Fly Me to the Moon
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『Fly Me to the Moon』(フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン) とはジャズのスタンダードナンバーの内の一つ。日本語に訳すと「私を月に連れてって」と言う意味になる。現在でもジャジーなアレンジで演奏される場合も多いが、ジャズ以外のアレンジで演奏される場合も同じくらい多い。そのためか英語版Wikipediaでは"popular pop music standard"と紹介されている。
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[編集] 楽曲について
この楽曲は1954年にバート・ハワード (en) によって作詞・作曲され、ケイ・バラードのヴォーカルで録音された。ただしこの時に作られた曲は『In Other Words』(意: 「言い換えると」)と言うタイトルで楽譜が3拍子で書かれており、現在私たちが耳にする『Fly Me to the Moon』とは装いをかなり異にしていた。この「In other words」という台詞は歌詞の中にも登場する。又『Fly Me to the Moon (In Other Words)』というタイトルで楽曲をカバーするアーティストもいる。
1956年にはポーシャ・ネルソンのアルバム『Let Me Love You』に収録された。同じ年に、ジョニー・マティスがこの曲を収録する際に初めて『Fly Me to the Moon』の題が登場した。
現在私たちが耳にする『Fly Me to the Moon』が完成するのは1962年の事である。ジョー・ハーネルが4拍子のボサノバ風に書き直した曲が、現在よく知られている『Fly Me to the Moon』である。その後フランク・シナトラがカバーして爆発的なヒットになった。ヴォーカルナンバー以外でもインストナンバーとしても知られ、オスカー・ピーターソン等のジャズ・アーティストが演奏している。
シナトラがこの曲を発表した1960年代、アメリカ合衆国はアポロ計画の真っ只中にあって本当に「月に連れて行って」貰えるのは非常に近くまで迫っている未来の出来事であった。そのためこの『Fly Me to the Moon』は一種の時代のテーマソングのように扱われ、これがこの曲のヒットにつながった。実際に1969年アポロ11号によって人類はテレビ画面越しではあるが、「月まで連れて行って」貰う事に成功する。
この曲は非常に多くの歌手がカバーしている事でも知られている。劇中曲として使用されることも多い。アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のエンディング曲としても使われ、当時の若者世代にも人気となった。
また、織田信成 (フィギュアスケート選手)が、この曲をショートプログラムの曲として採用している。
[編集] この曲をカバーした歌手
[編集] 日本人アーティスト
[編集] 海外アーティスト
- ナット・キング・コール (Nat King Cole)
- エラ・フィッツジェラルド (Ella Fitzgerald)
- サラ・ヴォーン (Sarah Vaughan)
- ジョニー・マティス (Johnny Mathis)
- ジャック・ジョーンズ (Jack Jones)
- ウェス・モンゴメリー (Wes Montgomery)
- ダイアナ・クラール (Diana Krall)
- アル・ハート (Al Hirt)
- グルーヴ・アルマダ (Groove Armada)
- ボビー・ダーリン (Bobby Darin)
- ドリス・デイ (Doris Day)
- ポール・アンカ (Paul Anka)
- シャーリー・バッシー (Shirley Bassey)
- トニー・ベネット (Tony Bennett)
- ナンシー・ウィルソン (Nancy Wilson)
- ローラ・フィジィ (Laura Fygi)
- ニーナ・シモン (Nina Simone)
- ヘレン・メリル (Helen Merrill)
- ジュディ・ガーランド (Judy Garland)
- ジュリー・ロンドン (Julie London)
- アニタ・オデイ (Anita O'Day)
- フランク・シナトラ (Frank Sinatra)
- アストラッド・ジルベルト(Astrud Gilberto)
[編集] 劇中で使用された例
- 新世紀エヴァンゲリオン
- スペース・カウボーイ(クリント・イーストウッド監督)
- ウォール街
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- Fly Me to the MoonMP3フォーマット
- Fly Me to the Moon 色彩ハーモニカで遊ばれる