とちぎ (列車)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

185系　特急「ホームタウンとちぎ」

185系　特急「おはようとちぎ」

おはようとちぎ・ホームタウンとちぎとは、東日本旅客鉄道（JR東日本）が新宿駅～黒磯駅間を山手線・東北本線（宇都宮線）経由で運行する特別急行列車の愛称。

[編集] 運行概要

運行上は朝運行する列車を「おはようとちぎ」とし、夕方の列車を「ホームタウンとちぎ」として、ホームライナーに近い朝上り・夕方下りの運転体制を取っている。

停車駅

新宿駅 - 池袋駅 - 赤羽駅 - 大宮駅 - 蓮田駅 - 久喜駅 - 古河駅 - 小山駅 - 石橋駅 - 宇都宮駅 - 宝積寺駅 - 氏家駅 - 矢板駅 - 西那須野駅 - 黒磯駅

使用車両・設定車種

185系電車7両編成。

グリーン車1両・・・座席指定席

普通車6両・・・自由席のみ。
- 特徴として「踊り子」と同じ田町車両センター所属の車両を使用している。

[編集] 宇都宮線優等列車沿革

この章では基本的に東北本線黒磯駅以南を主に始発・終着点とする優等列車について扱い、その運行系統の内支線に乗り入れる系統も扱う。但し、この区間では日光線直通列車と運行系統上関連があるため、日光線優等列車とも一部重なる場合がある。また、両毛線への直通列車はあかぎ (列車)も参照されたい。

1950年（昭和25年）、新橋駅～桐生駅間を小山駅経由で運行する快速列車と、上野駅～宇都宮駅間（上りは烏山線烏山駅発）の快速列車が設定される。

共に当時はまだ名称が無かった。
1952年（昭和27年）、上野駅～黒磯駅間運行の快速列車の設定がなされる。

設定当初は不定期列車扱いで土曜日・日曜日の運行であった。
1955年（昭和30年）、上野駅～黒磯駅間運行の快速列車にキハ45000系気動車を導入。また、「日光号」の補助として一部車両を日光線日光駅まで運行する編成を連結。

またこのころより、気動車列車には「しもつけ」・「二荒」（ふたあら）の名称が与えられ、両毛線直通列車には「わたらせ」、宇都宮駅発着の列車には「おおとね」の名称が与えられる。
1956年（昭和31年）11月19日、山手線・京浜東北線分離運転開始に伴い、「わたらせ」新橋駅発着を終了。上野駅発着となる。
1958年（昭和33年）4月14日、「しもつけ」・「二荒」準急列車に昇格。しかし、車種を客車に変更。

この当時はすでに電化区間が宇都宮駅まで延伸しており、電気機関車牽引の客車列車の方が気動車列車より速度が速いとされていたことから速達化が可能であったことや、主に通勤・通学用とされた80系電車などの電車の絶対的な不足により準急列車へ確保することが出来なかった事情もある。
1958年10月1日、「二荒」運行区間を仙台駅まで延長し、「吾妻」に名称を変更。これにより「二荒」の名称一時消滅。
1959年（昭和34年）、上野駅～黒磯駅を運行する不定期準急列車の愛称として「なすの」の名称が与えられる。また、「しもつけ」80系電車により運行される。

「なすの」は運行当時は"特別準急電車"と称された157系電車を使用したが、この列車は「日光」の間合い運用で運行された関係で特殊な運用でもあった。
1960年（昭和35年）、上野駅～宇都宮駅間を不定期列車扱いで毎日運行する準急列車「ふたあら」運行開始。
1961年（昭和36年）、157系電車を使用した上野駅～黒磯駅を運行する不定期準急列車の愛称として「ゆのか」の名称が与えられる。
1962年（昭和37年）、「わたらせ」準急列車に昇格。運行区間を上野駅～小山駅～高崎駅間とする。また、水戸線経由で上野駅～水戸駅・真岡線（現:真岡鐵道真岡線）真岡駅発着の準急列車「つくばね」運行開始。

「つくばね」の運行に際して小山駅構内に東北本線～水戸線短絡線を設け、同列車は小山駅を通過する形をとった。
1963年（昭和38年）、「なすの」・「しもつけ」車種を165系電車に変更。また、「しもつけ」2往復に増便。また、「つくばね」の真岡線乗り入れ編成の下り着駅を茂木駅に変更。
1965年（昭和40年）、「ふたあら」、「しもつけ」に名称を変更。また、「わたらせ」の準急運行区間を桐生駅までとし、同駅以西は普通列車とする。
1966年（昭和41年）3月5日、準急列車を「100km以下運行する急行列車」と定義したことにより、「しもつけ」・「つくばね」・「なすの」・「わたらせ」急行列車に昇格。
1968年（昭和43年）10月1日、いわゆる「ヨン・サン・トオ」ダイヤ改正により以下のように変更される。
1. 「なすの」「しもつけ」を吸収し定期列車化。同時に白河駅まで運行される。
2. 「つくばね」電車化される。これにより真岡線直通編成廃止。また勝田駅まで運行区間を延伸するも、「つくばね」下館駅以東を普通列車に格下げ。
3. 「わたらせ」電車化される。また、1往復を増発し2往復に増便するが、急行運行区間を小山駅までとする。また、運行時間の兼ね合いから上り1号の両毛線内については「定期乗車券の乗車を認めない」と言う特例を設けた。
1969年（昭和44年）、季節特別急行列車「くろいそ」2往復で運行開始。

「そよかぜ」と同様に181系電車を用いたオンシーズン特急列車の一つとして設定された。
1972年（昭和47年）、「つくばね」急行運行区間を結城駅までに短縮。また、「くろいそ」「なすの」に編入され、「なすの51・52号」となる。
1976年（昭和51年）、従来115系電車で運行されていた「なすの1号」を快速列車に格下げ。
1978年（昭和53年）、「わたらせ2号」の両毛線内定期乗車券乗車禁止の特例を廃止。
1982年（昭和57年）11月15日、東北新幹線開業に伴い、「なすの」下り7本上り9本に増便。これには「日光」の一部を統合し、「なすの」に含めたと言う事情もある。
1985年（昭和60年）3月14日、東北新幹線上野駅乗り入れに伴い以下のように変更。
1. 「つくばね」・「わたらせ」廃止。
2. 「なすの」、上野駅～黒磯駅間運行の新特急に昇格。9往復に増便。
  
  「なすの」は宇都宮線の主要駅のうち、東北新幹線の停車駅ではない駅での利用を見込んでいたが、新特急化と同時に運行を開始した宇都宮線の快速列車「ラビット」と宇都宮駅まで停車駅がほぼ同じであったこともあり、利用は伸び悩んだ。
1990年（平成2年）、新特急「なすの」を新宿駅発着に変更すると同時に、朝上り・夕方下りの1往復を除いて快速「ラビット」に格下げを行い、現行のダイヤと同等の運転体制となる。
1992年（平成4年）、宇都宮駅発の「なすの」上り1本を増発。
1995年（平成7年）、東北新幹線東京駅～那須塩原駅で運転されていた「あおば」を分離し、「なすの」の愛称を与える。これに伴い、宇都宮線の特急を「おはようとちぎ」・「ホームタウンとちぎ」に名称変更。
2007年春「おはようとちぎ」・「ホームタウンとちぎ」の全車両禁煙を実施予定