虎の穴 (タイガーマスク)

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虎の穴（とらのあな）は、梶原一騎原作、辻なおき画のプロレス漫画およびアニメ作品『タイガーマスク』に登場する悪役レスラー養成機関で、スイスのアルプス山中に本拠を置く。その象徴は禿鷲の翼を持ち、その尾は蛇となった虎の巨像であって、「虎の強さ、禿鷲の翼、蛇の狡さと執念」を意味する。日本、アメリカ、インド、ブラジルなど世界中のプロレスの盛んな国に支部があり、後述のミスターＸに当たる駐在員がいる。ちなみに日本支部は東京の「国際貿易センター」の中にあり、「国際芸能／スポーツプロモーター・ミスターＸ事務所」を名乗っている。

注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。

[編集] 設定

孤児院「ちびっこハウス」出身の主人公・伊達直人は、「虎の穴」で地獄の猛特訓をうけて覆面レスラー「タイガーマスク」となるがファイトマネーを組織に納めなかったため、死の制裁を与えるべく「虎の穴」のマネージャー、ミスターXが送り込む悪役レスラー達と戦う。

アルプス山中にある「虎の穴」本部には翼を生やした虎の巨大なモニュメント（魔神像）が建てられている。その中では世界中から集めた孤児達を地獄の猛特訓で淘汰し「10年計画」で強靭な悪役レスラーに仕立てるという設定となっている。
伊達直人いわく「5年のうちにほとんどが死に、卒業出来るのはごくわずか」である。

アニメ版第28話で「虎の穴」の契約書が映るシーンがあり、これによると「虎の穴」の正式名称は「Tiger's Cave Wrestling Co., Ltd」。

その目的がどこにあったのか、など組織の全貌は原作漫画では明かされなかった。けして悪役レスラー軍団を築いて世界征服を意図していた訳ではないらしい。単純に大物悪役を育成してそのファイトマネーから半額を納めさせる、経済的目的だったとしたら、生存率10パーセント未満とも言われる殺人トレーニングなど、設備投資額に対してあまりに回収率が悪いのではないのか、とも指摘される。

アニメ版の放映時の設定によると、「虎の穴」は世界的な悪のシンジケート「虎」の一部門であり、「ラスベガスの１年間の収入に匹敵する利益」（ボス談）を上げている。シンジケート「虎」は悪役レスラー育成の他に、麻薬精製、ダイヤモンド鉱山の経営、各国要人の買収なども行っている。「虎」の首領はイタリアのマフィアの大ボスといわれているが詳細は不明である。

[編集] 名前の由来

原作者・梶原一騎命名の「虎の穴」の名前は、英国マンチェスターに実在した「ビリー・ライレージム」（カール・ゴッチ、ビル・ロビンソンら幾多の名レスラーを輩出）の通称「Snake Pit」（蛇の穴）に由来する。

[編集] 「虎の穴」の掟

「虎の穴」出身のレスラーは常に残虐非道な悪役としてのファイトしか許されない。彼らにとって相手を叩きのめしての反則負けは勝利であり、反則勝ちは敗北である。
ファイトマネーの50％を組織に上納金として納めなければならない。
これら掟を破ると裏切り者と見なされ、「虎の穴」同門のレスラーたちから恐るべき制裁を受ける。タイガーマスクが「虎の穴」の刺客から命をねらわれているのは、定められた上納金を納めなかったためである。

[編集] アニメ版「虎の穴」

アニメ版のオリジナルストーリーでは、虎の穴のボスはドイツ出身のプロレスラーで、あまりの強さに「デビュー後１年もしないうちに対戦相手がいなくなってしまい」「勝てることが分かり切っているプロレスを続けることがバカバカしくなり」「世界のマット界を裏から支配しようと」（以上ボス談）虎の穴を築き上げたとされる。のちに彼は覆面レスラー「タイガー・ザ・グレイト」として伊達直人のタイガーマスクと戦っている。

[編集] 「虎の穴」幹部

ミスターX（ミスターエックス）

極東地区担当マネージャー。「虎の穴」鉄の掟を破ったタイガーマスク（伊達直人）を抹殺するため指揮をとる。ストーリー終盤では「ボス」が直接指揮をとるようになり、プロモーターに配置転換され墓穴を掘る形で自ら命を落とす。

