Unreal Tournament
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Unreal Tournament(アンリアル・トーナメント、略称UT)は、スポーツ系FPSと呼ばれるジャンルのゲームの一つ。FPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)における三大ゲームHalf-Life、Quakeと並ぶUnrealの系統。Unrealがシングルプレイ主体である事に対し、UTはマルチプレイを主体としたFPSである。
ゲームエンジンの仕様が公開されているため、ユーザー主導で製作されたMOD、Mutator(MODよりも規模の小さいルールの一部分だけを変更するモジュール)や追加マップが非常に多く、質も高いものからジョークまでバラエティに富んでいる。
2006年1月現在、ゲームエンジンを一新するUnreal Tournament 2007が開発中。 当初は2006年のクリスマスに合わせて発売する予定だったが、2006年8月に販売元のMidway Home Entertainmentが発売を2007年に延期すると明らかにした。
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[編集] Unreal Tournament
それまでのFPSの基本的なゲームモードであるDeathMatchやTeamDeathMatch等にAssaultというオブジェクト攻略型のゲームモードを搭載したことや、BOT(コンピュータプレイヤー)の性能がそれまでと比べて極めて優秀であったことなどから人気を博し、発売された1999年にGame of the Yearを獲得する。
登場する武器はUnrealと基本部分はほとんど変わらず、各武器に二種類の攻撃方法が存在する。一般にプライマリ(以下1st)・セカンダリ(以下2nd)と呼ぶ。
BOTの難易度は全部で8段階あり、一定毎にできる事が違う。6段階目くらいになると人間には不可能な動作(Dodgingした後にDodging等)を行ってくる。
[編集] ゲームモード
- DeathMatch
- FPSでは定番のゲームモード。自分以外は全て敵。
- TeamDeathMatch
- 赤と青の二つのグループに分かれて戦う。DeathMatchと並んで定番のゲームモード。
- CaptureTheFlag
- 敵陣にある旗を自陣に持ち帰る事で得点になるゲームモード。
- Domination
- 3つの独立したオブジェクトの色をチームの色に変えることで得点が入るゲームモード。
- Assault
- オブジェクト攻略型のゲームモードで、攻撃側と防衛側に分かれて戦う。
- LastManStanding
- Health・Armor・武器弾薬を全て所持した状態で開始し、一定数のDeathを受けたプレイヤーから順に脱落していくゲームモード。
[編集] 用語
- Dodging(ドッヂング)
- 同じ方向キーを二回連続で押す事により行うステップのような動作。
- Telefrag(テレフラッグ)
- Translocatorと呼ばれる簡易ワープ装置で敵キャラクターの位置にテレポートすることで相手を殺すこと。
- ShockCombo(ショックコンボ)
- ASMD ShockRifleのセカンダリにプライマリを当てる事で起こる爆発のこと。
[編集] 武器
それぞれの武器に、プライマリとセカンダリの2つの射撃モードが用意されている。
- Impact Hummer
- 接近戦用の武器(弾数制限なし)。プライマリは接触した相手に衝撃によるダメージを与え、押し続けることで威力が上がる。セカンダリはタイミング次第で飛んできた弾丸等を逸らすことができる。また、ジャンプの瞬間に地面に向けてプライマリを使うことで、ダメージは受けるが通常よりも高くジャンプすることができる。
- Enforcer
- 拳銃。プライマリは通常の射撃。セカンダリは連射性が上がるが精度が落ちる。落ちているEnforcerを拾うと二丁拳銃になり、発射速度がUPする。
- GES BioRifle
- 緑色のスライム状の毒液を発射する武器。プライマリだと発射された後に放物線を描いて飛び、物体に付着後一定時間で爆発する。セカンダリは押し続ける事によって威力が上がり、それに応じた大きな塊を発射する。塊は着弾後周囲に四散してダメージを与える。
