雄別鉄道
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雄別鉄道（ゆうべつてつどう）は、北海道釧路支庁管内釧路市の根室本線釧路駅から、同管内阿寒郡阿寒町（現・釧路市）の雄別炭山駅までを結んでいた鉄道路線などを運営していた炭鉱鉄道会社。雄別炭礦の子会社で三菱グループに属していた上場企業であった。
1969年、茂尻鉱にて人身事故を起こした事で廃坑に追い込まれ、これが引き金になり翌年の（1970年）1月には、2月以降の社員への給与支払いの見通しもたたず親会社の雄別炭鉱が閉山、同年4月、住人の移転作業が終了し鉄道業務も停止した。
本社所在地は東京都千代田区丸の内1-2永楽ビル。
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[編集] 概要
もとは雄別炭礦鉄道が炭鉱と鉄道の運営を行っていたが、1959年に鉄道部門を分離（尺別線は炭鉱にて継続）して雄別炭礦株式会社と、雄別鉄道株式会社が発足した。その後、倒産直前の1970年2月に雄別炭礦に吸収合併されている。このような措置が採られたのは、一説によると炭鉱閉山により失職する鉄道従業員に対しても炭鉱職員としての身分を与え、離職者手帳の交付対象に加えるためであったと言われている。
倒産当時は戦後最大の炭鉱会社大手の倒産であった。
雄別鉄道の終点である鉱業所のおかれていた雄別地区（人口15000人）は閉山とともに人口が激減した。このため役所、郵便局、病院、映画館、小中学校、寺、神社、のすべての都市施設が数ヶ月で停止閉鎖され、商店街は廃業、または阿寒町市街地や釧路市への移転を強いられた。雄別炭鉱の倒産業務に携わる社員以外、住民は全く姿を消し、閉山後数年で無人地帯と化した。
雄別炭礦は、北海道釧路支庁管内白糠郡音別町（現・釧路市）の根室本線尺別駅から尺別炭山駅までを結ぶ鉄道路線も運営していた。
雄別炭礦は、路線・貸切バスの雄鉄バス（釧路）を運行していたが、路線バスは当初、釧路市内路線のみ存続する動きもあったが結果的に1970年親会社の雄別炭礦の廃業とともに鉄道・バスの全線が廃止され、釧路市内路線の浄水場線はくしろバス、阿寒町郊外路線の布伏内線は阿寒バスが路線を引き継いで現在に至っている。
[編集] 関連会社
- タクシー部門 永楽交通（東京、仙台、札幌、旭川、釧路）
- 観光バス部門 永楽観光自動車（現・日本中央バス 東京）、永楽観光サービス（東京）、永楽観光バス（現・安全永楽交通 札幌）
- （閉山と同時に倒産・廃業した会社）雄別工作所、雄別商事、雄別興産、雄別石油販売、雄別建材、道東三菱自動車販売、雄鉄バス、雄鉄観光バス、尺別商事、尺別工作所、茂尻鉄工所、茂尻商事、
- （現在も存続している会社）釧路製作所、北海道ドリゾール、雄別林業、釧路埠頭、釧路三菱自動車販売（現在は帯広三菱・十勝三菱グループの傘下）
なお、関連会社の本社業務の多くを雄別炭鉱総務が兼務していた。
[編集] 路線
※データは廃止直前のもの。全て軌間1067mm、全線単線・非電化。
- 雄別本線：釧路～雄別炭山間 44.569km 12駅
- 鶴野線：鶴野～新富士間 4.352km 2駅
- 埠頭線：新富士～雄別埠頭（現・北埠頭）間 2.689km 2駅
- 雄鉄昭和（旧・鳥取信号所）～新富士は（鳥取側線）鶴野線開業に伴い廃止。
- 新釧路構外側線：新釧路～水面貯木場間 2.530km 2駅
- 雄別炭礦直営路線
- 尺別鉄道線：尺別～尺別炭山間 10.8km 6駅
- 計画路線である釧北線の一部であった。
[編集] 雄別鉄道線
