緑背紙幣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
緑背紙幣(りょくはいしへい)とは、南北戦争中の1862年に発行が認可されたアメリカ合衆国財務省の紙幣の名称である。グリーンバックス (greenbacks) とも呼ばれ、紙幣の裏面が緑色のインキで印刷されていたことが名称の由来である。
南北戦争の戦費調達に困った財務省に対して、連邦議会は1862年2月に1億5000万ドルの合衆国紙幣の発行を認め、同年7月、1863年1月と3月に合計3億ドルの追加発行を認めた。実際には4億3100万ドルが発行された。
緑背紙幣は金もしくは銀の準備をもたず、法貨であると宣言されたにすぎない法定不換紙幣である。緑背紙幣の回収問題はその後20年にわたって激しい政治的論争点となり、結局1878年5月に議会は緑背紙幣の未済額3億4668万ドルを通貨として恒久的に流通させることに決定した。