岩櫃城

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岩櫃城（いわびつじょう）は、現在の群馬県吾妻郡東吾妻町にあった岩櫃山の東側に位置する山城。

[編集] 概要

15世紀初頭に斉藤憲行により築城される。武田信玄の上野進出に際し、1561年から真田幸隆による攻撃を受け、1563年に落城する。その後真田氏が城主となった。沼田城が築城されると、その支城として扱われた。一国一城令により、1614年に廃棄された。武田勝頼が織田信長によって新府城を追われたときに真田昌幸が逃れてくるよう奨めたが叶わず武田家は滅亡したといわれている。

近年の研究では、斉藤氏築城説に対し、真田氏築城説が浮上している。この説によれば、真田幸隆によって攻略されたのは岩下城であり、岩櫃城は真田氏によって吾妻郡攻略のために築かれた拠点であるとされる。その根拠として、岩下城に関わる同時代の記録が斉藤氏の没落以降出てこないこと、逆に岩櫃城の同時代の記録が真田氏の吾妻郡進出以降に出てくることがあげられる。また、岩櫃城の遺構の調査により、武田氏の築城術の強い影響が指摘されている。

少なくとも、岩櫃城が吾妻郡支配の中心的役割を担うようになったのは、武田氏による領国支配後であることは、通説となりつつある。

徳川幕府となった後、岩櫃城は一国一城令により廃城にされた。

現在城址に隣接する場所に東吾妻町営の岩櫃城温泉がある。その施設は天守をモチーフにしたコンクリート造りの建物であるが、実際の岩櫃城とは全く関係ない。