大阪府立生野高等学校

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大阪府立生野高等学校
国公私立の別	公立（府立）
設立年月日	1920年（大正9年）4月2日
校訓	五綱領（剛健・質実・自重・自治・至誠）
共学・別学	男女共学
分校	なし
課程	全日制課程
単位制・学年制	学年制
学科	普通科
所在地等
所在地	〒580-0015 大阪府松原市新堂1丁目552番
（近鉄南大阪線河内松原駅から徒歩7分）
外部リンク	公式ページ

大阪府立生野高等学校（おおさかふりつ　いくのこうとうがっこう）は、大阪府松原市にある公立の高等学校。校名は、創立当初、大阪市生野区に校舎が設置されたことに由来する。全日制・普通科のみで、生徒数（定員）は1学年320人、3学年計960人。

[編集] 概要

2006年度入学生まで30年あまり続いた9学区制の下で、第7学区（大阪市東住吉区・平野区と南河内地域）トップの進学校。2007年度入学生から導入される4学区制では、第3学区（大阪市南部と中・南河内地域）に属する。大阪府から「人材育成研究開発重点校（エル・ハイスクール）」に指定され、難関大学に毎年多数進学する。

新学区での有力校との競争に備え、「生野高校　見に来て！　キャンペーン」を展開、中学生対象の学校見学会や部活動体験、塾対象の説明会などを行っている。

2006年4月から70分授業を基本とし、週当たり授業時間数を府立高校で最も多く確保。早朝、放課後、土曜、夏季などには講座別の講習を実施し、進学指導に力を入れている。「文武両道」をうたい、クラブ活動や学校行事が盛んで、クラブ加入率は97％（2006年1月時点）。サッカー部、陸上部は全国大会に出場実績がある。校地は36,783m²と大阪府立高校では最も広い部類で、グランドはサッカーコートを2面分取ることができる。

食堂があり、その味と価格には定評がある。また、売店は夕方5～6時くらいまで営業している。

学校の基礎を築いたのは、初代校長の池田多助である。校長に就任した際、「大阪に魂の道場を作る」と宣言、イギリス留学時代に感銘を受けたパブリックスクールにならって「精神教育・教養教育・運動教育」を3本柱に掲げた。池田は3年あまりで退任し、母校・神戸一中（現兵庫県立神戸高等学校）の校長に転じたが、建学の精神、校訓、校章、校歌は創立時から変わりなく引き継がれている。

建学の精神を示す「サンタマリア丸」の絵（画家・坊一雄による）と「至誠通神」の書（教育者・川合信水による）は、現在も体育館の壁にかけられ、困難に立ち向かう「開拓者精神」と「まごころ」の重要性をそれぞれ説いている。

校訓の「五綱領（剛健・質実・自重・自治・至誠）」は、神戸二中（現兵庫県立兵庫高等学校）の「四綱領（質素・剛健・自重・自治）」がモデル。「質素」を「質実」として「剛健」と順番を入れ替えるとともに、「至誠」を加えた。同窓会は「至誠会」と称する。

校章は、旧制中学の「中」の字をくずした「六稜」に「白梅」の図柄をあしらっている。旧制中学の校章は、六稜に校名の頭文字を入れるか、設立番号を入れるか、いずれかが主流だったが、先に高津が山桜の図柄を入れたことから、「風雪を凌ぎ、香りも高く咲く白梅」を学校の花とし、校章に採用した。白梅は生野高校のシンボルであり、卒業生が進学先や就職先で作る親睦会は、「白梅会」の名を冠することが多い。

校歌「登高賦」は、府立第12中学校として設立されたことにちなみ、歌詞が12番まである。メロディーは旧制一高の寮歌の一つから借用し、古色蒼然としている。現在は1番、11番、12番を抜粋して歌うことが多く、「古き浪華の夢ならぬ　吾等の歴史いざ書かむ」というフレーズで終わる。

[編集] 教育方針

1.五綱領（剛健・質実・自重・自治・至誠）に基づく「人間教育」

剛健とは物事に動じない強くたくましい意志を持つこと、質実とは飾らない素直な心を持つこと、自重とは行動に品位を失わないこと、自治とは自己の信念に基づいて行動し、その行動に責任を持つこと、そして、至誠とはそれらを貫いて持つべき誠実な心と態度を表す。人としての基本的な資質の育成が教育の根本。

2.学習・行事・部活動が3本柱、「文武両道」の実践

勉学・学校行事・部活動を高校生活の3本柱とし、豊かな感性を持った、個性輝く人間を育成する。
勉学は自然と社会の基本的な仕組みを理解するとともに、知性の広がりと深まりを求め、しなやかな思考力、確かな判断力、ユニークな創造カ、豊かな表現力を高める。
部活動は物事を成し遂げる意志の養成と深い友情を学ぶ場。
また、学校行事は皆で協力して一つのことを成し遂げる場であり、互いの個性を知り、尊重しあうことを学ぶとともに、自己実現を図る場。
これら高校生活の3本柱に積極的に取り組むことで、人としての感性を磨き、個性を伸ばす。

3.国際人として社会の様々な分野で活躍するリーダーとなる人材の育成、幅広い教養を身につけるとともに、自ら意欲的に学ぼうとする姿勢の育成

社会の様々な分野でリーダーとして活躍し、国際人として尊重され、尊敬されるにふさわしい、幅広い教養と豊かな人間性を涵養し、品格を高めることをめざす。
意欲的に学ぶ姿勢を身につけることで、生涯を通して学び続けていく基礎を得、生きていく中での大きな課題を解決できる人間へと成長する。

