目出し帽
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目出し帽 (めだしぼう)は、頭部、顔面、頸部を防寒・保温目的で着用する衣類の一種である。視界を確保する必要性から、眼の部分は空けてある。つばの付いたものもあり、帽子の一種と分類されることもある。目の部分の窓を口の下まで引き伸ばして使用する場合も多い。自衛隊では「顔面覆」と呼んでいる。深さは首をすっかり覆ってたっぷり余るぐらいのものから顔と後頭部を完全に覆うに足るだけのものまであるが、概して厚手のものは深い。比較的暖かいときには目から下の部分を折り返し、またはまくり上げて着用される。
初めて使われた地名から「バラクラバ(バラクラヴァ)」とも呼ばれる。2006年6月21日放送の「トリビアの泉」で、『銀行強盗がかぶっている覆面の名前は「バラクラバ」』というトリビアが紹介され、78へぇを獲得し「金の脳」を獲得した。
[編集] 素材
防寒と保温、体に密着する必要性、着脱を容易にする必要性から、伸縮性のある毛糸が用いられる。
[編集] 発祥
クリミア戦争(1853年~1856年)中の1854年10月、東ヨーロッパの黒海に面した町バラクラバでイギリス軍とロシア軍が争ったバラクラバの戦いにおいて、寒冷な気候の戦地に出兵するイギリス兵のために妻たちが顔ごと覆う手編みのウールの帽子を持たせた。その帽子を被って戦った地名から「バラクラバ」と呼ばれ世界的に広まった。