、片腕しか使えないためか皇竜奥義の技は使用できない。
- 好物はせんそうゼリー。ハイランダー。シウスを仲間にした場合登場しない。進め具合によってはラティに皇竜奥義を伝授してくれる。バランス型だが若干癖有。
- フィア・メル(声優:吉田古奈美)
- アストラル騎士団に所属する女性騎士。短剣を自在に操る技「レイブンソード」の使い手。ただその使用にアストラルリングを用いるため、アクセサリーなどを装備する「その他」欄が一つ埋まっている。シウスの幼馴染で密かに彼に好意を寄せている。しかしそれゆえに騎士団から逃げ出したシウスを許せないでいる。
- 好物はサザエつぼやき。ハイランダー。シウスの影響か、男のような言葉遣いを喋るが戦闘ではそのようなことはあまりない。遠距離攻撃型、連射力が突出して高い。
- ヨシュア・ジェランド(声優:檜山修之)
- 有翼人種である「フェザーフォルク」の紋章使い。攻撃、回復両方の呪紋を使える。武器は杖。「真紅の楯」に両親を殺害され、妹と生き別れた過去を持つ。妹エリスを探す旅の途中にラティ達と出会う。両親の形見の指輪のため「その他」欄が一つ埋まっている。
- 好物はエスカルゴ。控えめな外見とは裏腹に激情家で、妹を助けるためならどんな苦難もいとわない覚悟を持っている。幼い頃ある狩人に助けられたことがあり、ゲーム本編でも彼が仲間になっていれば、その恩人と会うことが出来る。回復と攻撃両方使えるが器用貧乏が否めない。
- マーヴェル・フローズン(声優:野中希)
- 300年前のロークでラティ達と離れたロニキス達と行動を共にしていた美しい女性。オーブを自在に操る技「レイヴンオーブ」で戦う。両親と兄の敵である「真紅の楯」を探している。実はヨシュアの妹エリスが復讐のため古代ムーア人と契約を交わして手に入れた姿。本来のエリスの体は旧異種族の遺跡の洞窟奥で氷の中に眠っている。
- 好物はワイン。ゲーム中のパーティーメンバーによっては彼女は消えてしまうことがある。遠距離攻撃型で癖が強い。リンクコンボでのヘイルオーブの連射が非常に強力。
- ティニーク・アルカナ(声優:藤崎卓也)
- 「リカントロープ」と呼ばれる特殊な種族で、普段は人間の姿をしているが戦闘時などには狼の姿に変身する。タトローイの闘技場で強者を求めており、闘技場でラティが連勝していると乱入者として現れ、勝利すると仲間に加えることができる。武器は棍。流派スキルは「格闘術」。好物はおムスビ。
- 通常攻撃が突出して早くリーチが長い。しかも技自体が強いので最強キャラの一角でもある。
- ペリシー(声優:山崎和佳奈)
- フェルプールの祖先といわれる「レッサーフェルプール」の少女。フェルプールよりもさらにネコの特徴を残しており、尻尾だけでなく猫耳や肉球を持っている。レッサーフェルプールは音楽の才能に恵まれていて初期タレントとして「音感」「リズム感」を所持している。また、白い子猫に変身することができる。武器はナックル。流派スキルは「ねこかくとう♪」、習得できる奥義スキルは「ネコ奥義♪」。隠しキャラ的な扱いだが彼女が仲間にいなければ高速移動手段である「バーニィ」を入手することはできない。最初のプレイでは彼女の落し物に気づかないプレイヤーも多くいる。好物はおおとろ。
- スキル全般がお遊び要素たっぷりの趣味キャラ。故に使いづらいがチャーミングポーズはホーミング型飛び道具なので使い易い。
[編集] スターオーシャンシリーズ
シリーズ作品は同一の世界の異なる時間の物語となっており、発売順に時代が新しくなっている。主人公や主な冒険の舞台となる惑星は作品ごとに異なるが同一世界の物語であるため多数の共通した設定を持つ。
設定面以外のシステム的なシリーズの共通点としては
- プレイヤーが新たなアイテムを作り出すアイテムクリエイション。
- 多数の仲間キャラクターとその選択で変化するストーリー。
- 簡単な操作で行なえるフルモーションアクティブバトル。
- 仲間同士のイベントでエンディングにも影響を与えるプライベートアクション。
などが挙げられる。
また、舞台となる惑星が異なるにもかかわらず通貨は「フォル」で共通している。さらにどの惑星でも登場する丸く巨大なウサギのようなネコのような動物「バーニィ」はシリーズのマスコット的な存在となっている。
なお、バグが多いことでも有名。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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