古橋廣之進

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古橋廣之進（ふるはしひろのしん, 1928年 9月16日 - ）は、静岡県浜名郡雄踏町（現・浜松市）出身の水泳選手。

日本大学法文学部政治経済学科卒業。戦後の水泳界で次々と世界記録を打ち立てて「フジヤマのトビウオ」の異名を取った。引退後は母校日本大学教授や日本水泳連盟会長、日本オリンピック委員会会長を歴任した。

[編集] 経歴

雄踏小学校6年の時に100ｍと200mの自由形で学童新記録を樹立した。
その後、浜松第二中学校（現・静岡県立浜松西高等学校）へ進学したものの、太平洋戦争の激化により水泳を続けることができなかった。
日本大学に進学し、再び水泳を再開した。
1947年の日本選手権では400ｍ自由形を4分38秒4で優勝し、公式記録にはならなかったものの当時の世界新記録を上回るタイムを出した。
1948年のロンドンオリンピックは敗戦国の日本は参加は認められなかったため不出場だった。このとき、日本ではオリンピックの決勝戦の日程に合わせて競技会を開き、出場した古橋らのタイムはオリンピックの金メダリストを上回った。さらに同年の日本選手権で、400m自由形4分33秒4、1500m自由形で18分37秒0を出し、いずれも世界新記録を樹立した。同年9月の学生選手権の400m自由形で4分33秒0、800m自由形で9分41秒0の世界新記録より早かった。
1949年に日本の国際水泳連盟復帰が認められ、古橋ら6選手が全米選手権に招待されて参加し、400m自由形4分33秒3、800m自由形9分33秒5、1500m自由形18分19秒0で世界新記録を樹立し、アメリカの新聞では「フジヤマのトビウオ」と呼ばれた。
1951年に大同毛織に入社し、1952年のヘルシンキオリンピックに出場したが400ｍ自由形8位に終わった。すでに選手としてのピークを過ぎていたことと五輪直前にアメーバ赤痢を発症したことが響いた。このとき、実況を担当したNHKの飯田次男アナウンサーが「国民の皆さん、どうか古橋を責めないでください」と述べたことは今も語り草になっている。
引退後、日本水泳連盟役員となった。1966年には大同毛織を退社し、日本大学専任講師となった。
1985年には、前年のロサンゼルスオリンピックでの選手大麻吸引事件による役員刷新で日本水泳連盟会長に就任し、神戸市で行われたユニバーシアード大会事務総長となった。
1990年から1999年までは日本オリンピック委員会（JOC）会長となり、1996年のアトランタオリンピック日本選手団団長を務めた。
2000年には千葉すずのシドニーオリンピック日本代表選考をめぐり、千葉側がスポーツ仲裁裁判所（CAS）に提訴する騒動があった。
また、2000年に発行された記念切手「20世紀デザイン切手シリーズ」第10集では、古橋が全米水上選手権の4種目で世界新を樹立した出来事が取り上げられた。