- ASMD ShockRifle
- プライマリでは青白いビーム(瞬時に着弾する)を発射する。セカンダリは連射可能なエネルギー弾を発射する。また、セカンダリで発射されたエネルギー弾にプライマリのビームを撃ち込むことで、周囲数メートルに大ダメージを与える爆発を引き起こす。
- PulseGun
- プライマリは緑色のエネルギー弾を連射する。セカンダリは押している間緑色のビームを放射し続けるが射程距離は余り長くない。
- Ripper
- 円盤状のブレードを発射する。プライマリは壁や物体に当たると反射するブレードを連射し、敵の頭に当てると一撃で倒すこと(ヘッドショット)ができる。セカンダリは物体に当たると爆発するブレードを発射するが、プライマリに比べると連射速度は劣る。
- Minigun
- 簡易ガトリングガン。プライマリは通常射撃。セカンダリでは発射速度が上がるが精度が低下する。弾丸はEnforcerと共通。
- FlakCanon
- 灼熱の金属片を発射する。プライマリは金属片をショットガン状に発射する。セカンダリは発射後放物線を描いて飛び、着弾点で炸裂して周囲にダメージを与える。
- RocketLauncher
- スポーツ系においての定番武器。プライマリはまっすぐに飛ぶロケット弾を最大6発まで同時発射(プライマリを押し続けることで発射数が上がる)できる。また、照準を敵に合わせ続けると照準が変化しロックオン状態になり、この時にプライマリを発射すると発射されたロケット弾は敵を追尾する(ただし追尾能力はそれほど高くない)。セカンダリはグレネードをプライマリ同様最大6発まで同時発射する。グレネードは発射後、一定時間で爆発する。
- SniperRifle
- FPSにおいては存在しない事が無い程の定番武器。プライマリは通常の射撃。セカンダリを押すとスコープを使用したズームモードになる。Ripper同様ヘッドショットが可能。
- Redeemer
- 小型の核ミサイルを発射する。ミサイルは着弾すると爆発し、周囲数十メートル以内のプレイヤー全てに大ダメージを与える。プライマリで発射されたミサイルはそのまま直進し、物体との接触により爆発する。セカンダリを使うとミサイルに内蔵されたカメラによる視点に切り替わり、この間はプレイヤーによるミサイルの誘導及び手動での起爆ができる(ただし誘導中はプレイヤーは完全に無防備となる)。弾速は速くないため、ASMD ShockrifleやPulseGun、Minigun等により撃墜することができる(撃墜されたミサイルは核爆発しない)。
[編集] キャラクターの所属
(stub)
[編集] MOD
- RocketArena
- LastManStandingの1ライフ限定版。日本においては人気が高い。
- MonsterHunt
- Assaultの防衛側をUnrealに登場したMonsterに変更した物。
- Oldskool
- Unrealの武器やMonster等のデータが詰まったMOD。
- OperationNaPali
- シングルプレイ用MODで、Coopする事を前提として作られた。
- カウンターストライクを意識して作られたリアル系MOD。製品版も発売された。
[編集] Unreal Tournament 2003
2002年10月25日に発売された初代UTの続編。UnrealEngine2による綺麗なグラフィックの実装、ゲームモードAssaultの代わりとなるBombingRunの追加、新要素Adrenalineの追加等が行われた。しかし、新エンジンによる必要スペックの上昇、追加・変更されたゲームモードがそれまでにあったゲームモードよりも質が低い、などの理由で初代UTユーザーをそれほど取り込めず、id SoftwareのWolfenstein等、他社から優良な作品が出たことによって売り上げが芳しくなかった。そのためあまり時を置かずUT2004が発売される事となる。
銃器は初代UTよりも弱体化が図られており、よりエイミングを必要とするようになった。
[編集] 新たなゲームモード
- BombingRun
- Map中央にある弾を敵陣のゴールに入れると得点が入る。入れ方によって得点が異なる。
- DoubleDomination
- Dominationを変更し、二つのオブジェクトの色を同じにし、数秒保つ事でその色のチームに得点が入る。
[編集] 用語
