DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件
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DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件 |
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ジャンル | ミステリー |
小説 | |
著者 | 西尾維新 |
出版社 | 集英社 |
発売日 | 2006年8月1日 |
巻数 | 全1巻 |
『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』(デスノート アナザーノート ロサンゼルスビービーれんぞくさつじんじけん)は、2006年8月1日に集英社から発売された西尾維新の小説(ノベライズ作品)。
目次 |
[編集] 概要
当作品は、漫画『DEATH NOTE』(以下・原作)のスピンオフ小説である。語り手は、原作登場のLの後継者候補であるメロ(ミハエル・ケール)。物語は主に南空ナオミの一人称で進んでいく。原作に登場した名探偵L、及びFBI捜査官の南空ナオミを主人公として構成されており、原作で名前の挙がった事件について語られている(太字の人物についてはDEATH NOTEの登場人物を参照)。舞台は、キラ事件以前のロサンゼルス。
同じく西尾維新によるノベライズ作品・『xxxHOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル』(原作はCLAMPの漫画『xxxHOLiC』)(講談社)と同時に刊行された。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
後にロサンゼルスBB連続殺人事件として知られるその事件は、原作第一部の2年前に当たる2002年7月31日、ハリウッドに住む男性、ビリーヴ・ブライズメイドが「絞殺」される事から始まる。
その4日後の8月4日、ダウンタウンに住む少女、クオーター・クイーンが「撲殺」。更にその9日後の8月13日には、ウエストサイドに住む女性、バックヤード・ボトムスラッシュが「刺殺」される。それぞれ、室内の壁に『藁人形』が打ち付けられており、それらは連続殺人事件として捜査・報道される。
第三の殺人が起こった翌日、Lはパソコンの画面越しに「南空ナオミ」に連絡、現場を捜査させる。その中で探偵「竜崎ルエ」と名乗る男と出会った南空は、彼らの助言の元、事件の真相へと近付いていく。
竜崎と共同捜査を始めた南空だが、彼女は第1被害者であるブライズメイトの体に刻まれていた文字らしき物が気に掛かっていた。その事について竜崎に尋ねてみると、それはローマ数字であることが判明した。異常とも言える竜崎の頭の回転力の速さでそのローマ数字を解読し、これが何かのメッセージである事を2人は考えた。
南空がLに定時通信を行った直後、竜崎が新事実を発見したと詰め寄ってきた。自分の大好きな日本漫画がある、と言う竜崎に呆れる南空だったが、竜崎はすでにその全13巻のコミックが2冊抜けている事を把握していた。抜けていた2冊の総ページ数と同じページ数を持つ本と、先ほどのローマ数字を照らし合わせて見ると、そこには第2の被害者であるクオーター・クイーンの名前が記されていた。
[編集] 登場人物
- 南空ナオミ (みそらナオミ)
- FBI捜査官。ある事件における失敗により休職中である。Lよりメールで依頼を受け、通信をとりながら捜査する。バイクが好き。カポエラの使い手。
- 竜崎ルエ (りゅうざきルエ)
- 被害者の両親より依頼を受け、捜査しているという正体不明の私立探偵。かなりの甘党。意味不明な行動が多い。
- L (エル)
- 世界の三大探偵の一人。決して顔を出さず、難事件を解決してきた。この連続殺人事件を南空に依頼する。
- レイ・ペンバー (Raye Penber)
- FBI捜査官。日系アメリカ人。主人公ナオミの同僚であり恋人。
- ビヨンド・バースデイ
- 今回の事件の犯人。先天的な死神の目の持ち主(死神の目の詳細はDEATH NOTE参照)。ワイミーズハウス出身で通称B。Lのデッドコピー。
- ビリーヴ・ブライズメイド
- 第一の被害者。44歳、フリーライター。かなりの几帳面らしく、本棚にはギッシリ本が納まっている。日本の漫画も好きなようだ。
- クオーター・クイーン
- 第二の被害者。13歳の少女。親子二人でアパートに住んでいた。
- バックヤード・ボトムスラッシュ
- 第三の被害者。28歳女性。銀行員。
- メロ (ミハエル・ケール)
- この事件の語り手でありストーリーテラー的存在。
[編集] 事件の概要
- 2002年7月31日
- イニシャルB・Bのビリーヴ・ブラズメイドが殺された。
- 薬品で意識を奪われた後、紐のような物で後ろから首を絞められ死亡。
- 2002年8月4日
- イニシャルQ・Qのクオーター・クイーンが殺された。
- 薬品で意識を奪われた後、硬い棒状の凶器で正面から脳天をかち割られ死亡。
- 2002年8月13日
- イニシャルB・Bのバックヤード・ボトムスラッシュが殺された。
- 手掛かりはなし、失血死。
この三つの事件の共通点は、まず部屋に藁人形が打ち付けられていること。藁人形は第一の現場では四体、第二の現場では三体と、藁人形の数が減っていた。いずれも藁人形は、部屋の正面に打ち付けられていた。次に事件現場は密室で、完全に指紋が拭き取られていた。犯人の指紋だけでなく、家中の指紋も拭き取られており、電球のソケットまで拭き取っている。
また、ロス市警に数日前、難易度の高いクロスワードパズルが送られていた。
[編集] 問題点
- 手記が書かれた時期
- 語り手であるミハエル・ケールは、Lから3つの手柄(ロサンゼルスBB連続殺人事件、欧州バイオテロ事件、ウィンチェスター連続爆弾魔事件)の自慢話を聞いたとされる。しかし彼がいつLから話を聞き、この物語に関する記述をいつ行ったのかは不明で、原作のどの時点であっても、この小説のような記述は残せないという指摘もある(デスノートの事を知っているため、原作第二部時に記述したものだと思えるが、そうなると一人称に差異がある事になる)。
- さまざまな側面からみて、原作の時間軸と成るたけ矛盾が生じない期間は、『第一部から第二部の間』(2004年12月~2007年頃=メロがワイミーズハウスを出所した後)あたりと推測される。ただし、序章で時間の概念を否定することわりともとれる表現(「旧世界のかませ犬」等)が認められるため、原作との整合性よりもエンターテインメント性を重視しているとも考えられる。
- 舞台が2002年のアメリカであるにも関わらず、南空ナオミがツンデレという言葉を知っていた点
- この手記を書いたのはあくまでミハエル・ケールであり、三人称は遍く彼の見解という見方もあり(事実、文中のあちこちに突如として「僕」という一人称が出現している)、ツンデレという表現は彼自身の表現であると捉えるとさほど不自然ではないという指摘もある。
[編集] 余談
- 同日に発刊された『xxxHOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル』第三話に登場する化町婆娑羅(ばけまち ばさら)のイニシャルもB・B。
[編集] 書籍
[編集] 外部リンク
DEATH NOTE | |
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作品: | 漫画 - 映画 - アニメ - 小説 - 音楽 |
関連項目: | 登場人物 - 小畑健 - 大場つぐみ |