経済的虐待
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経済的虐待(けいざいてきぎゃくたい)とは、人の財産を不当に処分したり侵奪したりして、経済的な境遇の面で、人に苦痛を与えることをいう。法令上の定義の定まった用語ではなく、使用される文脈により多義的である。
高齢者虐待防止法では、養護者による高齢者虐待にあたるものとして、次の定めがある。
- 養護者又は高齢者の親族が当該高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること。
しばしば、高齢者や障害者の虐待が語られる中で、従来から使用頻度の高い「身体的虐待」「心理的虐待」「性的虐待」等と並列に語られる用語として、文献、学会報告などで使用される。
[編集] 経済的虐待の態様
処分権限がないにもかかわらず勝手に処分したり、被養護者以外の利益の為に使用したりするなど、養護をすべき者や親族などが被養護者たる高齢者の財産を、侵奪・蚕食行為が挙げられる。
また、対象は高齢者だけとは限らず、同様のことは、事理弁識能力に欠ける知的障害者・精神障害者の養護者・親族等においても見られる。
岩手県一戸町の知的障害者更生施設では、理事長が、入所者の年金を無断で株式に投資し、巨額の損失を出すといった事件も発生している。