アカデミー外国語映画賞
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アカデミー外国語映画賞(Academy Award for Foreign Launguage Film)はアカデミー賞の中の一つで、最も優れていると考えられた外国語映画に与えられる。外国語映画の表彰は、1947年から1949年にかけては「特別賞」、1950年から1955年にかけては「名誉賞」として行われ、1956年から現在の「外国語映画賞」となった。
よく「外国映画賞」と間違われるが、「外国語映画賞」である。英語以外の言語でセリフが録音されている映画が対象となる。
毎年各国で1作品ずつ出品でき、その中から4作品がノミネートされる。なお、出品できるのは、その国で前年の10月からその年の9月の間に初めて公開され、少なくとも7日連続で35ミリもしくは70ミリフィルムで劇場にて商業上映された作品であり、アメリカ合衆国国内で上映されている必要はない。
日本からの出品作は、社団法人日本映画製作者連盟が選考している。なお、この連盟の現在の会員は松竹、東宝、東映、角川ヘラルド映画の4社のみである。
目次 |
[編集] 1940年代
[編集] 特別賞
- 1947年 『靴磨き』 ヴィットリオ・デ・シーカ (イタリア)
- 1948年 『聖バンサン』 モーリス・クローシュ (フランス)
- 1949年 『自転車泥棒』 ヴィットリオ・デ・シーカ (イタリア)
[編集] 1950年代
[編集] 名誉賞
- 1950年 『鉄格子の彼方』 ルネ・クレマン (フランス)
- 1951年 『羅生門』 黒澤明 (日本)
- 1952年 『禁じられた遊び』 ルネ・クレマン (フランス)
- 1953年 受賞なし
- 1954年 『地獄門』 衣笠貞之助 (日本)
- 1955年 『宮本武蔵』 稲垣浩 (日本)
[編集] 外国語映画賞
- 1956年 『道』 フェデリコ・フェリーニ (イタリア)
- 1957年 『カビリアの夜』 フェデリコ・フェリーニ (イタリア)
- 1958年 『ぼくの伯父さん』 ジャック・タチ (フランス)
- 1959年 『黒いオルフェ』 マルセル・カミュ (フランス/ブラジル)
[編集] 1960年代
- 1960年 『処女の泉』 イングマール・ベルイマン (スウェーデン)
- 1961年 『鏡の中にある如く』 イングマール・ベルイマン (スウェーデン)
- 1962年 『シベールの日曜日』 セルジュ・ブールギニョン (フランス)
- 1963年 『フェリーニの8 1/2』 フェデリコ・フェリーニ (イタリア)
- 1964年 『昨日・今日・明日』 ヴィットリオ・デ・シーカ (イタリア)
- 1965年 『大通りの店』 ヤン・カダール (チェコスロヴァキア)
- 1966年 『男と女』 クロード・ルルーシュ (フランス)
- 1967年 『運命を乗せた列車』 イジー・メンツェル (チェコスロヴァキア)
- 1968年 『戦争と平和』 セルゲイ・ボンダルチュク (ソ連)
- 1969年 『Z』 コンスタンタン・コスタ=ガヴラス (フランス/アルジェリア)
[編集] 1970年代
- 1970年 『殺人捜査』 エリオ・ペトリ (イタリア)
- 1971年 『悲しみの青春』 ヴィットリオ・デ・シーカ (イタリア)
- 1972年 『ブルジョアジーの秘かな愉しみ』 ルイス・ブニュエル (フランス)
- 1973年 『映画に愛をこめて アメリカの夜』 フランソワ・トリュフォー (フランス)
- 1974年 『フェリーニのアマルコルド』 フェデリコ・フェリーニ (イタリア)
- 1975年 『デルス・ウザーラ』 黒澤明 (ソ連)
- 1976年 『ブラック・アンド・ホワイト・イン・カラー』 ジャン=ジャック・アノー (フランス/コートジボワール)
- 1977年 『これからの人生』 モーシェ・ミズラヒ (フランス)
- 1978年 『ハンカチのご用意を』 ベルトラン・ブリエ (フランス)
- 1979年 『ブリキの太鼓』 フォルカー・シュレンドルフ (西ドイツ)
[編集] 1980年代
- 1980年 『モスクワは涙を信じない』 ウラジーミル・メニショフ (ソ連)
- 1981年 『メフィスト』 イシュトヴァン・サボー (ハンガリー)
- 1982年 Volver a Empezar ホセ・ルイス・ガルシ (スペイン)
- 1983年 『ファニーとアレクサンデル』 イングマール・ベルイマン (スウェーデン)
- 1984年 La Diagonale du fou リシャール・デンボ (スイス)
- 1985年 『オフィシャル・ストーリー』 ルイス・プエンソ (アルゼンチン)
