種まき権兵衛
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種まき権兵衛(たねまきごんべえ、?年 ~ 元文元年 12月26日(1737年1月26日))は、三重県北牟婁郡紀北町海山区に伝わる民話。これをもとにした権兵衛の種まき(ごんべえのたねまき)は中部地方に伝わる民謡。またことわざのひとつでもある。
[編集] 民話
権兵衛は当地の武士の家に生まれたが、父の上村兵部の死後は武士の身分を捨て、父の望みであった農家となり荒地の開墾をはじめた。
しかしもともと武士であった権兵衛には何もかもが初めてのこと。慣れない手つきで見よう見まねの農作業は、種をまくそばからカラスに食べられてしまうほどで、近隣の農家の笑いものになっていた。
それでもあきらめず懸命に農業を続けた権兵衛は、やがて村一番の農家になっていたという。
権兵衛は狩猟の腕にも秀でており、その評判は紀州藩主の耳に届くほど。藩主の前で見事3発の弾を標的に命中。藩主が褒美に田を与えようとしたところ、権兵衛はこれを辞退し、代わりに村人の年貢を免じてもらって村人から喜ばれた。
狩猟の腕に自信の権兵衛、馬越峠(まごせとうげ)に大蛇が出ると聞くと、大蛇を退治するべく猟銃を持って山に入った。
見事大蛇を仕留めたものの、彼自身も大蛇の毒液を浴びてしまい、村人の介抱もむなしく1736年(元文元年)12月26日に死去した。
[編集] 民謡
民話の一部、権兵衛の慣れない農業で種をカラスに食べられてしまう逸話をもとにした民謡である。もとになった民話よりも広範囲に伝わっており、中部地方各地で秋祭りの踊りとして使われている。民話は知らずとも民謡は知っているという人も多い。
[編集] ことわざ
(まいた種をカラスに食べられてしまうことから)努力が実らないこと、無駄なことの意。