空島 (ONE PIECE)
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空島(そらじま)は、尾田栄一郎の漫画『ONE PIECE』に登場する架空の島。積帝雲という特殊な雲が海となり、その表面に存在する島々のことである。
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[編集] 概要
到達困難であるため、現在では存在しないものと考えている人が多い。通常は、ハイウエストという地点の頂からたどり着く道が一般航路であり、ルフィたちの辿った突き上げる海流経由の道は「生か死か」という危険な航路であるため、最近はこの進路で白海へやってくる船はほとんどいない。ただし、別の経路(「ハイウエストの頂」経由)の場合、100人で空を目指しその何人かが生き残って到達するという賭けになってしまう(サンジが、グランドラインに入る際、リヴァースマウンテンにて、「半分は、死ぬ」と発言したことに似ることから、「ハイウエストは、リヴァースマウンテンと似た構造の道を歩むのではないか?」と見るファンも多い)。突き上げる海流の場合は「全員死ぬか全員生き残るか」の二通りしかない。
白海(7000m上空)の更に上空に白々海(10000m上空)が存在する。高度のために空気濃度も薄く、慣れるまで青海(通常の海)にいた人間の運動能力は極端に落ちる。ラピュータ島が元ネタと思われる。
[編集] おもな空島
[編集] スカイピア
代々「神」と呼ばれる首長を据え共和制をとるが、ルフィたちが訪れた当時は共和制が崩壊し、恐怖政治が横行していた。一方、青海に存在した島「ジャヤ」の一部が突き上げる海流(ノックアップストリーム)により白海へと突き上げられたことから、スカイピアの者はヴァース(大地)を手中に収めることを目的とし、シャンディアは故郷の奪還と黄金の大鐘楼「シャンドラの灯」をめぐって400年間戦争を繰り広げていた。後にルフィ達の力で双方ともに和解し、エネルの襲撃による雷迎によってエンジェル島は跡形も無く消滅させられたため、現在共同で神の島(アッパーヤード)で暮らしている。
空島の住人の一部は、頭に天然アドバルーン・ヘア、背中に羽のようなものがついており、「へそ」と意味不明な挨拶をする。貝(ダイアル)の原産地でもある。スカイピアの通貨単位は「エクストル」で、青海の通貨単位であるベリーに換算すると「1ベリー」=「1万エクストル」となる。入国には一人10億エクストル(10万ベリー)が必要。また、青海には「雲の果て(クラウド・エンド)」という地点から戻ることができる(その際には空島名物「タコバルーン」などで安全に降下する必要がある)。
[編集] 天の裁き
「天の裁き」 | 対象 | 刑罰 |
---|---|---|
第1級犯罪 | 神官に手を下すこと | 全能なる“神・エネル”に対する「宣戦布告」とみなされる。 |
第2級犯罪 | ホワイトベレーに対する傷害・反逆 | “神の島(アッパーヤード)”の神官により裁かれる。 |
第5級犯罪 | ホワイトベレーに対する公務執行妨害 | “雲流し”と呼ばれる死刑に処せられる。 |
第9級犯罪 | 空島での窃盗 | 不明 |
第10級犯罪 | 青海人による器物損壊罪 | 不明 |
第11級犯罪 | 不法入国 | 入国料10倍増し。一人100億エクストル(100万ベリー)を払わなければならない。 |
[編集] ビルカ
はるか南に位置した空島で、エネルの故郷。6年前、エネルによって突如跡形もなく消滅した。
[編集] 人物
人物名の横の()内はテレビアニメにおける声優名である。
[編集] スカイピア
- ガン・フォール(空の騎士)(八奈見乗児)
- フリーの傭兵 元「神」
- スカイピアの住人の事を深く思うと同時にシャンドラの事情も理解しようとする優しさと責任感に溢れた人物。かつてスカイピアの「神」であったがエネルに神の座を追われ、エネルに反逆した者の脱走を助けるためにフリーの傭兵となる。老人ではあるが、傭兵になってからは常に甲冑を装備しており、戦闘では若者顔負けの力を発揮する。相棒は、動物系悪魔の実「ウマウマの実」を食べた鳥ピエール(中井和哉)。ルフィやウソップから「変なおっさん」、ナミからは「変な騎士」、チョッパーから「空の騎士」と呼ばれる。エネル撤退後、スカイピアとシャンディアの両陣営からの支持で再び神の座についた。本人いわく、20年前に空島にやって来た海賊王ゴール・D・ロジャーとは親友だったとのこと。カボチャジュースが好物。空島編終了後の外伝では甲冑を脱ぎシャンディア酋長とカボチャのジュースを飲む姿が確認されているが、傍らに武器のジャベリンがある事から傭兵は辞めてない模様。
