日光山中禅寺

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日光山中禅寺（にっこうさんちゅうぜんじ）は栃木県日光市中禅寺歌ヶ浜にある天台宗の寺院である。世界遺産に登録された日光山輪王寺の別院であり、坂東三十三観音霊場の第18番に位置付けられている。

目次 1 歴史 2 本尊 2.1 十一面千手観音菩薩 2.2 波之利大黒天 2.3 明王 3 年中行事

[編集] 歴史

• 784年（延暦3年） 日光山の祖である勝道上人により、二荒山神社の神宮寺として男体山登拝口近くに建立される。
• 1141年（康治元年） 藤原敦光が「中禅寺私記」を著す。
• 1315年（正和4年） 仁澄により中禅寺の大造営が行なわれる。
• 1872年（明治5年） 神仏分離により輪王寺別院となる。山内の女人牛馬禁制解禁。
• 1902年（明治35年） 大山津波により壊滅的被害を受け、現在の地（中禅寺湖畔の歌ヶ浜）に再建される。
• 1969年（昭和44年） 勝道上人開山1200年記念事業として五大明王堂が建設される。

[編集] 本尊

[編集] 十一面千手観音菩薩

• 高さ 6メートル
• 製作時期 延暦年間（伝）
• 製作者 勝道上人（伝）
• 材質 カツラ
• 構造 頭部・胴体と左右の手を組み合わせた寄木造り。

通称、立木観音（たちきかんのん）。根がついたまま（立木）の状態で彫られたという伝説によりこの名が付いた。

1902年の大山津波により中禅寺湖に流されたが、3日後奇跡的に浮かび上がり、現在の地に安置された。これにより、苦難や災事を乗り越える力を与えてくれるとの信仰を集めるようになった。

[編集] 波之利大黒天

波之利（なみのり）と書いて「はしり」と読む。勝道上人が日光山を開いた時、中禅寺湖の波の上に現れたということに由来する。

「波の上を走る」が「安産」を連想させ、安産の御利益があるとされる。

「波に乗る」「波の上にとどまる」が「足止め」と解され、出征者や家出人の帰還、恋人や配偶者の浮気防止の御利益があると云われる。

五大明王堂出口から見た中禅寺湖（堂内は撮影禁止） [編集] 明王 五大明王 五大明王堂の中に、不動明王を中心として降三世夜叉明王、軍荼利夜叉明王、大威徳夜叉明王、金剛夜叉明王が祀られている。 中禅寺は天台宗の寺院であるが、台密の定義である烏枢沙摩明王ではなく東密の定義である金剛夜叉明王が祀られている。

愛染明王堂 愛染明王 本堂前の小さな堂に安置。映画『愛染かつら』のロケ地として有名になり、縁結びにご利益があるとして信仰を集めている。

[編集] 年中行事

• 観音講

例年6月18日14時開始。大法要および大護摩供。

• 船禅頂（ふなぜんじょう）

例年8月4日10時開始。勝道上人の墓の1つとされ、首の骨が収められていると伝えられる上野島（こうずけしま）などを船で巡拝。

鐘楼。参拝者に公開されている

鐘楼内部

身代わりのこぶ