コロニーレーザー
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コロニーレーザーは、アニメ『機動戦士ガンダム』を始めとする「ガンダムシリーズ」に登場する、架空の兵器。
円筒型で窓が無いタイプ(密閉型)のスペースコロニーを改造して、巨大なレーザービームの照射装置としたもの。ガンダム世界においては他に類を見ない射程距離と破壊力を持つが、大量の電力を必要とし、連続しての使用は困難である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 機動戦士ガンダム
地球連邦軍の星一号作戦の際に、ジオン公国の最終兵器ソーラ・レイとして登場した。サイド3のマハルと呼ばれるコロニーを改装した巨大レーザー砲で、電力確保には多数の大型ミラーを展開する必要があった。
作中、稼動原理は不明のままだったが、後に書籍によってシリンダー内にアルゴン等を充填してレーザーを増幅させる化学レーザーと設定された。建造時期は資料によってまちまちであり、小説版・TV版・映画版ではソロモン陥落直後にマハルコロニーから住民を強制疎開させ、数日間の突貫工事で完成させたとあるが、開戦直後から改装を行っていたとする資料もある。消費電力は8500万GW/秒という膨大なものである。ただし、一度発射すれば砲身の冷却やエネルギー充填などに1週間~10日は掛かると言われており、事実上、1発しか使えなかった。なお、TV版や映画版では偏向ミラーがテスト用で一度しか使えなかったとなっている。小説版では連射が可能であり、さらに掃射も可能であった。また、かなり距離の離れているソロモン(当時コンペイトウ)を正確に狙撃できたことから、照準性能、および射程距離もTV版・映画版に比べて向上しているものと思われる。
レーザー照射はあらかじめ設定されていた3つの照準コースのうちゲル・ドルバ照準で行われ、その巨大な威力により、最終決戦直前に地球連邦軍の宇宙艦隊の30%を消滅させ、ソーラ・システムも破壊した。また、この攻撃によってレビル将軍とデギン・ソド・ザビが戦死した。より効果的な照準コースに設定していれば侵攻してくる連邦艦隊の半数を撃破する事も可能であったが、地球連邦との和平工作を推し進めるデギンを邪魔だと判断したギレン・ザビは、デキン殺害を優先した。しかし、後にこの事を知ったキシリア・ザビによってギレンは射殺されてしまう。最終兵器と銘打っているが、実際にはザビ家の内部抗争を象徴する兵器という意味合いの方が強いと言える。
[編集] 機動戦士Zガンダム
ティターンズにより建造された兵器。ソーラ・レイの欠点だったエネルギー充填システムを改良し、チャージ時間を大幅に短縮する事に成功している。ティターンズの戦略開発拠点だったサイド7のグリーン・ノア2の2つあるシリンダーの1基を改装したのでグリプス2と呼ばれる。
その強大な威力が戦局を左右するとみなされ、各勢力に制圧目標とされた。まず、建造したティターンズに対してエゥーゴとアクシズが共同作戦を行い、結果的にアクシズが奪取する。しかし、直後に行われたメールシュトローム作戦によってエゥーゴが獲得。その後は損傷による放棄までエゥーゴの勢力下にあった。
作品中では3回使用されている。まず、ティターンズが30%の出力で発射し、サイド2の18バンチコロニーを破壊した。第2射はエゥーゴによるもので、グラナダへの落下コースに入っていた小惑星アクシズを狙撃、アクシズの軌道を変化させて落下を防いだ。最後に、エゥーゴによりティターンズとの最終決戦時に55%(小説版では38%)の出力で発射され、ティターンズの主力艦隊を壊滅させた。その後、機関部分が損傷した為に放棄される。
[編集] 機動新世紀ガンダムX
第7次宇宙戦争当時に宇宙革命軍が開発途中で放棄していたものが、戦後に完成し地球に直接撃ち込む為に投入される。それに続けて地球侵攻を行う「ダリア作戦」が予定されていたが、ガンダムダブルエックスのツインサテライトキャノンにより発射直前に破壊されている。