阿部泰隆
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
阿部泰隆（あべ やすたか、昭和17年（1942年）3月30日-）は、日本の行政法学者。弁護士（東京弁護士会所属）。法学博士。神戸大学名誉教授。中央大学教授。
日本不動産学会学会賞著作賞（1997年度）、都市住宅学会賞（1999年度）、日本不動産学会著作賞（2001年）、地域政策学会賞（2002年）、都市住宅学会賞著作賞（2003年）、日本地域学会賞・著作賞（2003年）を受賞。日本公法学会、租税法学会、環境法政策学会、自治学会、日本環境会議、法と経済学会の各理事。
目次 |
[編集] 研究概要
助手時代は田中二郎、雄川一郎に師事。いわゆる行政法の中でも、行政訴訟法、環境法、地方自治法、都市計画法、司法システムなどを中心に手広く研究している。助手時代はフランス行政訴訟法を研究していたがフランスの行政法規から学ぶことは少ないとして後にドイツおよびアメリカの行政法を中心に研究。行政法理論そのものよりも、行政システム全体のありかたについて研究するに至る。日本の行政システムの問題点を鋭く指摘し、その改善案を積極的に提言している。現在は、中央大学総合政策学部図書室内の研究室を研究の拠点としている。「犬も歩けば行政法に当たる」、「六法に入れてもらえぬ行政法」など名言が多いが、「内閣法制局はシーラカンス」との発言は、一事例をもって組織全体を非難する点や、古くから残る種（シーラカンス）を劣ったもののようにいう点で問題視する意見もある。
[編集] 略歴
- 1942年・福島県福島市生まれ
- 1960年・福島県立福島高等学校卒業
- 1964年・東京大学法学部卒業。東京大学助手。
- 1967年・神戸大学法学部助教授
- 1972年・法学博士（東京大学）
- 1977年・神戸大学法学部教授
- 1993年・ドイツ・トリア大学客員教授
- 2000年・神戸大学大学院法学研究科教授
- 2005年・3月22日、弁護士登録。神戸大学定年退職。同名誉教授。中央大学総合政策学部教授。
[編集] 主著
- 『フランス行政訴訟論』（有斐閣、1971年）
- 『行政救済の実効性』（弘文堂、1985年）
- 『事例解説行政法』（日本評論社、1987年）
- 『行政裁量と行政救済』（三省堂、1987年）
- 『国家補償法』（有斐閣、1988年）
- 『行政法の解釈』（信山社、1990年）
- 『行政の法システム上・下［新版］』（有斐閣、1992年）
- 『行政の法システム入門』（放送大学教育振興会、1998年）
- 『演習行政法上・下』（青林書院、1979年）
- 『講義行政法Ｉ・Ⅱ』（青林書院、1982年、1984年）
- 『判例コンメンタール 行政事件訴訟法』（三省堂、1984年）
