北海道犬
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北海道犬 | ||||||||||||
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別名 | ||||||||||||
アイヌ犬、セタ(シタ) | ||||||||||||
愛称 | ||||||||||||
道犬(どうけん) | ||||||||||||
原産国 | ||||||||||||
日本(北海道) | ||||||||||||
主要畜犬団体による分類と標準 | ||||||||||||
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北海道犬(ほっかいどうけん、ほっかいどういぬ)は、北海道原産の日本犬種である。
目次 |
[編集] 歴史
[編集] 起源
縄文時代初期、アイヌが東北地方から北海道へ渡る際に同伴したマタギ犬(山岳狩猟犬)が、北海道犬のルーツだと考えられている。アイヌはこの犬をセタあるいはシタと呼び、ヒグマ猟やエゾシカ猟の猟犬として使役した。
弥生時代に入ると、渡来人によってもたらされた弥生犬と日本在来犬(いわゆる縄文犬)との間で混血が始まったが、地理上の理由から、北海道では弥生犬の影響は最小限にとどまり、縄文犬の血統が維持された。沖縄も同様であり、北海道犬と沖縄の琉球犬は、縄文犬の末裔という意味で非常に近い関係にあると言える。
[編集] 近代以降
- 1869年(明治2年)、イギリスの動物学者トマス・W・ブラキストンによりアイヌ犬と命名される。
- 1902年(明治35年)、八甲田山で発生した陸軍歩兵第5連隊の雪中遭難事件において、遭難者の捜索に活躍する。
- 1937年(昭和12年)、戦前の文部省によって天然記念物に指定され、あわせて、正式名称を「北海道犬(ほっかいどういぬ)」と定める。翌年、管理者として北海道庁が指定され、戦後は北海道教育委員会に管理が委ねられた。
[編集] 特徴
- 中型犬
- 三角形の小さな「立ち耳」
- 目尻が吊り上がった、三角形の小さな目
- 背中の上に巻いた「巻き尾」、あるいは半円状の「差し尾」
- 硬く長い毛と、柔らかく短い毛の二重構造の被毛(ダブルコート)。色は赤、白、黒、虎、胡麻、狼灰のいずれか
- 舌斑を持つ個体が多い
- 性格・性質
- 飼い主に忠実、勇敢、我慢強い、粗食に耐える、寒さに強い
- 体高 オス48.5~51.5cm、メス45.5~48.5cm
- 体重 20.5~29.5kg
- 寿命 15年前後
[編集] その他
[編集] 厚真犬
他の日本犬と同様に、北海道犬にも産地による系統が存在するが、厚真町産の犬を特に厚真犬と呼ぶことがある。
[編集] 獣猟競技会
北海道犬のドッグショーでは、あわせて獣猟競技会が実施されることがある。これは、檻に入れたクマに犬をけしかけ、その動作や態度から猟犬としての能力を競うという、他犬種の展覧会では見られないユニークなものである。
[編集] 海外での普及状況
柴犬や秋田犬ほどポピュラーではないが、ドイツでは繁殖が行われているという。
[編集] 参考文献
- 愛犬の友編集部編 『北海道犬』 誠文堂新光社、1990年。
- 佐草一優 『人気犬種166カタログ』 グラスウインド、2004年。
- Shi-Ba編集部編 「北海道犬物語」『Shi-Ba』2003年1月号、辰巳出版、2003年。
- 土屋良雄 『北海道犬のはなし』 北海道新聞社、1989年。
- 『北海道犬の特性』 北海道犬博物館。
- 渡辺洪 『北海道犬の話』 北海道出版企画センター、1983年。
- 「北海道犬」『WanNyan大図鑑』 Wan Nyan Love Land Link。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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