- 1986年 『追想のかなた』 フォンス・ラデメーカーズ (オランダ)
- 1987年 『バベットの晩餐会』 ガブリエル・アクセル (デンマーク)
- 1988年 『ペレ』 ビレ・アウグスト (デンマーク)
- 1989年 『ニュー・シネマ・パラダイス』 ジュゼッペ・トルナトーレ (イタリア)
[編集] 1990年代
- 1990年 『ジャーニー・オブ・ホープ』 ザヴィアー・コラー (スイス)
- 1991年 『エーゲ海の天使』 ガブリエレ・サルヴァトレス (イタリア)
- 1992年 『インドシナ』 レジス・ヴァルニエ (フランス)
- 1993年 『ベル・エポック』 フェルナンド・トルエバ (スペイン)
- 1994年 『太陽に灼かれて』 ニキータ・ミハルコフ (ロシア)
- 1995年 『アントニア』 マルレーン・ゴリス (オランダ)
- 1996年 『コーリャ 愛のプラハ』 ヤン・スヴェラーク (チェコ)
- 1997年 『キャラクター』 マイケ・ファン・ディム (オランダ)
- 1998年 『ライフ・イズ・ビューティフル』 ロベルト・ベニーニ (イタリア)
- 1999年 『オール・アバウト・マイ・マザー』 ペドロ・アルモドバル (スペイン)
[編集] 2000年代
- 2000年 『グリーン・デスティニー』 アン・リー (台湾)
- 2001年 『ノー・マンズ・ランド』 ダニス・タノヴィッチ (ボスニア・ヘルツェゴビナ)
- 2002年 『名もなきアフリカの地で』 カロリーヌ・リンク (ドイツ)
- 2003年 『みなさん、さようなら』 ドゥニ・アルカン (カナダ)
- 2004年 『海を飛ぶ夢』 アレハンドロ・アメナバール (スペイン)
- 2005年 『Tsotsi』ガヴィン・フッド (南アフリカ)
[編集] 日本からの出品作とその結果
- 1951年 『羅生門』 黒澤明 名誉賞
- 1954年 『地獄門』 衣笠貞之助 名誉賞
- 1955年 『宮本武蔵(第一部)』 稲垣浩 名誉賞
- 1955年 『夜の河』 吉村公三郎
- 1956年 『ビルマの竪琴』 市川崑 ノミネート
- 1957年 『あらくれ』 成瀬巳喜男
- 1958年 『楢山節考』 木下恵介
- 1959年 『野火』 市川崑
- 1960年 『秋日和』 小津安二郎
- 1961年 『永遠の人』 木下恵介 ノミネート
- 1962年 『私は二歳』 木下恵介
- 1963年 『古都』 中村登 ノミネート
- 1964年 『砂の女』 勅使河原宏 ノミネート
- 1965年 『怪談』 小林正樹 ノミネート
- 1966年 『湖の琴』 田坂具隆
- 1967年 『智恵子抄』 中村登 ノミネート
- 1968年 『黒部の太陽』 熊井啓
- 1969年 『神々の深き欲望』 今村昌平
- 1970年 『無頼漢』 篠田正浩
- 1971年 『どですかでん』 黒澤明 ノミネート
- 1972年 『軍旗はためく下に』 深作欣二
- 1973年 『戒厳令』 吉田喜重
- 1974年 『化石』 小林正樹
- 1975年 『サンダカン八番娼館・望郷』 熊井啓 ノミネート
- 1976年 出品申請なし
- 1977年 『八甲田山』 森谷司郎
- 1978年 『愛の亡霊』 大島渚
- 1979年 『月山』 村野鐡太郎
- 1980年 『影武者』 黒澤明 ノミネート
- 1981年 『泥の河』 小栗康平 ノミネート
- 1982年 『鬼龍院花子の生涯』 五社英雄
- 1983年 『南極物語』 蔵原惟繕
- 1984年 『瀬戸内少年野球団』 篠田正浩
- 1985年 『花いちもんめ』 伊藤俊也
- 1986年 『キネマの天地』 山田洋次
- 1987年 『女衒』 今村昌平
- 1988年 『ダウンタウンヒーローズ』 山田洋次
- 1989年 『利休』 勅使河原宏
- 1990年 『死の棘』 小栗康平
- 1991年 『八月の狂詩曲』 黒澤明
- 1992年 『女殺油地獄』 五社英雄
- 1993年 『まあだだよ』 黒澤明
- 1994年 『平成狸合戦ぽんぽこ』 高畑勲
- 1995年 『深い河』 小栗康平
- 1996年 『学校Ⅱ』 山田洋次
- 1997年 『もののけ姫』 宮崎駿
- 1998年 『愛を乞うひと』 平山秀幸
- 1999年 『鉄道員 (ぽっぽや)』 降旗康男
- 2000年 『雨あがる』 小泉堯史
- 2001年 『GO』 行定勲
- 2002年 『OUT』 平山秀幸
- 2003年 『たそがれ清兵衛』 山田洋次 ノミネート
- 2004年 『誰も知らない』 是枝裕和
- 2005年 『血と骨』 崔洋一
- 2006年 『フラガール』 李相日