高所作業車
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高所作業車 (こうしょさぎょうしゃ) とは高所で作業を行うためにその機構を有した特殊車輌並びに建設機械である。リフト車と呼ぶこともある。
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[編集] 主な用途
- 電力や電話会社などでの電気設備(送電線)等の整備・保守、引込線の取り付けなど
- 信号機や街灯などの保守
- 建設現場における溶接・組み付け・塗装等
- 空調設備メンテナンス
- 造園・街路樹整備
- 空港や格納庫等での航空機整備
- 高層住宅での引越し(家財の搬入・搬出)
など。
[編集] 高所作業車の分類
構造による分類方法と、走行方式による分類方法がある。
[編集] 構造による分類
高所作業車の構造として、以下の方式が挙げられる。
- ブーム式
- クレーンのようなブームを備え、その起伏(昇降)・伸縮・旋回による構造。ブームの先に作業床としてバケット(カゴ)が取り付けられており、作業者はバケットに乗って作業に従事する。尚、バケットよりも広く、重荷重に対応したプラットホームを有した機種や、ブームの一部が屈折する機構を有する機種も存在する。主に作業床高さ8m以上のトラック搭載型又は自走式(後述)でよく見られる。
- 垂直昇降式
- プラットホームの垂直昇降による構造。主に作業床高さ2~10mクラスの自走式(後述)でよく見られる。一部の消防本部・局で保有している「レスキュータワー車」はこれを消防用自動車に改装したもので、狭くて通常のはしご車が使えない場所での高所救出に使用される。
[編集] 走行方式による分類
高所作業車は走行方式によっても以下の2種類に分けられる。
- トラック搭載式
- トラックに高所作業のための機構が組み込まれ、公道走行が出来る。拠点から拠点への高速移動が可能。
- 自走式
- 作業床に移動用の走行機構を有したもの。作業現場内での範囲にて走行する。拠点から拠点への移動には、セルフローダー(トラックの一種)等の運搬車輌が必要となる。クローラ式とホイール式から成る。
[編集] 動力源
高所作業車の動力源はバッテリー駆動によるものと、エンジン (主にディーゼルエンジン) 駆動によるものに分類される。主に自走式高所作業車には前者が、トラック搭載式と自走式のうちの大型のものには後者が多く用いられる。また、機種によっては両方を備えたハイブリッド駆動のものもある。
[編集] 高所作業車の運転に必要な資格
公道を走行するもの(主にトラック搭載型)は、道路交通法により、大きさなどの区分で普通自動車または大型自動車となるので、対応した運転免許が必要となる。これとは別に、高所作業車を操作して行う高所作業に従事するには、作業床の高さが10m以上伸びる高所作業車を用いて作業する場合、労働安全衛生法61条(就業制限):施行令第20条の15に基づいた運転技能講習を受講し、修了する必要がある。作業床の高さが10mに満たない機械の場合は特別教育を受講し、修了する必要がある。詳細は高所作業車運転者項を参照されたい。
また、公道を走行する車両は自動車の一種(特種用途自動車=通称8ナンバー車)であるから、ナンバープレートの取得、自動車損害賠償責任保険の加入が必須である。
[編集] メーカー
代表的なメーカーを列挙する。
- 日本
- 日本国外
- JLG(アメリカ合衆国)
- Genie Industries(アメリカ合衆国)