フィンゴルフィン

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フィンゴルフィン（Fingolfin、第一紀4690年 - 太陽の時代455年）は、J・R・R・トールキンの中つ国を舞台とした小説、『シルマリルの物語』の登場人物。ノルドールの中つ国への帰還のさい、一族を率いてヘルカラクセを渡った。異腹兄フェアノールの死後はフィンゴルフィン王家を興し、ベレリアンドにおける全ノルドールの上級王となった。モルゴスに一騎打ちを挑み敗れるが、冥王にも生涯消えぬ傷を残した。彼はフィンウェの息子のうちで、最も強く、最も迷いがなく、最も勇敢であったとされる。

ヴァリノールにおけるかれのクウェンヤ名は、｢賢いフィンウェ｣を意味するフィンウェ・ノロフィンウェ（finwé ngolodh finwë）であった。 フィンゴルフィンはこのクウェンヤ名をシンダール語式に縮めたものである。

父はノルドールの上級王フィンウェ。母はヴァンヤールの上級王イングウェの親類インディス。異腹兄にフェアノール。姉にフィンディス。妹にイリメ。弟にフィナルフィン。

妻はアナイレ。息子にフィンゴン、トゥアゴン。娘にアレゼル。後期の文献にのみ登場する息子に、アルゴン¹がいる。

注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。

[編集] ヴァリノールにおけるフィンゴルフィン

フィンゴルフィンはモルゴスが幽閉中の二本の木の時代の4690年、エルフの至福の時代に、アマンに生を受けた。かれの母インディスは父フィンウェの後妻である。フィンウェの先妻ミーリエルの子である異腹兄のフェアノールは、インディスとその子供たちを嫌った。フィンゴルフィンは成長するにつれ王子としての自尊心を強めてフェアノールと張り合い、モルゴスの解放後はかれの虚言によって、お互いに武器を隠し持つほどに対立した。（二人の不和については、ノルドールの叛乱参照）

長い不和のあと、フィンゴルフィンは弟としてフェアノールへの友情を誓った。フェアノールがノルドールの上級王として中つ国への帰還を決めると、かれはこれを愚行であると知りながら、兄に従った。しかしノルドールの多くはフェアノールよりもフィンゴルフィンにしたがっていたため、ノルドール最大の軍勢を率いたのはフィンゴルフィンであった。

[編集] ベレリアンドにおけるフィンゴルフィン

かれがベレリアンドに上陸するとまもなく太陽が昇り、かれはアングバンドの門に来てそれを打ち叩いたが、モルゴスは隠された内部にとどまった。そしてかれは、ミスリム湖の北岸のヒスルムから統治した。

ダゴール・アグラレブでオークを打ち負かした後、フィンゴルフィンは四百年近くアングバンド包囲を維持した。しかし包囲はダゴール・ブラゴルラハにおけるモルゴスの突然の襲撃で終了し、多くのベレリアンドの民が逃亡した。最後にフィンゴルフィンは、単騎でアングバンドに乗り込んでモルゴスに戦いを挑み、モルゴスに七度かれの剣リンギルで傷を負わせる並外れた決闘の末死んだ。そして、鷲の王ソロンドールはかれの身体をゴンドリンを見渡す山頂へ運び、トゥアゴンは、かれの父の遺体の上に石塚を築いた。

そしてフィンゴンが、ノルドールの上級王になった。

1:アルゴンは、『中つ国の歴史』として出版された、トールキンの極めて後期の文献のみに現れ、『シルマリルの物語』には現れない。