法の書
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『法の書』(LIBER AL vel LEGIS)とはアレイスター・クロウリーによって著された魔術書。
1904年4月8日から4月10日にかけて、守護天使エイワスによって伝授されたとされる。
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[編集] 著された経緯
1903年、ローズ・ケリーと結婚したクロウリーは旅先のセイロンで妻の妊娠を知り、急遽イギリスへと帰国する事にした。その途上、1904年2月に立ち寄ったエジプト・カイロで法の書が著される事となる。
3月14日、クロウリーは妻に魔術を見せてやろうとあるアパートの一室で空気の精を召喚する魔術を行った。しかし空気の精は現れず、その代わりにローズが神懸りの状態になり「彼らは貴方を待っています」と告げた。
何かがあると直感したクロウリーはそれからも儀式を継続して行い、4月8日の正午のホルス召喚の儀式の後、ついに「声」がクロウリーに「書」を告げ始めた。
以上のことは様々な書物に記されている事であり、ここでは特に日本語訳「法の書」(国書刊行会・刊)に掲載されている文章を引いた。
[編集] 内容
この書物の内容は極めて難解なものであり、筋道だって語られたものではない。
有名な文言「汝の欲するところを行え。それが法の全てとならん」に代表されるように、キリスト教的倫理観を排斥し、自己の欲望をさらけ出すべきだと主張している。
また一部には聖母マリアやマホメットを辛辣に攻撃している部分もある。
全体的に象徴的な文章で占められているが、中には具体的な指示を出している文章もある。特に「法の書を刊行する時には書の内容と共にそれを手に入れるに至った一部始終、それを書いたインクと紙の複製を付し、それに関するクロウリーの注解を添えて、赤と黒のインクで印刷しなければならない」という部分については、日本語版においても忠実に守られているといえよう。
[編集] 刊行
[編集] 備考
この書物を開封した九ヵ月後には様々な災厄、大戦争、天変地異が起こるとされている。 そのためか、日本語版では最初にその旨を伝える封印が施されている。