ペティコート

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ペティコート［ペチコート］ (英語：petticoat，仏語：jupon) は、19世紀－20世紀及び現代においては、スカートの下に装着する女性用の下着・ファウンデーションで、とりわけ現在の日本では、ランジェリーの一種の名称となっている。スカートの滑りをよくする目的と、スカートのシルエット形成目的で使われる。

しかし、スカートという服飾は、元々、男女の衣類に使用されており、ドレスやコートなどの腰より下の部分を指す言葉である。歴史的には、女性用の衣服がスカートの名で呼ばれるようになるのは、19世紀半ば以降のことである。西欧で16世紀頃より、様々なスタイルに展開した「スカート状ドレス」は、むしろ、ペティコートとも呼ばれていた。

従って、19世紀初期以前に、イギリスなどでペティコートと呼ばれていた衣装は、今日のような女性用・子供用のアンダースカート、つまり下着ではなく、表着としての女性用ドレスであり、ガウンの形状のドレスの一部でもあった。

[編集] ペティコートの種類

アンダースカートとしてのペチコートは、スカート生地の滑りをよくするため、スカートの下に着用するが、それらは、裾丈によって代表的に三つの種類に分かれる。これはスカートが、裾たけで、大別三種類に分かれるのに対応している。

• ロングペチコート　：　裾丈 70cm ぐらいである。ロングスカートのしたにはく。
• ミディペチコート　：　裾丈 55cm ぐらいである。ミディスカートのしたにはく。
• ミニペチコート　：　裾丈 40cm ぐらいである。ミニスカートのしたなどにはく。

アンダースカートとしてのペチコートは、特殊なものは、スカートより幾らかな長めで、ペチコートの裾が外から見えるようになっているものもあるが、普通は、スカートの裾丈よりも、5cm から 10cm ほど短い。また、スカートとあわせてみて、スカートの裾からペチコートがはみ出るようであれば、もう少し短い丈のペチコートが望ましいことになる。

[編集] スカートとペチコートの合体

二十年ほど前は、日本でもペチコ－トをスカートのしたに装着する日常習慣があった。これは、特にランジェリーやファウンデーションであるということを意識してではなく、被服の機能的に、スカートの滑りをよくする目的であった。

しかし、一般のスーツやドレスが裏地を備えているように、スカートもまた裏地を付けて仕立てたものがある。裏地は、ペチコートなどと同様、ポリエステルなどの薄く、滑らかな静電気を帯びない素材が使われるが、このようなスカートはペチコートをうちに合体させている設計とも言える。

[編集] 英語におけるペティコート

英語では、「ペティコートをはいた (in petticoat(s)) 」は、女性の意味になり、18世紀の政治家・随筆家であったホレース・ウォルポールは、フェミニズム思想の先駆者であったメアリ・ウルストンクラフトを、「ペティコートをはいたハイエナ (a hyena in petticoats) 」と呼んだが、これは「女ハイエナ」の意味であるが、この場合の「ペティコート」は、今日イメージするような下着ではなく、表着としてのドレスである。

あるいは、petticoat government (ペティコート・ガヴァーンメント) は、文字通りには、「ペティコート政府」であるが、これは「女天下・嚊 (かかあ)天下」の意味である。この場合も、現在の用語である「下着」としてのペティコートではない。