横歩取り2三歩

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横歩取り2三歩（よこふどりにさんふ）は、横歩取り戦法の戦型の一つ。昭和末期の研究によって先手が指せると考えられており、プロの実戦では数年に一度採用されるかどうかである。

[編集] 戦法の概要

[編集] 導入

▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同歩▲同飛、までの11手は、どの横歩取り戦法でも共通となる手順である。（途中、手の順序が異なっていてもよい。）その後、△8六歩▲同歩△同飛▲3四飛と移行するのが一般的だが、△2三歩とする手もある。これが横歩取り2三歩戦法である。

[編集] △2三歩からの展開

（△2三歩に対し）▲3四飛△8八角成▲同銀△2五角と進む。ここで先手には▲3二飛成か▲3六飛の選択肢がある。攻撃的な手を選ぶなら前者、守備的な手を選ぶなら後者だが、どちらでも先手が指せる。

[編集] ▲3二飛成の変化

序盤での飛車と金将の交換だが、先手が指せるという結論になっている。後手は△3二同飛か△3二同銀だが、△3二同飛は先手が指せる変化になるため△3二銀となる。先手が角成りを防いで▲3八銀とあがり、後手が△3三銀とあがる。その後、森雞二の新手である▲1六歩が好手で、先手が3五に金を打ち込んだとき、1四に逃げる手を消している。（先手の1五歩で角が死ぬ。）先手の1六歩以降、△2四歩、△4四歩、△1四歩などの選択肢があるが、後手が思わしくない展開になる。（2四歩の変化は後手もさせると考えられていたが、やはり森の▲3一金という新手でこの変化も先手が指せる。）このためプロの実戦から消えていった。

[編集] ▲3六飛の変化

従来は先手が不利になる変化と考えられていたが、佐藤康光の新手によってこの形でも先手が指せるという結論になっている。後手は当然△同角であり、▲同歩のあと△8六歩、△2七飛などの選択肢がある。△8六歩は後手にとって思わしくない展開になるため、△2七飛▲3八銀△2四飛成となる。ここで▲2七角と打つのが佐藤による新手で、この形でも先手がさせることが分かった。（ただし、アマチュア同士の将棋では竜と飛車を持つ後手を持ちたいと考える人も多いだろう。）

これらの研究により、後手は他の横歩取りを採用した方が指せると判断され、プロの実戦から消えていった。2005年、数年ぶりに中川大輔が採用したが希有な例である。