ボス

当初は姿を見せない謎の存在だったが、ミスターXに業を煮やしタイガーマスク抹殺の指揮をとるようになる。その正体は「虎の穴」の創設者で、かつては世界中を荒らしまくった天才レスラーであり、怪力･技･反則の３つを兼ね備えた「虎の穴」最強のレスラー＝タイガー･ザ･グレイトでもある。

赤いマスクの3人の支配者

「虎の穴」本部で世界各国のマネージャー達に指令を出す。その正体は「虎の穴」が生み出し、世界最強と恐れられながら忽然とプロレス界から姿を消した「幻の三人のタイガー」である。

マネージャー達

マネージャー達は総勢7名で構成されており、世界中の各地区を担当している。

- ミスターY（ミスターワイ）

ミスターX・Zと並ぶ「虎の穴」のマネージャー。「三人の支配者」亡きあとボスからミスターZと共に新たに支配者として任命される。

- ミスターZ（ミスターゼット）

ミスターX・Yと並ぶ「虎の穴」のマネージャー。「三人の支配者」亡きあとボスからミスターYと共に新たに支配者として任命される。

[編集] 「虎の穴」出身の主なレスラー

タイガー・マスク（伊達直人）

ミスター不動（大門大吾）

イエロー・デビル（高岡拳太郎）

ブラック・パイソン（黒いニシキヘビ）

「虎の穴」がタイガー・マスク抹殺のために最初に送り込んだ刺客レスラー。来日直後、羽田空港で逃げ出した人食い虎を手刀一発で絶命させる実力を披露した。69人を病院送りにし、9人を再起不能にし、2人を殺したパイソン締め（胴締め）が必殺技。

獣人ゴリラマン

アフリカのジャングルでマウンテンゴリラに育てられた白人の少年を「虎の穴」が買い取り、レスラーとして養成した。巨体のために飛行機に乗ることができず、檻に入れられたまま貨物船で来日。プレスを招いてのデモンストレーションでは、乗客を乗せたバス5台を鎖で引っぱった。巨体を利した肉弾メガトン落としが必殺技。タイガーマスクに破れた後、彼の尽力でアメリカの人権団体によって身柄を守られ、再教育を受けることになった。

スカル・スター（どくろの星）

ミスターXの手引きで試合中に照明を落とし、ミスターシャドウとのタッグで対戦相手を叩きのめす。必殺技・殺人パンチは対戦相手を10秒でマットに沈めたことがある。正体は「虎の穴」でタイガーマスク＝伊達直人と同期でたびたび彼に危機を救われたロッキー。アニメでは伊達直人抹殺の指示を拒否したため、ミスターXに処刑される。

ミスター・シャドウ（影の男）

リング下にひそみ、ミスターXの手引きで試合中に照明が落ちた後に、スカルスターとのタッグで対戦相手を叩きのめす。正体は「虎の穴」でタイガーマスク＝伊達直人と同期でたびたび彼に危機を救われたリコ。アニメでは伊達直人を抹殺しようとして誤って事故死する。

ミスター・NO（のっぺらぼう）

タイガーマスク抹殺のためにミスターXが企画した覆面リーグ戦で来日。異様に長い首にのっぺらぼうの頭が乗る「宇宙人みたい（健太談）」な容姿。全身がビニールタイツに包まれ、頭には鉄球が入っているギミックレスラーで、強烈な頭突きで対戦相手を悶絶させる。

ドラキュラ（吸血鬼）

覆面リーグ戦で来日。全身が剛毛に覆われ、ざんばら髪で悪鬼のような顔を隠している。全身の剛毛は麻酔薬を仕込んだ注射針になっており、対戦相手を痺れさせた後、噛みついて吸血する。

キング・サタン（悪魔王）

覆面リーグ戦で来日。コミック版では「虎の穴」のコーチが正体だったが、タイガーマスクの反則攻撃にいいところなく敗れる。アニメ版ではライオンマンに叩きのめされ、素顔を晒して場外撃沈している。

ゴールデン・マスク（黄金仮面）

覆面リーグ戦で来日。特殊ガラスで作られたアルカイックスマイルの仮面を着用。仮面から発するサーチライトのように強烈な光で相手の目を眩ませ、ロープをもかみ切る強力な牙で相手を噛み裂く。

エジプトミイラ（反則王）

覆面リーグ戦決勝でライオンマンとのタッグでタイガーマスク＆グレートゼブラ組と対戦。リングネームのとおり古代エジプトのミイラそっくりのコスチューム。包帯の間に仕込んだ胡椒や眠り薬で対戦相手を痛めつける。正体は「虎の穴」の反則専門の助監督。

