義手
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義手(ぎしゅ)は、義肢の一種。 上肢の切断後、機能・外観の再現を目的に装着する義肢で、目的により、装飾用と作業用に分類される。 身体障害者法による補装具、または労働災害補償として作成する。
装着にいたる原因は先天的なもの(生まれつき)よりも後天的なケースが多く、労災その他の事故による。 実用性がなくとも、とりわけ小指の有無は”縁切り”をさすものとしての認識が強いため、社会が装着を要求するという面もある。
外装にはシリコーン素材による仕上げを行うが、基本的に単色であるため、肌の微妙な変化は再現できない。 血管の浮き出しや手指特有の色の変化を再現、つまり本物そっくりにしたい場合は仕上げを実費負担する必要がある。
[編集] 目的別分類
- 装飾用義手・・・外観の再現
- 作業用義手・・・特定の作業に特化させたもの
装飾用義手は表面をシリコン素材を中心に仕上げ、外観の保持を目的とする。芯材をいれば、指に表情をつけることもできる。一本だけなら、キャップを填めるようにつけることができる。
作業用義手は樹脂を中心に製作し、反対の肩にまでかかるハ-ネス(8の字のたすきがけをイメージ)を利用して、ものをつかむ・はなす(把持)動作を再現する。 肘関節より遠位の切断であれば、手首をアタッチメント式にして、必要な道具を交換したりすることもある。(料理など)
そのほかに、筋肉の収縮に使用される微弱な神経電流を感知し、つかむ・はなすという把持動作をモーター駆動の部品で再現する筋電義手が存在する。筋電の任意検出ができない人には使えないため、万人向けではない。
[編集] 製作部位別分類
- 指 ・・・義指
- 手 ・・・手義手
- 前腕・・・前腕義手
- 上腕・・・上腕義手
- 肩 ・・・肩義手