ビリー・ライレージム

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ビリー・ライレージム（Billy Riley Gym）は、イギリスのランカシャー地方のウイガンという炭鉱の町にかつて実在し、カール・ゴッチ、ビル・ロビンソンら幾多の名レスラーを輩出したランカシャースタイルレスリングのジム。
通称・Snake pit（蛇の穴）。

[編集] 概要

ビリー・ライレージムは、1920年代初頭にビリー・ライレーが創立した。当時のウイガンは炭鉱の町として栄えランカシャーレスリング（通称キャッチアズキャッチキャン、現・シュートレスリング）の盛んな土地柄で、力自慢の炭鉱夫達は、ランカシャーレスリングで「ストリートファイト賞金マッチ」に出場し猛者として名が知れていたビリー・ライレーにこぞって挑戦した。

ビリー・ライレーは、そんな大柄で腕自慢の挑戦者達を次々と打ち負かし大金を手にし、母親に家をプレゼントしたうえジムまで建ててしまったという。息子のアーニー・ライレー、ジャック・デンプシー、ジョン・ウォリー、ジョー・ロビンソン（ビリー・ジョイスの兄）などが練習し、全盛期には狭いジムながら30人程のレスラー達が激しいトレーニングを積んでいた。

ビリー・ライレージムの出身者は「シュート・レスリング」を習得した者として知られ、倒されても蛇（Snake）のようにしつこく攻撃をかけ続けるファイトスタイルで、また当時のウイガンには、いたる所に炭鉱の穴（Pit）があった事から「Snake Pit」として恐れられるようになった。しかし、次第にトレーニングマシーンを使ったトレーニングジムが主流となり、伝統的で厳しいトレーニングのビリー・ライレージムはレスラー達に敬遠されるようになり衰退した。

そして1982年に創設者のビリー・ライレーが亡くなるとジムは廃墟と化し、1989年の春に何者かの放火によって全焼した。現在は、ジムの出身者で伝説の名レスラーとして知られるビル・ロビンソンが日本に定住し、東京・高円寺にあるU.W.F.スネークピットジャパンで指導している。

[編集] 主な出身者

ビリー・ジョイス：一番弟子
カール・ゴッチ：プロレスの神様
ビル・ロビンソン：人間風車
ダイナマイト・キッド：爆弾小僧、末期のジムの卒業生
バート・アズラティ
ブルーノ・アーリントン

[編集] 出身レスラーの特徴

ビリー・ライレージムはランカシャースタイルのレスリングを基本にしているため、出身レスラーはスープレックス等の投げ技を得意とする。またシュート（真剣勝負）に対してもプライドを持っているため、これに応じる。出身者のカール・ゴッチ、ビル・ロビンソン、ダイナマイト・キッドなどは、通常のプロレスがシュートに発展してしまい殺伐とした闘いになることが度々あった。

ファイトスタイルは立ち技・寝技両方得意で、蛇のようにしつこく絡みつく。レスリングにプライドを持っているため、現実のプロレスとのギャップに悩み孤立する場合もあるが、日本のプロレス界に「ストロングスタイル」の概念を持ち込んだ功績は大きい。