ライオンマン（百獣王）

覆面リーグ戦決勝でエジプトミイラとのタッグでタイガーマスク＆グレートゼブラ組と対戦。取り立てて奇抜な技は有しないが、怪力が武器。タイガーマスクのコブラツイストに敗れる。正体は「虎の穴」の総監督。

ストロング・アーム

アニメ版のオリジナルキャラ。強烈なジャイアントスイングで対戦相手をコーナーポストにぶつける。正体は「虎の穴」で訓練生だった伊達直人と大門大吾に目をかけていたコーチの鉄腕ジョー。タイガーマスクに破れた後、必殺技をもたない彼の弱点を指摘し、必殺技の重要性を説いた。その後ミスターXによって、飛行機搭乗前に手荷物に時限爆弾を仕掛けられてしまう。アニメでは描写されていないが、おそらく落命したと思われる。

赤き死の仮面（20世紀の吸血鬼）

彼がリングにあがると、その都市のプロレス人気はたちまち死に絶えると言われるほど、残虐ファイトに徹したレスラー。2000種類の反則技を持つと言われ、名だたる悪役レスラーが彼の前ではすくみあがるほどだった。タイガーマスクは彼との死闘の最中、我を忘れて大反則を犯してしまい、勝負には勝った形だが心に深い絶望感を抱くことになった。

ミスター・カミカゼ

もともとは「虎の穴」出身ではなく、空手を学んだ正統派レスラーだったが、やがて表舞台を追われ、虎の穴の息のかかったパリの賭博プロレスで活躍していた。タイガーと戦い敗れるが、その戦いの中で友情を結び、彼の助力を得て地下プロレス界から脱出する。ウルトラ・タイガー・ブリーカー(漫画ではフジヤマ・タイガー・ブリーカー)の最初の犠牲者でもあった。アニメ版では「虎の穴」とのつながりはなく、ロスアンゼルスのリングでタイガーマスクと対戦。のちに東京でも再戦を果たしている。

猛牛サムソン

スペインを拠点に活躍するヨーロッパ王者。赤き死の仮面との対戦後、海外で武者修行するタイガーマスクと、モナコの船上リングで対戦。

偽タイガーマスク

アニメには無登場。うりふたつのマスクとリングコスチュームでアメリカのプロレス界に登場した。唯一伊達直人のタイガーマスクと違うのは、マスクの虎の牙がプラスチック製の飾りでなく、凶器としてもつかえる鉄製のものになっていること。元祖タイガーの名を貶めるために悪役として暴れまくり、やがて元祖ともデスマッチを戦った。試合には敗れたものの、死闘の最中反則に反則で応じてしまったことで、伊達直人は「もう本物もニセモノもない」と絶望することになる。「赤き死の仮面」と同様、タイガーマスクに心理面では勝利をおさめたといえるレスラーである。

シャーク2世

アニメ版のオリジナル・キャラ。虎の穴の鬼コーチだったが、残忍な反則技を見せるヒールとしてデビュー。ワールドリーグ戦の決勝戦に進出したタイガーマスクを倒すため、ミスターXとともに対戦者ビル・ヘラクレスを脅迫し、ゴムマスクを利用して彼と入れ替わる。試合中にタイガーのバックドロップでゴムマスクがずれ、あえなく正体がばれて撃沈。

ザ・ミラクルズ

アニメ版のオリジナルキャラ。タイガー・マスクの技を研究するために「虎の穴」が送り込んだスパイレスラー。お互いの片腕の先が結合したシャムの双生児として生まれ、手術で切り離した腕に（義手のインプラントを兼ねた？）強化骨を埋め込んでいる。双生児特有の一種の霊感による意思疎通で、対戦相手の攻撃をかわす。

ブラック・パンサー

アニメ版のオリジナルキャラ。ザ・ミラクルズの助力でタイガーマスクの技を研究し尽くして対戦した。「虎の穴」には珍しい正統的な技巧派レスラー。

ナチス・ユンケル

本名ハンス・ストライザー。ドイツのハンブルク出身。新生虎の穴の第１期生で、高岡拳太郎＝イエローデビル、チャキル・ランパーファー＝キングジャガーと同期。幼少時に両親を交通事故で亡くしている。血気に逸るあまり「虎の穴」の指示を得ないままタイガーマスクと対戦し完敗。ミスターXの手で、「今の日本で交通事故ほど自然な死に方はない。バカバカしく数が多いから（ミスターX談）」と交通事故に見せかけて処刑される