- コニス(高橋理恵子)
- スカイピアの住人
- 心優しい少女。常にペットの雲ギツネであるスー(岡村明美)を連れている。美しい弦楽器の演奏を奏でることができる。空島に到着したばかりのルフィ達に、空島について色々教えた。一度は保身のために、麦わら海賊団を止むを得ずエネルに売り渡そうとするものの、その痛んだ心を彼らに救われる。その後、エネルの凶行からスカイピアの民を救うべく、彼らに雲の果て(クラウド・エンド)への脱出を促す説得をするまでの精神的な成長を遂げている。ガン・フォールを「神さま」と慕っていた。
- パガヤ(大場真人)
- コニスの父 「貝船」のエンジニア
- 非常に腰が低い人物で、口癖は「すいません」。娘のコニスに「父上」と呼ばれている。穏やかな雰囲気とは裏腹に、かなり騒々しい仕様の貝船を乗り回す。コニスを庇って神の裁きを受けたが、奇跡的に生還。
- アマゾン(山本圭子)
- 「天国の門」監視官(不法入国者撮影係)
- 小柄でいかつい老婆。入国希望者は1人当たり10億エクストル(10万ベリー)払わなければならないが、たとえ払わなくても通してくれる(ただし不法入国者として即通報)。
- マッキンリー(園部啓一)
- スカイピア警察「ホワイトベレー部隊」隊長
- 不法入国者の取り締まりをしている。ホワイトベレーは、元々ガン・フォールに仕えていた「神隊」の者たちによって構成されているため、ガン・フォールに対して忠誠が厚く、エネルに対して不信感を持っていた。しかしそれでも住民達の平和を守るという目的のためエネルに従ったと言う正義感あふれる男。最後にはエネルを裏切り、コニスに協力した。
- ノラ(ウワバミ)(高塚正也)
- 空の主で、牙に毒を持った蟒蛇。カシ神の孫にあたる。お酒を飲むと陽気な性格になる。何故かまぶたがあり(蛇には普通まぶたはない)、それを内側から持ち上げる事が出来る。400年前にノーランドやカルガラ、セト達と仲良くなるが、ジャヤが突き上げる海流(ノックアップストリーム)により空に来てからは思い出の地に住んでいて、ずっと独りぼっちだった。長い年月をかけて遺跡の一部などを呑み込んでおり、麦わら海賊団はその腹の中から3億ベリー分の財宝を手に入れた。
[編集] 神の軍勢
- エネル(神(ゴッド)・エネル)(森川智之)
- 自称・スカイピア唯一神
- 仏教(仏、仏像)をモチーフにしたような風貌の男。やたらと長い耳たぶが特徴。笑い声は「ヤハハハ」。6年前に故郷であるビルカを消し去り、兵を率いてスカイピアを襲撃、ガン・フォールから神の地位を奪取し、恐怖による統制でスカイピアを支配していた。還幸を望み、ビルカに伝わる伝説の神の住む土地「限りない大地(フェアリー・ヴァース)」を目指すため、神隊を使って黄金の方舟「マクシム」を作らせた。自然系悪魔の実「ゴロゴロの実」の能力者であり、"雷"の力を自在に操る(金属に電気を溜め込み、熱エネルギーにも変換できるようだ)。その上、彼の心網(マントラ)は能力との連動で有効範囲が非常に広く、個人を特定することも出来るなど凄まじい戦闘力を誇るが、ゴム人間であるルフィには雷の力が効かないため一気に劣勢。さまざまな策略で逃れようと足掻くも、激闘の末ルフィの渾身の一撃を食らい倒される。しかし最後の力を振り絞りマクシムで月の「限りない大地(フェアリー・ヴァース)」へ旅立つ。その際大気圏を脱したことから、色々な旅立ち方が推測できる。ちなみに彼の外見は、エミネム(作者尾田栄一郎がファンだと公言)を元にしたとも言われている。SBSによれば、地上にくればその能力の厄介さから5億ベリーはかたいとの事だが、天下は取れない模様。
- サトリ(森のサトリ)(高戸靖広)
- (生存率10%の)「玉の試練」の神官
- 「びっくり雲」と「衝撃貝」の使い手で、ルフィ・ウソップ・サンジを慣れない空の戦闘で苦しめたが、最後はサンジに倒された。
