旧ソ連の航空機設計局 (航空機)
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旧ソ連及びロシア、ウクライナ等の航空機設計局は、他の例に漏れず、実にさまざまな日本語表記がなされてきた。このページではその例を挙げると共に表記の統一を図り、我々の理解一般と検索の利便性を向上することを目的とする。なお、以下はさしあたって主なものだけ示してある。
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[編集] 凡例
- 太字は表記上望ましいと考えられる表記(一般への普及度により望ましいものとは必ずしも一致しない)、細字は従来なされてきた主な表記(太字のものと一致する場合は省略)とし、その後にローマ字による略号を示す。
- ()内は、現在ロシアに属するものに関してはロシア語、ウクライナに属するものはウクライナ語とロシア語で表記し、近似の読みガナをつける。
- 「設計局」(OKB;ОКБ)等の表記は省略する。ロシア語・ウクライナ語において「設計局」等を表記する際には格変化が生じるため注意(例:Микоян и Гуревич→КБ имени Микояна и Гуревича:「ミコヤーンとグリェーヴィチの名を冠した設計局」の意味)。
[編集] ロシア
- ミコヤンとグリェーヴィチ;ミグ、ミコヤン、ミコヤン・グレヴィッチ、ミコヤン・グレビッチ;MiG(Микоян и Гуревичミカヤーン・イ・グリェーヴィチ、МиГミーク、またはミーグ)
- スホーイ;スホイ;Su(Сухойスホーイ、Суスー)
- トゥーポリェフ;ツポレフ;Tu(Туполевトゥーポリェフ、Туトゥー)
- カーモフ;カモフ;Ka(Камовカーモフ、Каカー)
- ミーリ;ミル;Mi(Мильミーリ、Миミー)
- ヤーコヴリェフ;ヤコヴレフ、ヤコブレフ;Yak(Яковлевヤーカヴリェフ、Якヤーク)
- ラーヴォチュキン;ラヴォーチキン、ラボーチキン;La(Лавочкинラーヴァチュキン、Лаラー)
- グトコーフ;グドコフ(Гудковグトコーフ、Гуグー)
- ラーヴォチュキン・ゴルブノーフ・グトコーフ;LaGG(Лавочкин, Горбунов, Гудковラーヴァチュキン・ガルブノーフ・グトコーフ、ЛаГГラーックまたはラーッグ)
- ポリカールポフ;ポリカルポフ;Po;(Поликарповパリカールパフ、Поポー)
- イリユーシン;イリューシン;Il(Ильюшинイリユーシン、Илイール)
- ビェリーイェフ;ベリエフ(Be;Беビェー)
- ミャスィーシチェフ、ミャスィーシシェフ;ミヤシシュチョフ、ミヤシシュチェフ、ミャシーシェフ、ミシーシェフ;M(Мясишевミスィーシチェフ、Мエーム)
- ペトリャコーフ;ペトリャコフ、ペトリヤコフ、ペトリアコフ;Pe(Петляковピトリコーフ、Пеピェー)
- スィコールスキイ;シコルスキー;S(Сикорскийスィコールスキイ、Сエース)
- アナトラ(Анатра)
- アルハーンゲリスキイ(Архангельскийアルハーンギェリスキイ)
- ロース・アエロプログレス(РОС-Аэропрогрессロース・アエラプラグリェース)
- ヴァフミストローフ(Вахмистровsmall>ヴァフミストローフ)
- グリゴローヴィチ(Григоровичグリガローヴィチ)
- グルーシン(Грушинグルーシン)
- デメーンチエフ(Дементьевヂミェーンチイェフ)
- エルモラーエフ;イェルモラーイェフ(Ермолаевイルマラーイェフ)
- クルィローフ(Крыловクルィローフ)
- カリーニン(Калининカリーニン、Кカー)
- リスノーフ;リスノフ(Лисунов)
- レーベヂェフ(Лебедевリェービェヂェフ)
- ネーマン(Неманニェーマン)
- トマーシェヴィチ(Томашевичタマーシェヴィチ)
[編集] ウクライナ
※(ウクライナ語;ロシア語)
- アントーノフ;アントノフ;An(Антоновアントーノフ、Анアーン;アントーナフ、アーン)
- スィコールスィクィイ;シコルスキー;S(Сикорськийスィコールスィクィイ、Сエース;Сикорскийスィコールスキイ、Сエース)
[編集] 表記上の問題点
[編集] 問題点
- これまで様々な表記がなされてきたため情報が混乱している。
- ロシア語に関しては、表記と発音が著しく異なる。
- 原語文字の発音に近いカタカナ表記をすると、日本語として「成立」しなくなる場合が多い。
- 慣例的に用いられてきた表記や近年「改善」された表記が原語の読みと比べて適切でないと思われる場合が多い。また、他言語の日本語表記(カタカナ表記)に比べ、特にロシア語の日本語表記は改善の度合いが低い。
- 突然「望ましい」表記に切り替えると、従来表記とのずれから大きな混乱が生じる。また、インターネット検索でも不便である。そのため「望ましい」表記は実用上あまり望ましくないとも言える。
- ロシア語等の日本語表記に関するガイドラインがない。
[編集] 一応の解決
- 表記の統一が必要。
- 他分野では伝統的に表記に合わせたカタカナ表記がなされてきた。また、発音に合わせた表記をするとアルファベット綴りが推測しがたくなるなど大きな問題がある。そのため、航空機分野においても原語表記に合わせたカタカナ表記が望ましいと考えられる。
- なるべく原語文字の発音に近いカタカナ表記を優先するが、日本語として「読める」範囲内に収める。
- 今後改善が必要。
- 様々な表記の併記とその説明を記載することが最善であると思われる。
- 他分野における表記を参考にするより他ない。特に、ロシア方面に関する専門的分野における表記や、国名や地名等に関しては政府機関等における表記を参考にするのが望ましいと思われる。
[編集] その他
- アクセントは長音記号「ー」で示す。「Й」を「ー」で記すことは混乱を避けるためしない。
- 各文字のカタカナによる変換の統一を心掛ける。「Е」と「Є」は「イェー」、「Й」は「イ」、ロシア語の「Щ」は「シチャーまたはシシャー(シチまたはシシ)」、ウクライナ語の「Щ」は「シュチャー(シュチュ)」、「Ш」は「シャー(シュ)」、「Ч」は「チェー(チュ)」、「Ж」は「ジェー(ジュ)」、「Ї」は「イィー」、「Ы」とウクライナ語の「И」は「ウィー」、「В」は「ヴェー(ヴ)」が原則とする。
- 子音の濁・清音は変化させるが、母音は文字の発音どおり記す。
- 「СИ」は「スィ」と記すが、日本語の表記上「シ」でも構わないと考える。「СЫ」は「スィ」とする。
- 「ТЫ」などは「トィ」などと記すが、「ВЫ」などは「ヴィ」と記す。
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