伊吹 (空母)
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伊吹(いぶき)は、日本海軍の巡洋艦改造の航空母艦。未完成に終わる。終戦まで生き残って、1946年解体処分される。
元は最上型(鈴谷型)重巡洋艦の準同型艦として第二次世界大戦直前の[[昭和16年度戦時建造計画[[にて計画されたもので、1942年4月24日に呉工廠で起工された。魚雷発射管は4連装であったが、魚雷の装填を5連装発射管を改造した装填装置を使って素早く装填できるようにする等、各所に改良が施されていた。
戦局の推移による建艦計画見直しにより1943年5月21日進水後工事中止となる(その後、艤装工事もある程度進捗していたとの報告も有る)が、曲折をへて1943年8月、空母への改装が決定、同12月に佐世保に回航されて、1944年後半に竣工させることを目標に、佐世保工廠にて工事が再開されたが、重巡洋艦としての工事がかなり進んでいたために、主砲などの撤去工事から行わなくてはならなかったことや、佐世保工廠が他の艦船の建造や修理にも力を入れなければならなかった為に工事はあまり進まず、予定の工期から大きく遅れ続けた。その後、更なる戦局の悪化に伴い1945年3月16日に工事は中止された(進捗率80%)。自力で海上を航行することは一度もなかった。
元が「改鈴谷」型として計画された船体を無理に空母として転用したため、艦の全長よりも約7メートル長い飛行甲板ができたり、無骨なバルジや外側に異常に突き出したアイランド(艦橋)が造られた。 搭載航空機数はそれほど多くなく、艦載機エレベーターも小さい。そのため、搭載が予定されていた新鋭機の「彩雲」や「烈風」は露天繋止されることになっていた。 空母への改装にあたり、缶を8基から4基に減らしたことにより速力の低下を招いた。
[編集] 計画諸元
- 基準排水量:12,500t
- 全長:198.35m(飛行甲板は全長より約7m長い)
- 全幅:19.21m
- 機関出力:72,000馬力
- 最大速力:29kt
- 航続力:7,300海里(18ノット時)
- 搭載機数:29~31機を予定(露天繋止11機含)
- 乗員:1,051名
- 武装:
- 「長8cm」高角砲(L65):連装2基4門(反対の舷の方向にも射撃可能な配置)
- 九六式25mm機銃:3連装17基51門(この機銃は大東亜戦争時の日本海軍の対空機銃の主力となった。命中させれば一発で米軍機を撃墜できるほどの威力があったが、兵士の目視と勘でしか照準が合わせられないので、命中率は低かった。)
- 12cm噴進砲28連装:4基(この対空ロケット砲の優秀性はレイテ沖海戦で証明されている。)
[編集] 参考文献
- 小林義秀「歴史発掘 未成空母『伊吹』の明細」
- 海人社『世界の艦船』1995年7月号 No.498 p110~p113
[編集] 関連項目
大日本帝国海軍の航空母艦 | |
同型艦無し: | 鳳翔 | 赤城 | 加賀 | 龍驤 | 蒼龍 | 飛龍 | 大鳳 | 信濃 | |
翔鶴型空母: | 翔鶴 | 瑞鶴 |
瑞鳳型空母: | 瑞鳳 | 祥鳳 |
飛鷹型空母: | 飛鷹 | 隼鷹 |
千歳型空母: | 千歳 | 千代田 |
大鷹型空母: | 大鷹 | 雲鷹 |冲鷹 |
雲龍型空母: | 雲龍 | 天城 | 葛城 | 笠置 |阿蘇 | 生駒 |
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