- シュラ(スカイライダー・シュラ)(太田真一郎)
- (生存率3%の)「紐の試練」の神官
- 「紐雲」と、「熱貝」を仕込んだ火の槍(ヒートジャベリン)の使い手。移動の時は、「炎貝」を口に含ませた三丈鳥フザ(高塚正也)に乗る。サバイバル開始直後にシャンディアを紐の試練にはめるもワイパーに排撃貝で倒された。
- ゲダツ(空番長・ゲダツ)(高塚正也)
- (生存率50%の)「沼の試練」の神官
- 「沼雲」と「噴風貝」の使い手。自分が沼雲に落ちた時の脱出用「沼雲仕様雲貝」付き靴を履いている。うっかり屋な性格で、「うっかり」と自分でも言う(「沼の試練」が、生存率50%の理由も「うっかり」敵を見逃すことがあるかららしい)。必死に奮闘したチョッパーに倒され雲流しにされた際、青海の「温泉島」に落ちてしまい、そこで「青海の番長」になると決めたが、番頭を番長と勘違いし現在はアラバスタで「うっかり温泉」の番頭を務めている。
- オーム(空の畜産家(スカイ・ブリーダー)のオーム)(竹本英史)
- (生存率0%の)「鉄の試練」の神官
- 「鉄雲」の使い手。「鉄雲」を「雲貝」に溜め、それを剣に仕込んだものが武器。ペットは、ホーリー(龍谷修武)という「拳闘」と「二足歩行」を叩き込んだ巨大な犬。鉄の試練によりチョッパーを倒すも、上層遺跡で激闘を繰り広げ、最終的ゾロに倒された。
- ヤマ(宇垣秀成)
- スカイピア神兵長
- 掛け声は「メ~~~!」。「斬撃貝」の使い手で、巨体を生かした攻撃をする。遺跡に対してあまり尊敬しているところが無かったためロビンの怒りを買い、徹底的に圧倒され、崖から落とされ惨敗。
- ホトリ(高戸靖広)&コトリ(高戸靖広)
- スカイピア副神兵長
- サトリとは三つ子の兄弟(サトリが長男である)。ホトリは「炎貝」と「斬撃貝」を、コトリは「衝撃貝」と「匂貝(屁がためてある)」を駆使して攻撃する。ナミとガン・フォールの奮闘により倒された。
- 神兵(中尾良平 濱野雅嗣 藤本たかひろ)
- ヤマの部下。総勢50名
- 全員が「斬撃貝」の使い手。口癖は「メ~」。ヤギの角と耳の様な頭部の装いをしている。
[編集] シャンディア
- ワイパー(戦鬼ワイパー)(相沢正輝)
- シャンドラの戦士
- 狙ったものを消失させる燃焼砲(バーンバズーカ)と、諸刃の剣である「排撃貝」を駆使して戦う。好戦的な性格で、空島に来たばかりの麦わら海賊団を襲ったのも彼。仲間からも鬼のように恐れられているが、それは命を捨てても先祖である大戦士カルガラの願いを叶えるためである。また戦闘能力は、空島時点でのルフィやゾロと互角に戦うなどかなり高く、海楼石と排撃貝を駆使してエネルを一度(結果的には無駄だったが)倒している。
- カマキリ(けーすけ)
- シャンドラの戦士
- 槍と大木を一振りで焼き斬る燃焼剣(バーンブレード)を使ってエネルと戦うが敗れる。
- ブラハム(乃村健次)
- シャンドラの戦士
- 銃撃と同時に光を放つ閃光銃(フラッシュガン)を使ってゾロを苦しめるが敗れる。帽子を被っており目元がよく見えない。
- ゲンボウ(龍谷修武)
- シャンドラの戦士
- 鉄の玉を飛ばす大砲を使って神兵長ヤマと戦うが敗れる。
- ラキ(富沢美智恵)
- シャンドラの女戦士
- 男勝りで勇敢だが心優しく、アイサを妹のように可愛がっている。
- アイサ(鈴木真仁)
- 生まれつき心綱(マントラ)が聞こえる少女
- 青海人を嫌っていたが、あることがきっかけでルフィやナミと仲良くなる。ワイパーが苦手だが、内心は彼を慕っている。
[編集] 400年前のシャンディア
- カルガラ(大戦士カルガラ)(柴田秀勝)
- シャンドラの戦士
- 黄金都市シャンドラを守るために滅んだというわれる一族の末裔で、ワイパーの祖先に当たる。
- 最初は余所者であるノーランドに対して反発するが、ノーランドの真摯な心に打たれ、篤い友情を交わすようになる。だが後、突然の天変地異による異変にて島ごと空島に打ち上げられ、陸地(島)を我が物にせんとする当時の「神」が送り出した兵士と一戦を交え無念の戦死を遂げる。
- ムース(皆口裕子)
- カルガラの一人娘
- 一族一の美女で、謎の奇病(「樹熱」)に倒れる一族の為「神」の生贄にされるところを、ノーランドに救われる。後に、ノーランドに樹熱を治療してもらった少年であるセト(濱野雅嗣)と結婚。