[編集] 学校行事

新入生歓迎会（4月）　文化部発表や映画会、部活動の勧誘が行われる
卒業生を囲む会（5月）
体育祭（5～6月）　チーム対抗の「応援合戦」が名物
芸術鑑賞（6月）
文化祭（9月）　文化部や各クラスの発表、模擬店出店などがある
修学旅行（2年次、10月）　生徒の希望により日本全国から選択する
合唱コンクール（1年次は11月、2年次は2月）
耐寒登山（1年次、1月）

[編集] 沿革

1920年　大阪府立第12中学校として大阪府立高津中学校内で開校。東成郡生野村（現大阪市生野区）に校地買収
1921年　大阪府立生野中学校と改称
1948年　学制改革に伴い新制高校となり、大阪府立生野高等学校を設置、生野高等女学校を母体に発足した勝山高校と職員・生徒の「交流」を行い男女共学を実施
1950年　創立40周年記念式典
1966年　学校移転地として大阪府松原市に校地を買い取る
1969年　新築第1期工事竣工、松原市の新校舎に移転
1970年　創立50周年記念式典
1971年　移転竣工式典
1980年　創立60周年記念式典、同窓会より「記念館（クラブハウス）」を受ける
1990年　創立70周年記念式典
2000年　創立80周年記念式典
2001年　同窓会館「時習館」竣工
2003年　大阪府から「人材育成研究開発重点校（エル・ハイスクール）」に指定される

[編集] 主な卒業生

小幡弥太郎（元大妻女子大学学長、元北海道大学教授、食品学、中1回）
渡瀬譲（元大阪市立大学学長、元大阪大学教授、原子物理学、中1回）
柴谷貞雄（元阪急電鉄社長、元日本民営鉄道協会会長、中2回）
朝田静夫（元日本航空社長、元運輸事務次官、元日本棋院総裁、中4回）
正野重方（元東京大学教授、日本人初のアメリカ気象学会名誉会員、学士院賞受賞、中4回）
福家俊一（元衆議院議員、元運輸政務次官、「政界の怪物」、中7回）
岡田誠三（作家、直木賞受賞、中8回）
吉岡たすく（児童文化研究家、「テレビ寺子屋」などテレビ・ラジオで子育て相談、中9回）
伊地智善継（元大阪外国語大学学長、中国語学、中12回）
中山太郎（衆議院議員、外務大臣・総理府総務長官歴任、中18回）
米沢義信（王子製紙相談役、元本州製紙社長、中18回）
中野武彦（作家、中20回）
奥井成一（阪神タイガース内野手を経て球団総務部長、中21回）
森川昭彦（元銀座美容外科院長、美容整形のパイオニア、中21回）
松尾昭典（映画監督、中22回）
サトウサンペイ（漫画家、朝日新聞「フジ三太郎」、中23回）
竹村健一（評論家、中24回、兵庫県立生野中に転出）
尾西清重（元NHK放送総局長、中24回、転出）
中邨秀雄（元吉本興業社長、高3期）
中山正暉（元衆議院議員、建設大臣・総務庁長官・郵政大臣歴任、高3期、交流で勝山高に転出）
大黒トシ子（山陽学園大学学長、元梅花女子大学学長、高4期）
広河隆一（ジャーナリスト、「デイズ・ジャパン」発行人、高14期）
宮本欽生（大阪大学教授、最先端のナノテク研究、高15期）
小河勝（小河学習館館長、元中学教諭、「小河式プリント」考案者、高15期）
切池信夫（大阪市立大学教授、摂食障害研究の第一人者、日本精神科診断学会会長、高17期）
成瀬政博（画家、「週刊新潮」表紙絵連載、高17期）
美本龍彦（椿本チエイン社長、高17期）
柴田美保子（女優、高19期）
井村雅代（シンクロ指導者、元五輪代表ヘッドコーチ、高21期）
西渕光昭（京都大学教授、病原細菌医学、高24期）
寺内壮（日本テレビプロデューサー、元ニッポン放送「オールナイトニッポン」DJ、高31期）
豊島美雪（ラジオ・パーソナリティ、高32期）
榎原美樹（NHK記者・ニュースキャスター、高34期）
桂文華（落語家、高35期）
松本和彦（大阪大学教授、憲法学、高35期）
米倉紀之子（女優・声優、元岡山放送アナウンサー、高38期）
比留木剛史（NHK アナウンサー、高40期）
田中健一（クイズ作家、日本テレビ『アメリカ横断ウルトラクイズ』優勝、高41期）
宮本恒靖（サッカー日本代表キャプテン、ガンバ大阪DF、高47期）

[編集] 話題

2006年6月、サッカーワールドカップ日本代表主将の宮本恒靖選手応援イベントと称し、午前3時から対ブラジル戦のパブリックビューイングを実施した。宮本は高校時代からガンバ大阪のユースで活躍し、サッカー部には入らなかった。なお、サッカー部は1984年、大阪代表としてインターハイに出場を果たした。
野球部は春夏とも甲子園に出場経験がなく、夏の大阪大会で戦前に2回、ベスト4に進出したのが最高成績。戦後は1989年にベスト8進出を果たしたが、準々決勝で元木大介、種田仁が主力選手だった上宮に敗れた。1985年には成城工の野茂英雄に完全試合を達成され0-5で敗れるなど、後にプロで活躍した相手にやられることが少なくないのは激戦地区・大阪の宿命か。