パケ死
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パケ死(-し)とは、俗に携帯電話・PHSを使ったウェブやメールサービス(AIR-EDGE PHONEやEZweb、i-mode、Yahoo!ケータイ)を使用した結果、その使用料であるパケット通信料があまりに高額で、支払困難または支払不能に陥っている様を表現した、2000年登場の新語である。ドコモ・505iやソフトバンク・J-SH53など写真を撮影できる機種が登場したことなどにより、2001年から2003年を中心に流行した。
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[編集] パケ死してしまう原因
パケ死が起きる一因として、通信速度の向上や画面の高解像度化等を背景とするコンテンツのリッチ化の他、以下の原因が主にあげられる。
- 写メールやiショットなどの写真付きメールを送ると、1通でも100円近く料金がかかる事がある。
- iアプリ、EZアプリ、S!アプリの中には1つのソフトをダウンロードしただけでもパケット料が2000円以上かかる物がある。
- アプリの中には、自動的に通信するものがある。
- QVGA液晶の採用など、端末の大画面化により、それに対応する待ち受け画像のファイルサイズの増加。
- データフォルダ容量の増加、SDカードの搭載によるデータ保存及びデータ通信料の増加。
- Eメールのヘッダ容量の増加。
- 着うたフルなどの音楽ファイルをダウンロードしただけでもパケット料が6000円以上かかる物がある。
- ムービー写メールの動画付きメールを送ると1通でも200円以上料金がかかる事がある。
また、元よりパケット料金が安い第3世代携帯電話においても、ムービーやFlash、Java、着うた等のコンテンツのリッチ化によりそれ以上にパケ死の危険性が高いこともある。
[編集] パケ死を防ぐ対策
常に料金確認をするように心がける事が必要である。データのダウンロードの時に幾ら料金が掛かるかを把握した方が良い。また、ダブル定額やパケ・ホーダイ、デュアルパケット定額等のパケット定額制サービスに入るのも有効であるが、PC接続時や、フルブラウザ(キャリア・機種によって例外あり)など定額対象外通信も有るので注意が必要である。詳細は下記参照のこと。
[編集] パソコン外部接続による「パケ破産」
さらに、類義語としてパケ破産(-はさん)という現象も出つつある。これは携帯電話で、PCやPDAなどに端末を接続して通信した場合(外部接続)にはパケット従量課金となる事を知らず、数十万円~数千万円という、現実的に自己破産も可能なレベルの超高額な課金請求をされるという事案である。外部接続でパケット定額制なのは現状はPHSに限られる[1]という事をユーザのみならず販売担当者その他も肝に銘じるべきである。
[編集] パケット定額制
このような状況の中、端末単体の通信に限っては、パケット料金を従量制課金ではなくどれだけ使っても定額というパケット定額制を始めるキャリアが出てきた。これにより、従来に比べパケ死発生数は減少すると見られるものの、一部特殊な条件においては、パケット定額制の対象とならないサービスも存在するため、予断を許さない状況である。
詳細は、パケット定額制の項を参照のこと。
[編集] フルブラウザの問題
しかし、パソコン向けウェブサイトが閲覧できるフルブラウザの導入により、パケット定額制の導入を経てもなお「パケ死」ないし「パケ破産」の危険性にユーザが晒される危険性が再度表面化してきた。すなわち、auやDoCoMo、ソフトバンクなどのキャリアにおいて組込み型のフルブラウザ(Opera等)を使った通信料はパケット定額制の対象外となることがある。ただし、auはダブル定額(含ライト)に加入している人は上限額が5700円で定額になる。また、ソフトバンクのデュアルパケット定額に加入している人は、上限額が5985円の定額となる。
詳細は、フルブラウザの項を参照のこと。
[編集] プライスキャップ制
また、パケット定額制に申し込んでいない利用者がパケット通信を使いすぎても、ある一定の上限額を超えては課金されないという、いわゆる「プライスキャップ制」を導入するキャリアもある。
- WILLCOM:「パケット安心サービス」