大阪府立泉陽高等学校

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

大阪府立泉陽高等学校
過去の名称	堺市立／大阪府立 堺高等女学校
国公私立の別	公立（大阪府立）
設立年月日	1874年（明治7年）5月
校訓
創立記念日	堺高等女学校1900年（明治33年）6月1日 泉陽高等学校1948年（昭和23年）5月1日
共学・別学	男女共学
分校	なし
課程	全日制課程
単位制・学年制	学年制
学科	普通科
地理情報	北緯34度34分48秒 東経135度28分47秒 (世界測地系) 標高-m
所在地・連絡先
所在地	〒590-0943
大阪府堺市堺区車之町東3丁2番1号
外部リンク	公式ページ

大阪府立泉陽高等学校（おおさかふりつ　せんようこうとうがっこう）は、大阪府堺市堺区にある男女共学全日制普通科の高等学校である。

目次 1 沿革 2 最寄駅 3 概要 4 クラブ活動とその実績 5 出身者 6 出典 7 関連項目 8 外部リンク

[編集] 沿革

年	沿革
1874	堺の開口神社に女紅場として設けられる
1888	堺区立堺女学校となる
1900	市立堺高等女学校として創立される（後期中等教育の開始）
1903	現在地に移転する(旧所在地は西隣・旧堺奉行所の同心屋敷跡)
1912	堺市より大阪府に移管される
1934	室戸台風により校舎損壊、生徒1名死去
1939	堺市西区(現在)草部に農園を開設、撫子寮(宿泊施設)を建設したが1949に処分
1945	7月10日堺空襲、校舎焼失、生徒1名死去
1946	堺市西区(現在)下田町大阪アルミニウム株式会社青年学校(現イトーヨーカ堂津久野店敷地)を仮校舎とする
1948	3月31日もとの校地(現在地)に復帰。同時に隣地(宅地・墓地)を買収して拡張
1948	4月1日学制改革により大阪府立泉陽高等学校となる。共学化実施にあたって男女生徒の交流を大阪府立堺中学校（現・大阪府立三国丘高等学校）、堺市立堺高等女学校との間で行う。旧高等女学校・中学校の2・3年生がいるため2年間に限って併設(付属)中学校を設置する
1954	選抜高等学校野球大会に出場し、準決勝に進む
1985	全国高等学校クイズ選手権全国大会に出場する
2000	創立100周年記念式典が挙行される

[編集] 最寄駅

• 南海高野線堺東駅
• 南海本線堺駅
• 阪堺電気軌道阪堺線花田口停留所

[編集] 概要

• 本校の淵源をなす女紅場は明治初期に女子教育の必要性から設けられた読み書き・裁縫など生活に必要な技能を教えた当時の女子教育機関であって公教育でありながら法制度の裏づけのないものであった。そのため女紅場に淵源を求める学校は本校と京都府立鴨沂高等学校と数少ない。
• 学制改革により堺市中心街には新制普通科高等学校が2校設立されることとなった。しかし大阪府の意向により堺高等学校は作らないこととなり(横浜市内の旧制専門学校3校が新制大学に昇格したとき横浜国立大学・横浜市立大学・神奈川大学となり横浜大学がないのと同じこと)、そこで和泉国の北側に当たることから(陰陽道によれば泉はくぼんでいるので陰に当たり、北側に日（陽）が当たる。ちなみに泉陽高校の所在地は江戸時代は摂津国に当たる)泉陽高校となった。なお堺高等学校は大阪府立堺西高等学校が堺市立時代に名乗っていた。校章は旧府立堺高等女学校より旧市立堺高等女学校のほうに似ているが、旧府立堺高等女学校が実態で残ったのに対し、旧市立堺高等女学校は形で残そうとの意向があったといわれる。
• 本校は堺市内の一等地にあり、交通至便ということがメリットとなっているが、校地が狭いことから戦前よりあった同窓会館や宿泊施設が伝統校にもかかわらず残せなかった原因となっている。なお、現在の泉陽会館(同窓会館)は平成に入ってから建設されたものである(完成年をご存知の方は年表に掲載されることを希望する)。
• のんびり牧歌的、かつ自由闊達な校風で部活動も盛んな学校である。この校風が「泉陽牧場」と呼ばれる所以である。(学区上位高校から「三国地獄」「泉陽牧場」「鳳監獄」「泉北温泉」と言われていた。)現在は多少厳しめになったと言われるが、かつては「制服を着て登校してくれれば、あとは何をしてもいい」と言われたほど。「放し飼い」が売り物の校風である。また旧制高等女学校ということもあったのか、旧制中学校の三国丘、鳳両高校と比較するバンカラでなく、鷹揚でスマートさを尊ぶ校風ではあった。
• 現在は変わっているが、以前は秋に体育祭と文化祭を連続1週間ぶっ通しのスケジュールで行った。この1週間のことを「泉陽祭ウィーク」と呼んでいた。当然、その間、授業はそっちのけで、1980年代には木曜日の体育祭、土・日の文化祭に向けての準備に忙しく、運動部は休止、授業は上の空でほとんど準備のために登校している感があった。文化祭の華やかさ・派手さは近隣のみならず、他学区にも広く知られている。校門の前から、阪神高速道路堺線のガード下まで数百メートル入場客の行列ができる時もある。
• また、大阪府教育委員会より、人材育成研究開発重点校（通称　エル・ハイスクール）に指定されている。しかし、校風自体が「牧場」と喩えられるくらいの「のほほーん」とした雰囲気なので、大学受験や、進学重点のエル・ハイスクール指定など、生徒や卒業生にとっては「どこ吹く風」といった受け止め方だったりする。
• しかし、それには、口やかましくいわれなくても、時期が来ればスイッチを切り替えて勉強に集中。そして、志望大学に合格するのが「泉陽生」という、それなりのプライドが「基本」にあるからだ。毎年、国公立大学には現役・浪人合わせて100名前後（近畿地区中心。２００６年は久々に京都大学・大阪大学や医学部医学科といった難関大学・学部への合格者を出している。）、関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学をはじめとする関西地区の難関私大には現浪合わせて300名前後の合格者。看護・医療・薬学といった保健系統や、音楽・美術等、芸術系統の大学への進学者も少なくない。早稲田大学・慶應義塾大学といった東京の難関私大にも少数ながら毎年合格者を出しているなど、チャラチャラした校風の割に、「やることは、やる」「やるときには、やる」という、意外なケジメがあったりする。
• 以前は、浪人することでパワーを発揮し難関大学に合格するので、泉陽高校は「４年制高校」と言われることもあった。最近は現役合格者割合が増加してきている。自由な校風であるが、お尻を叩かれないと勉強しない子や、自己管理ができない子には不向きな学校である。そういう子にとっては、「楽しいことばっかりで、最後に落ち込む素敵な泉陽」、になってしまうので注意が必要である。自己管理(勉強）もきちんとしつつ、学校生活も楽しめる子にとっては、自分の可能性をとことん伸ばせる天国みたいな学校である。祖父母・父母・子の三代に渡って泉陽生という家庭も珍しくなく、泉陽OB・OGが母校にわが子を入れるパターンは少なくない。
• 文化人・芸能界・マスコミ等の各界に多数の人材を送り出している。同窓会「泉陽会」も地元・堺市のみならず、東京及び名古屋（東海地区）に支部が置かれているなど、盛んである。
• 冬は男子は詰め襟の学生服、女子は水色襟カバーのセーラー服（府下では同校のほか、大阪府立清水谷高等学校、大阪府立夕陽丘高等学校といった、旧制高等女学校の流れを引く伝統校で今なお採用されている）で、特に、女子のセーラー服は一目で泉陽生とわかるほど存在感がある。かつてはこのセーラー服に憧れて受験を志願する女子も多く、女子の志願倍率を吊り上げる要因にもなった。更に女子に関しては、高校入試の際に学区最難関の三国丘をボーダーライン得点で上回ることがある。夏は男子は半袖カッターに黒ズボン、女子は半袖のブラウスに紺の棒リボン。平成元年頃、男子は校章を襟に付けないことが流行であった。
• この項目の記述は一部では百科事典の記述らしくないという意見もあるようであるが、本校の校風を活写する文章であり、書き換えされないところにも本校の懐の深さがうかがえる。

