不来方
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不来方（こずかた）とは、岩手県盛岡を指す言葉である。 元禄期、南部藩主・南部重信公と永福寺・第四十二世清珊法印との連歌によって生まれ、城下町の名として用いられるまで、当地はこの名で呼ばれたと伝えられる。従って、城下町開府当時、都市名として盛岡という名は存在しなかった。 命名には、盛岡城下の鬼門封じのため置かれた真言密教の祈祷所「永福寺」所在地の裏山が「森ヶ岡」と呼ばれたことに関わると見られる。永福寺の山号は、宝珠盛岡山である。
不来方から盛岡への改名は、時の南部藩主がこの名を不吉と忌み嫌ったためと伝えられるが、現代ではむしろ、盛岡の雅名として使われることが多い。 現在の盛岡市中心部は「岩手郡仁王郷不来方」に相当する。その名は南北朝期には既に古文書に記されている。「陸奥話紀」の記載では、清原武則の甥・橘頼為が領主となっていたのが「逆志方」。 南部氏は蒲生氏郷の勧めでこの地への築城を決めたという。
一般に、南部氏が築いた盛岡城の別名が「不来方城」と解されているが、厳密には両者は別の城である。南部氏家臣の福士氏が築いたのが「不来方城」であり、これを基礎に拡大して南部氏が築いたものが、「盛岡城」である。
伝承によれば、かつてこの地を鬼が里を荒らしまわることに困った里人たちが、三ツ石(盛岡市)の神に祈願をしたところ、鬼は神によって捕らえられた。この時、鬼が二度とこの地にこない証として鬼の手形を岩に残した。これが岩手の地名の由来であり、二度と来ないの意味で「不来方」の名が付されたと伝える。 このとき奉納した踊りが、盛岡市の「さんさ踊り」だとされ、現代にも盛岡の夏の風物詩として受け継がれている。
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[編集] 不来方祭
国立大学法人岩手大学の大学祭の名称。 校地が盛岡市にあることから、盛岡の古名より命名される。
[編集] 不来方橋
盛岡市盛岡駅前通と盛岡市大沢川原を結ぶ橋。北上川に架かる。公募により命名。
[編集] 不来方賞
岩手県競馬のサラ系3歳で争われる重賞競走。1969年創設。盛岡競馬場のダート2000mで行われる。
過去の優勝馬にはメイセイオペラ等、岩手県競馬における名馬が名を連ねている。
2005年までは『岩手ダービー』の冠がついていたが、2006年には水沢競馬場のダイヤモンドカップに『岩手ダービー』の冠がつけられている。
[編集] 岩手県立不来方高等学校
岩手県紫波郡矢巾町。岩手県が設置した初めての学系制普通科高等学校。人文・理数・外国語・芸術・体育の５学系が受験時に選択できる。 校名は、盛岡の古名に因む。校章は盛岡藩主・南部家の家紋「向かい鶴」をモチーフとしている。
