鬼ごっこ
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鬼ごっこ(おにごっこ)は、かくれんぼと並んで子供の屋外遊びとしては最もポピュラーなものである。鬼は子を追いかけ、子は鬼から逃げるという単純な図式は、多くの派生した遊びを生み出している。
[編集] ルール
鬼ごっこに明確なルールは存在しないが、一般に遊ばれているルールを総合すると、次のようなものになる。
鬼ごっこは2人以上の参加者によって行われ、1人の鬼(親ともいう)と残りの子に分かれる(人数が多い時は鬼を複数人にすることもある)。最初の鬼はじゃんけんなどによって定めることが多い。
スタートと同時に、子は一斉に鬼から遠く離れるべく逃げ出す。鬼は一定時間(これは開始に先立って参加者間で定められる。たとえば「10数える間」)その場にとどまり、その後で子を追いかける。鬼・子ともに移動は自由だが、逃げる範囲(開始前に「この公園の中」など明確に定められるか、あるいは漠然と不文律的に定められている)を逸脱することは禁じられている。また、自転車など乗り物の利用は禁じられている。鬼は子の体の一部分に触れることで子を捕まえることができる。捕まった子は新たに鬼となり、捕まえた鬼は新たに子となる。これを繰り返すことでゲームは進行する。鬼ごっこのゲーム終了は明確に定められていない。参加者が疲れる、飽きる、家に帰る時間が来る等の理由で自然に終了するのが普通である。成績を定めるような基準はなく、順位の決定などは行われない。
[編集] 派生した遊び
「逃げる - 捕まえる」という関係はかくれんぼの「隠れる - 見つけだす」という関係同様、非常に基本的なものであり、この二つを同時に行う隠れ鬼ごっこというものがある他、この枠組みをアレンジして利用した遊びは非常に多い。たとえば鬼が子を捕まえることができない安全地帯を設ける、というのがその一例で、たか鬼やいろ鬼などの遊びがある。また、前述のかくれんぼと融合して「全員を捕まえる」というのを鬼の最終目的とし、子の側にすでに捕まった仲間を救出する手段を与えたものも多い。たとえば、ケイドロ(あるいは「ドロケイ」、「たんてい」とも)は、鬼を「警察」・子を「犯罪者」に模して互いに複数とし、捕まえた子を「牢屋」に収容するとともに「牢破り」のルールを定めている。こおり鬼は「牢屋」のルールを持たず、捕まえられた子はその場で制止しなくてはいけない。缶けりは、ケイドロの「牢破り」を缶の移動によって表現したものである。また影踏み鬼やしっぽ鬼など鬼が触れられる部分を制限したものもある。
また、増え鬼や手つなぎ鬼など鬼の数が変わるルールもある。これらは体育の授業の一環として行われることも多く、鬼も「今日の日番」とか「体育帽を忘れた人」といった基準で選ばれる。
他にだるまさんがころんだなども鬼ごっこのルールが一部に生かされている。