- DodgeJump
- Dodging中にJumpをする事が可能になった。
- DoubleJump
- Jump中にもう一度Jumpする事。
- Adrenaline
- 溜めると特殊行動(ヘルス回復、加速、光学迷彩等)が使用可能になるポイントで、マップ内に在るカプセルを取ったり、敵を倒すと上昇する。
[編集] 銃器
- ShieldGun
- 1stは溜める事によって一撃必殺の威力を持ち、2ndは使用限度のあるバリアを張ることが出来る接近戦用初期武器。
- AssaultRifle
- 1stで銃弾、2ndでグレネードを発射する初期武器。
- Ges BioRifle
- 初代UTよりも連射速度が落ちたが、射程が延びた。
- ASMD ShockRifle
- 初代と殆ど変わらず。弾速が上がり射出間隔が伸びた。
- LinkGun
- 初代UTのPulseGun。2ndをチームメイトに当てると、チームメイトのLinkの威力が上がるようになった。
- MiniGun
- 初代UTよりも威力が下がり、1stと2ndが逆になった。
- FlakCanon
- 初代UTと殆ど変わらず。
- RocketLauncher
- 2ndがグレネードから三発まで溜められるロケット弾に変更。1stは溜め撃ち不可に。
- LightningGun
- スナイパーライフルから置き換えられた電撃銃。発射元がわかりやすくなった。2ndでズーム。
- Redeemer
- 初代UTと特に変化なし。
- IonPainter
- 1stで狙った場所に衛星砲を当てる為のビームを放出する。2ndでズーム。屋根のある場所では使えない。
[編集] Unreal Tournament 2004
2004年3月18日に発売されたUT2003の続編。UT2003を基本にして新たなゲームモードであるOnslaughtの追加やAssaultの復活、武器バランスの見直し等様々な追加・変更を加えており、単なる二番煎じとはなっていない。搭乗可能な戦車や垂直離着陸機などがこのバージョンからゲームモードとして本格的にサポートされている。
DeathMatchにおけるキャラクタの白兵戦の強さをそのままに、広大なマップをビークルで踏破するゲームモードを追加してもゲームバランスが破綻を起こしていないのは、稀有なことである。
ただ、2006年1月の日本においては未だ初代UTのサーバーに人が多数出入りしているのに対してUT2004は数人が出入りしている程度であり、日本においては成功しているとは言い難い。
[編集] 新たなゲームモード
- Assault
- 初代UTにあったオブジェクト攻略型ゲームモード。
- Onslaught
- マップ上に点在するNodeと呼ばれる中継ポイントを占拠し自チーム色に染めて敵のコアに繋ぎ、コアを破壊するゲームモード。
[編集] 銃器
- SniperRifle
- 復活。射撃時に派手な白煙が上がるため発見されやすくなった。
- MineLayer
- 1stでクモ型の自走機雷を設置する。2ndでレーザー誘導。機雷は接近してきた敵に反応して自動追尾する。誘爆しやすいので注意。
- GrenadeLauncher
- 1stで地形や敵にへばりつく手榴弾を発射する。2ndで爆破。他の武器で誘爆させることができる。
- AVRiL
- 対ビークル用のミサイル。発射後に照準し2ndを押し続けると敵機へとホーミングする。威力は高いが弾速は遅めで、撃ち落とされることもある。
- TargetPainter
- 上空に爆撃機を召喚し、レーザー照準した目標位置を爆撃する。
[編集] MOD
- UT XMP
- Unreal2で追加されたゲームモードの移植。能力の異なるキャラクタを操作してチーム戦を行う。
- Red Orchestra
- 第二次大戦における独ソ戦を題材とした、リアリティ重視のMOD。Epic社主催のMODコンテストで優勝し、UE2.5をベースに一から作り直された物がRed Orchestra: Ostfront 41-45として単体で発売された。
- Vehicle CTF
- ビークルを使って専用マップでCTFをプレイできるようにしたもの。地上を走行する乗り物ならフラッグを運べる。
- Invasion RPG
- DMマップに大量に出現するMonsterを倒してキャラクタの性能を成長・変化させたり、特定の銃器をドロップアイテムでカスタマイズすることができるMOD。