キングジャガー

本名チャキル・ランパーファー。タイ出身。新生虎の穴の第１期生で、高岡拳太郎＝イエローデビル、ハンス・ストライザー＝ナチス・ユンケルと同期。貧しさと差別に苦しんだ幼少時の体験から、貧しさにあえぐ人々を憎んでいる。タイガーマスクとの対戦を前にして、交通事故からおでん屋の屋台を炎上させてしまい、弁償のために虎の穴に上納すべきファイトマネーに手を付けてしまう。グローブを用いたタイ式キックボクシングでタイガーマスクと渡り合う。

ビッグ・タイガー

赤いマスクの幹部達の正体であり「幻の3人タイガー」の一角。恐るべき怪力の持ち主。５両の列車を３６ｍも引っ張った「怪力アトラス」というレスラーと手４つに組み、一歩も引かなかったという伝説を持つ。

ブラック・タイガー

赤いマスクの幹部達の正体であり「幻の3人タイガー」の一角。変幻自在のスピードの持ち主。大門大吾は「密林を駆ける虎さながらのスピードを持つ」と評している。

キング・タイガー

赤いマスクの幹部達の正体であり「幻の3人タイガー」の一角。ビッグの怪力とブラックのスピードをあわせ持つと言われ、反則攻撃を得意技とする。「三匹の虎」最強のタイガー。

ピラニアン

プールデスマッチでタイガーマスクと対戦。プールの水中にピラニアを放し、タイガーマスクを襲わせた。自らはスーツにピラニアよけの薬を塗っていたが、その薬をタイガーマスクに奪われ、自らがピラニアの餌食になった。

ローン・ウルフ

カナダの山中でハイイロオオカミに育てられた狼男。「虎の穴」では高岡拳太郎の後輩にあたる。前記ゴリラマンに類似した設定であり、ミスターXによって「知能は幼児並みのヤツ」とまで言われているが、自動車を運転するなどゴリラマンよりよほど人間らしい。鋭い爪と牙でタイガーマスクを噛み裂こうとする。

ミラクル3（ミラクルスリー）

ボスが試合勘を取り戻すため、またケン高岡とタイガーマスクにリング上からプレッシャーを与えるためリングに上がった時の仮の姿。奇跡的なパワー・スピードで外人レスラーを圧倒し、タイガーマスクとケン高岡に無言のプレッシャーを与えた。

タイガー・ザ・グレイト

ボスの真の姿。胸にはドクロとナイフの刻印が施され、不気味な白虎の風貌。ミラクル３としてケン高岡に挑戦。開戦直前に正体を現し、ミラクル3の時は封印していた残忍な反則を解禁してケンを血の海に沈める。タイガーマスクとの最終決戦では凄まじい反則攻撃で荒れ狂いタイガーマスク抹殺の寸前まで追い込む。しかし、マスクが破れ伊達直人の正体が明かされると形勢を逆転され、怒りに燃えた伊達直人の壮絶な反則攻撃に打ちのめされる。最後は、照明に逆さ吊りにされ、重みに耐えかねて落下した照明に押しつぶされ「虎の穴」は崩壊した。

ほんの一瞬登場した虎の穴のレスラー（アニメ版）

覆面サムソン

ミスターXが初登場し、虎の穴への上納金を滞納したタイガーマスクを脅迫する場面で語られた。タイガーマスクと同じく虎の穴への上納金を滞納したため、リング上で頭ばかりを攻められ、ついに発狂して列車に飛び込み自殺した。その後もタイガーマスク（伊達直人）が虎の穴の刺客に怯える場面で、繰り返し悲惨な死が描かれている。

サタン

覆面サムソンと同じくミスターX初登場時に彼の口から語られた。やはり上納金を滞納したため、リング上で腹ばかりを攻められ内臓破裂死。前述キング・サタンとは別人。

ドラゴンマスク

虎の穴の支配者たちが覆面リーグ戦への参加レスラーを選考する場面で登場。メキシコを拠点に連勝を続けている。スケジュール的には覆面リーグ戦への参加は可能だったが、過去にタイガーマスクと対戦して敗れているため、参加は見送りとなった。

