篠岡古窯跡群
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篠岡古窯跡群（しのおかこようせきぐん）とは、愛知県小牧市東部の丘陵地帯（旧称「篠岡村」）に分布している、陶磁器などを生産するために用いられた窯（かま）跡（古窯跡）の総称。現在この辺りには、「桃花台ニュータウン」と呼ばれる住宅地が整備されている。
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[編集] 概要
小牧市東部の丘陵地帯（旧称「篠岡村」）で窯の跡が見つかったのは、1973年5月。この辺りに愛知県が住宅地（現在の桃花台ニュータウン）を整備しようと、土地の造成を行なった際の事である。
現在見つかっている窯の跡は、全部で117基。そのほとんどが、丘陵地の斜面を利用して作られている。古いもので7世紀頃のものが見つかっており、もっとも新しいものでは12世紀のものが見つかっている。
おもに生産されていた物は、須恵器や瓦（7世紀～9世紀）、灰釉（かいゆう）陶器や緑釉（りょくゆう）陶器（9世紀～11世紀）、山茶碗（11世紀～12世紀）である。
焼き物の生産は12世紀頃に衰退し、その後生産されなくなっている。その理由としては、「社会構造の変化」や「この辺りで産出される原料となる粘土の不足」などが考えられている。
[編集] 歴史
- 7世紀 - 須恵器の生産が始まる。
- 8世紀 - 須恵器の生産が最盛期を迎える。
- 8世紀～9世紀 - 一時途絶える。
- 9世紀 - 須恵器の生産が再開される。
- 9世紀末 - 灰釉陶器の生産が始まる。
- 10世紀 - 緑釉陶器の生産が始まる。灰釉陶器の生産が最盛期を迎える。
- 11世紀末 - 山茶碗の生産へと移行する。
- 12世紀 - 衰退する。
- 1968年8月21日 - 愛知県が桃花台ニュータウンの建設計画を発表。
- 1973年5月 - 用地造成開始。古窯跡群が発見される。
[編集] 関連施設
- 篠岡45号窯跡 - 桃花台ニュータウン中央部にある桃花台中央公園内に整備された展示施設。元々、現在の展示施設がある場所の南西側（現在はマンション駐車場となっている場所）にあったものをこの地に移設し、展示した。作られた年代は、850年～900年。しかし10世紀台には、使われなくなっている。他の古窯跡と比べると出土品が多く、中でも灰釉陶器（かいゆうとうき）が多数出土した。
- 篠岡111号窯跡 - 桃花台ニュータウン南東部の緑地内にある古窯跡。7世紀末～8世紀初頭のものと考えられている。1990年に発見され、1995年に小牧市教育委員会によって試掘調査が行なわれた。その後掘り起こされた部分は埋められ、周りを石垣で囲い、保存されている。
[編集] 関連書籍
- 「篠岡古窯址群」小牧市教育委員会編（1972年）
- 「桃花台ニュータウン遺跡調査報告」愛知県建築部編（1976年）
- 「桃花台ニュータウン遺跡調査報告2」愛知県建築部編（1979年）
- 「桃花台ニュータウン遺跡調査報告3」愛知県建築部編（1981年）
- 「桃花台ニュータウン遺跡調査報告4」愛知県建築部編（1982年）
- 「桃花台ニュータウン遺跡調査報告5」小牧市教育委員会編（1984年）
- 「桃花台ニュータウン遺跡調査報告6」愛知県建築部編（1984年）
- 「桃花台ニュータウン遺跡調査報告7」愛知県建築部編（1991年）
