浅野長恒

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浅野 長恒 （あさの ながつね、生年不詳 - 享保17年閏9月7日（1732年10月25日））は江戸幕府の旗本。赤穂藩浅野家の分家にあたる。また忠臣蔵で有名な大石内蔵助の又従兄弟でもある。通称は長三郎(ちょうさぶろう)のち隼人(はやと)。官位は従五位下、美濃守(みののかみ)・壱岐守(いきのかみ)・市正(いちのかみ)。浅野氏は土岐氏の支流と称しているので、その通りならば本姓は清和源氏。したがって正式な名乗りは源長恒(みなもと・の・ながつね)となる。

播磨国赤穂藩浅野家家老の大石頼母良重(大石内蔵助良雄の大叔父)の長男として誕生。母は赤穂藩主浅野内匠頭長直(浅野内匠頭長矩の祖父)の姫。はじめ大石万千代と名づけられたが、母方の血統に従って、浅野長直の養子に入って浅野長三郎と改名し、寛文10年(1670年)2月28日にはじめて将軍徳川家綱に拝謁した。寛文11年(1671年)3月5日には赤穂藩領から新田3000石を分知されて寄合旗本に列した。元禄6年(1693年)5月10日、幕府御使番に就任し、11月17日には目付にかわって日光山へ派遣された。また12月18日には布衣(六位相当になったことを意味する)の着用を許された。元禄7年(1694年)に目付代として大坂にあった時、大和国松山藩主織田伊豆守信武が発狂して自殺するという事件が起こったが、11月7日に幕府からその調査を命じられて松山藩へ赴いた。元禄12年(1699年)2月28日には山田奉行に就任。元禄13年(1700年)12月21日には従五位下美濃守に叙任した。

しかし元禄14年(1701年)3月14日、宗家の当主浅野内匠頭長矩が吉良上野介に刃傷に及んだ罪に連座して出仕禁止となり、5月6日出仕は許されるも山田奉行の職は解任されて、また将軍への拝謁も禁止されたままだったが、6月25日になって拝謁を許された。元禄15年(1702年)12月15日、又従兄弟にあたる大石内蔵助良雄らが吉良上野介の討ち取った事件があったため、再び出仕を止められたが、元禄16年(1703年)3月8日に許された。正徳元年(1711年)5月1日堺奉行に就任。享保6年(1721年)10月17日紀伊国和歌浦東照宮の御宮および其余の神社に奉幣の御使をつとめた。後この功績で時服三領を賜った。享保14年(1729年)7月25日高齢を理由に職を辞し、享保17年(1732年)閏9月7日に死去。享年75。浅野内匠頭や大石内蔵助ら四十七士と同じ高輪泉岳寺に葬られた。法名良啓。なお妻は赤穂城収城を命じられた木下肥後守公定の娘であった。