インターネットエクスチェンジ

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インターネットエクスチェンジ（Internet Exchange point）とは、インターネット上のインターネットデータセンター(IDC)、プロバイダ(ISP)同士の相互接続ポイント。略称 IX、またインターネット相互接続点とも呼ばれる。

[編集] 概略

インターネットは全てのネットワークを（直接/間接的に）相互接続する必要があるが、多数のプロバイダ、IDCを直接互いに相互接続するのは大変である（仮に100社なら約5万本必要）。そこでプロバイダ、IDCの相互接続をIXで行う事により、接続距離を短くできるようにもなるし、運用も簡単になる。具体的には、LAN接続と同様に、スイッチングハブを用いて、各プロバイダのボーダールーターを相互に接続してトラフィック交換を行う形態が一般的である。

レイヤ3スイッチやルーターを用いて構築されたレイヤ3IX(L3IX)という呼ばれるネットワークも存在するが、こちらはIXというより実態はパーシャル（部分）トランジットであり、一般にはIXには分類されない。L3IXでない、ということを強調するために、一般のIXをL2IXと呼ぶこともある。

プロバイダによっては、安く上げるために相互接続をIX（つまり他社経由）に任せる場合がある。また、加盟、接続には一定の条件を課される。

IXは十分な自家発電設備と、耐震または免震構造のビルに置かれる。テロリストの攻撃などでIXが破壊されると大混乱になるので設置場所は一般に非公開である。

[編集] 地域IX

日本国内のインターネットトラフィックは東京に一極集中しており、障害時のリスク分散や地域間の効率的なトラフィック交換が十分なされていない。地域IXは東京のIXのリスク分散、及び効率的かつ経済的なトラフィックの中継のために設けられる。しかし地域IXの効用を充分享受するためには多くのISPが大容量バックボーン回線にて複数の地域IXに接続することが必要となる。

もっとも、単に地域IXに接続するだけでは駄目で、ピアリング・IPトランジットによりAS間のルートを設定しないと意味は無い。しかし、各々のプロバイダー間の思惑などにより効果的に運用されているとは言い難く、課題が残っている。

このため、異なるプロバイダ同士で直接データをやりとりすると、物理的な距離が近くても、IP パケットははるばる東京まで往復して戻ってくることが多いといった無駄が発生している。

また、大手プロバイダーは自前で全国網を構築している所が多いこと、インターネットコンテンツ（Webサーバなど）が東京に集中していること、地方-地方間のトラフィックが現状では少ないことなど、あえて地域IXに接続しルートを設定するコストに対するメリットも見いだしがたく、中々地域IXでの交換が進展しないのも現状である。