その他

ミスターX初登場の場面で語られた「足ばかりを攻められ入水自殺したレスラー」。虎の穴本部の大ホールに掲げられた「パネル写真のレスラー」（幻の３人タイガーなどの超強豪）。ミスターX所有のファイルに掲載されている「ドクロマスク」「G-SSⅡ」「M-ZO」たちが確認できる。

[編集] 虎の穴の雇われレスラー

幻の３人のタイガーを失い、組織が弱体化した虎の穴は世界中の悪役レスラーをスカウトしてタイガーマスクに刺客として差し向けた。コミック版では彼らの多くが、虎の穴の企画した世界悪役ワールドリーグ戦の参加レスラーとして描かれている。

ユニバーサルマスク

リングを金網で囲った「金網デスマッチ」でタイガーマスクと対戦。ロープと金網を利用した空中戦を得意とし、タイガーマスクを苦しめた。対戦中にタイガーマスクの頭上に乗り、その覆面を口元まで剥いでいる。正体はドイツの体操選手だったマーク・ストロハイム。

ジキル・アンド・ハイド

イギリスのスティーヴンソン作の怪奇小説「ジキル博士とハイド氏」そのままにクリーンファイターから凶器を多用する反則魔へと豹変して、対戦相手を叩きのめす二重人格レスラー。正体はアメリカの正統派レスラーとして子どもたちのあこがれだったデューク・シャープ。反則レスラーに打ちのめされる悔しさから、時折ジキル・アンド・ハイドに変身して憂さ晴らしをしていた。

デビル・スパイダー

「幻の３人タイガー」と並ぶ実力者として、ボス自らがニューヨークでスカウト。地上10ｍの高さに設営したクモの巣状のリングで戦う「スパイダー・ネスト・デスマッチ」でタイガーマスクの首をねじ切ろうとした。

ゴルゴダ・クロス

コミック版のみに登場。キリストを処刑したゴルゴダの十字架のように「すべての正統派レスラーを処刑する」と豪語する。リング上に無数の釘を備えた十字架を据え付け、リングを鉄条網で囲った「鉄条網デスマッチ」でタイガーマスクと対戦。動物の血を入れた袋を隠し持ち、それを試合中に破裂させて大量出血したように見せかけ、相手がひるんだ隙に叩きのめす。

バイキング・キッド

コミック版のみに登場。ノルウェー出身で「海賊の子孫」を自称する。海上にリングを浮かべたデスマッチでタイガーマスクと戦う。水中での戦いを得意とし、水に手足を取られて動きの鈍った相手を溺れさせる。

コミック版では、ピラニアン、ミラクル3も世界悪役ワールドリーグ戦への参加レスラーとして登場している。

[編集] 続編作品における虎の穴

『タイガーマスク二世』に登場したタイガーマスク二世こと亜久達也（ちびっ子ハウスの孤児出身）は、漫画版において初代タイガーマスクである伊達直人の遺志を継ぐべく自分の意思で虎の穴に乗り込んでレスラーとしてのテクニックを身につけたと語っている。

同作でタイガーマスク二世の戦うのは虎の穴ではなく、宇宙プロレス連盟という組織で、虎の穴へのファイトマネー半額の上納金制度がどうなったのかなどは不明。

『タイガーマスク・ザ・スター』では、ニューヨークを拠点とする地下プロレス組織USWの、レスラー養成ジムが「虎の穴」という設定だった。タイガーマスク・ザ・スターこと紅血勇児はやはり「虎の穴」出身で、最終話ではかつての恩師と死闘を演じる。

[編集] フィクションにおける類似の組織

「悪の組織によって超人的な能力を与えられた主人公が、裏切り者としてその組織と死闘を繰り返す」というシチュエーションは、石ノ森章太郎の変身ヒーローものに多く受け継がれた。「仮面ライダー」におけるショッカーが有名。仮面ライダーの主人公たちも、タイガーマスクの伊達直人がそうであったように、自分たちの出自に苦しみ続けた。

「悪の組織に与えられた力で彼らに立ち向かうことは、正義といえるのか？」という命題は、しかし、次第に曖昧にされていくことになった。「ブラックエンジェルズ」における竜牙会などを最後に、こうしたテーマは減少した。

単純に「常軌を逸した猛特訓によって超人的な能力の持ち主をつくりあげる組織」としての存在は、「陸軍中野予備校」「魁!!男塾」などに、パロディとして継承された。