釧路～雄別炭山間に旅客列車を1日5往復（うち1往復は混合）、貨物列車を1日13往復（埠頭線9往復）運行していた。
[編集] 歴史
- 1923年1月17日 北海炭礦鉄道が釧路～雄別炭山間を開業。
- 1923年6月14日 古潭駅開業。
- 1924年3月18日 北海炭礦鉄道が雄別炭礦鉄道に社名変更。
- 1925年9月20日 湯波内駅開業。
- 1926年10月20日 穏禰平駅開業。
- 1926年11月26日 新釧路～平戸前（後の北斗）間に釧路川信号所開設。
- 1935年9月20日 新釧路～平戸前間の釧路川信号所廃止。
- 1950年5月1日 舌辛駅を阿寒駅に改称。
- 1951年4月11日 鳥取信号所開設。
- 1952年9月11日 新富士～雄別埠頭（後の北埠頭）間開業。
- 1953年4月11日 新雄別駅開業。
- 1956年3月21日 平戸前駅を北斗駅、穏禰平駅を山花駅、湯波内駅を桜田駅に改称。
- 1956年9月1日 真澄町駅開業。
- 1959年8月31日 雄別炭礦鉄道が、釧路～雄別炭山間、新富士～雄別埠頭間を雄別鉄道に分離譲渡。
- 1960年3月1日 中園駅開業。
- 1968年1月21日 鶴野～新富士間開業。
- 1970年2月12日 雄別鉄道が雄別炭礦に吸収合併。
- 1970年4月16日 釧路～雄別炭山間、鶴野～新富士間廃止。新富士～雄別埠頭間を釧路開発埠頭に譲渡。
- 1984年2月1日 釧路開発埠頭 新富士～北埠頭廃止。
[編集] 駅一覧・接続路線
（いずれも廃止時点のもの）
- 雄別本線
- 釧路駅 - 新釧路駅 - 中園駅 - 雄鉄昭和駅（旧・鳥取信号所）- 北園駅 - 鶴野駅 - 北斗駅 - 山花駅 - 桜田駅 - 阿寒駅 - 古潭駅 - 新雄別駅- 真澄町駅 - 雄別炭山駅（ - 選炭場 - 大曲選炭場 大詳内線）
- 埠頭線
- 鳥取信号所 - 新富士駅 - 雄別埠頭駅（後の北埠頭駅）
- 鳥取信号所：雄別本線
- 新富士駅：根室本線
[編集] 尺別鉄道線
雄別炭鉱株式会社 本社 東京都千代田区大手町1-5
機関庫は新尺別に置かれていた。
C12形蒸気機関車を3両、客車4両、貨車11両を保有していた。
[編集] 歴史
- 1918年10月 北日本鉱業創立（本社尺別）。資本金300万円。
- 1919年 大和鉱業（本社大阪）浦幌炭鉱創業。
- 1920年4月1日 北日本鉱業が尺別～尺別炭山間に専用軽便鉄道 軌間762mm 全長11.7km開業。
- 1928年12月17日 北日本鉱業は三菱鉱業雄別炭鉱へ営業譲渡。
- 1936年 大和鉱業は浦幌炭鉱を三菱鉱業雄別炭鉱へ営業譲渡。
- 1942年11月3日 三菱鉱業が専用鉄道として尺別～尺別炭山間 軌間1067mm 全長11.8km開業。軽便鉄道から切替。
- 1946年 三菱鉱業は雄別炭礦鉄道に尺別炭鉱・浦幌炭鉱の採掘をあたらせ、尺別～尺別炭山間の専用鉄道を譲渡。
- 1954年 浦幌炭鉱閉山。
- 1959年8月31日 雄別炭礦鉄道が雄別炭礦に社名変更。
- 1962年1月1日 尺別～尺別炭山間を専用鉄道から地方鉄道法に基づく鉄道に変更。
- 1970年2月12日 雄別炭礦が雄別鉄道を吸収合併。
- 1970年4月16日 尺別～尺別炭山間廃止。
[編集] 駅一覧・接続路線
（廃止時点のもの）
尺別駅 - 社尺別駅（駅） - 八幡前駅（停留所） - 新尺別駅（駅）- 旭町駅（停留所） - 尺別炭山駅（駅）
※尺別～社尺別間は貨物営業のみ。
- 尺別駅：根室本線（尺別鉄道線の尺別駅は貨物扱いのみ。旅客は社尺別駅乗り換え）
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