[編集] クラブ活動とその実績

1954年の春・夏の甲子園に野球部が出場。春はベスト4、夏はベスト8だった。
2006年時点で42ものクラブがある。ちなみに1980年代もほぼ同数のクラブがあった。 クラブ加入率が高く、さほど広くもない校地でそれこそひしめいている感があった。

[編集] 出身者

• 友国晴子（教育者・親和女学校創立者） (堺女紅場)
• 与謝野晶子（歌人） (女学校技芸科)
• 由起しげ子（作家） (旧制16期)
• 城みさを（さをり織りの創始者） (旧制30期)
• 橋田壽賀子（脚本家）(旧制41期)
• 永田豊（元・東京大学理学部教授）(併設24年卒)
• ヒロコ・ムトー（作家・作詞家）(高校16期)
• 松井昭憲（毎日放送アナウンサー）(高校17期)
• 藤井光男（弁護士、沖縄・石垣島初の公設法律事務所長として赴任。現在も石垣島在住）（高校17期）
• 百田義治（駒澤大学経済学部教授）(高校19期)
• 旭堂小南陵（講談師）(高校20期)
• 大上留利子（R&Bシンガー）(高校21期)
• 森川聡子（アニメーター）(高校27期)
• 森井昌克（神戸大学工学部教授、朝日新聞で「森井教授のインターネット」講座・連載中）(高校29期)
• 宮本充（声優）(高校29期)
• 戒野敏浩（青山学院大学経営学部教授）(高校31期)
• 奥村正裕（北海道大学獣医学部助教授）(高校35期)
• 沢口靖子（女優）(高校36期)
• 島岡大雄（高松高等裁判所裁判官）(高校37期)
• 田代純（NHK東京放送局アナウンサー）(高校37期)
• 古崎康成（テレビドラマ研究家、WEB「テレビドラマデータベース」作者）(高校37期)
• 森祐理（NHK教育テレビ「ゆかいなコンサート」の元・歌のお姉さん、現在はゴスペルシンガー）(高校38期)
• 岡田忠克（関西大学文学部助教授）(高校41期)
• 清水健（讀賣テレビアナウンサー・「新どっちの料理ショー」出演中）(高校47期)

[編集] 出典

• 大阪府立泉陽高等学校九十周年誌
• 大阪府立泉陽高等学校百周年誌

[編集] 関連項目

• 学校記事一覧
• 大阪府高等学校一覧
• 高等女学校

[編集] 外部リンク

• 泉陽会（同窓会）
• 大阪府立泉陽高等学校メッセージボード
• 夢・感動・泉陽！