Privacy Policy Cookie Policy Terms and Conditions 日本の哺乳類 - Wikipedia

日本の哺乳類

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日本の哺乳類(にほんのほにゅうるい)、すなわち、日本に生息する野生哺乳類について記す。

目次

[編集] 概論

日本列島アジア大陸に隣接した島嶼(とうしょ)群であり、氷河期大陸から移入した生物が孤立個体群として独自に進化を遂げてきた。また、南北に3,000kmと長く、3,000m以上の高山地帯をもつため、亜寒帯から亜熱帯までの多様な環境が含まれる。このような背景のもと、日本に生息する100種強のうち3割を超える固有種、7属の固有属による、多様かつ独特の哺乳類相が存在している。 日本の哺乳類相は、北海道本州の間にあるプラキストン線、トカラ列島南西諸島の間にある渡瀬線で区切られており、これらを境に、異なる動物群が生息している。

[編集] 一覧

【凡例】
帰化、人為移入種:野生化した家畜
:北海道 / :本州・四国九州:島嶼部
(南):南西諸島 (対)対馬 (小)小笠原諸島 (沖)沖縄本島 (西)西表島
(屋)屋久島 (種)種子島 (馬):馬毛島 (佐)佐渡島 (先)先島諸島
(隠)隠岐諸島 (慶)慶良間列島 (尖)尖閣諸島 (竹)竹島
:海洋
環境省によるレッドリスト(1998)での絶滅危惧種等のカテゴリー:
絶滅 (EX):絶滅(EX) / 絶危IA (CR):絶滅危惧 I A類 (CR) / 絶危IB (EN):絶滅危惧 I B類 (EN) /
絶危II (VU):絶滅危惧 I I 類 (VU) / 準絶危 (NT):準絶滅危惧 (NT) / 情報不足 (DD):情報不足 (DD)
※ クジラ目・ジュゴン目は対象外。
:日本の固有種・固有亜種
天然記念物特別天然記念物:国が指定する天然記念物・特別天然記念物。(哺乳類天然記念物一覧も参照)


[編集] モグラ目(食虫目) Insectivora

〔在来2科・移入1科:計3科〕

  • トガリネズミ科 Soricidae
    • (チビトガリネズミ Sorex minutissimus
      • トウキョウトガリネズミ(亜種) S.m.hawkeri 【北/絶危II (VU)】 世界最小の哺乳類の1つ。
    • ヒメトガリネズミ(カラフトヒメトガリネズミ)   Sorex gracillimus 【北】
    • (アズミトガリネズミ Sorex hosonoi 【本/】)
      • アズミトガリネズミ(亜種) S.h.hosonoi 【本/準絶危 (NT)
      • シロウマトガリネズミ(亜種) S.h.shiroumanui 【本/準絶危 (NT)
    • (バイカルトガリネズミ(トガリネズミ)   Sorex caecutiens
      • エゾトガリネズミ(亜種)   S.c.saevus 【北】
    • (シントウトガリネズミ Sorex shinto) 【】 バイカルトガリネズミ S.caecutiens の亜種とする説もある。
      • ホンシュウトガリネズミ(亜種)   S.s.shinto 【本】
      • シコクトガリネズミ(亜種)   S.s.shikokensis 【本】
    • オオアシトガリネズミ   Sorex unguiculatus 【北】
    • サドトガリネズミ Sorex sadonis 【島(佐)/準絶危 (NT)
    • (ジャコウネズミ   Suncus murinus
      • 】 ジャコウネズミ Suncus murinus 【本】 長崎県・鹿児島県。15世紀以前の熱帯アジアからの移入種か。
      • リュウキュウジャコウネズミ(亜種)   S.m.temmincki 【島(南)】
    • カワネズミ Chimarrogale platycephala 【本/】 大陸に広く分布する C.himalayica と同種とする説もある。
    • (ジネズミ(ニホンジネズミ) Crocidura dsinezumi ほぼ【】)
      • サイゴクジネズミ(亜種)   C.d.dsinezumi 【本】
      • ホンシュウジネズミ(亜種)   C.d.chisai 【本】
      • タネジネズミ(亜種)   C.d.intermedia 【島(種)】
      • オキノシマジネズミ(亜種)   C.d.okinoshimae 【島(西)】
      • ヤク(シマ)ジネズミ(亜種)   C.d.umbrina 【島(屋)】
    • (コジネズミ Crocidura suaveolens
      • チョウセンコジネズミ(亜種) C.s.shantungensis 【島(対)/準絶危 (NT)
    • ワタセジネズミ Crocidura watasei 【島(南)/準絶危 (NT)】 かつてはオナガジネズミ C.horsfieldii の亜種とされた(レッドリストにも C.h.watasei として記載)。
    • オリイジネズミ Crocidura orii 【島(南)/絶危IB (EN)奄美諸島(奄美大島と徳之島)の固有種。
  • モグラ科 Talpidae
    • ヒメヒミズ   Dymecodon pilirostris 【本/
    • ヒミズ   Urotrichus talpoides 【本・島(対)/
    • (ミズラモグラ Euroscaptor mizura 【本/】)
      • ヒワミズラモグラ(亜種) E.m.hiwaensis 【本/準絶危 (NT)
      • フジミズラモグラ(亜種) E.m.mizura 【本/準絶危 (NT)
      • シナノミズラモグラ(亜種) E.m.ohtai 【本/準絶危 (NT)
    • アズマモグラ   Mogera imaizumii 【本・島(対・種・屋)/
    • コウベモグラ   Mogera wogura 【本】
    • (サドモグラ Mogera tokudae 【本・島(佐)/】 佐渡島と越後平野。)
      • エチゴモグラ(亜種) M.t.etigo 【本(新潟県)/絶危II (VU)】 越後平野。M.etigo として別種とする説もある。
      • サドモグラ(亜種) M.t.tokudae 【島(佐)/準絶危 (NT)
    • センカクモグラ   Nesoscaptor uchidai 【島(尖)/絶危IA (CR)1976年採取、1991年新種認定。標本は魚釣島で捕獲された1体のみ。
  • ハリネズミ科 Erinaceidae
    • 】 ナミハリネズミ Erinaceus europaeus 【本】 ペットが神奈川県など各地で野生化。

[編集] コウモリ目(翼手目) Chiroptera

〔在来5科〕

  • オオコウモリ科 Pteropodidae
    • (クビワオオコウモリ   Pteropus dasymallus
      • エラブオオコウモリ(亜種)   P.d.dasymallus 【島(南)/絶危IA (CR)天然記念物
      • ダイトウオオコウモリ(亜種)   P.d.daitoensis 【島(南)/絶危IA (CR)天然記念物
      • オリイオオコウモリ(亜種)   P.d.inopinatus 【島(南)】
      • ヤエヤマオオコウモリ(亜種)   P.d.yayeyamae 【島(南)】
    • オガサワラオオコウモリ   Pteropus pselaphon 【島(小)/絶危IA (CR)天然記念物
    • オキナワオオコウモリ Pteropus loochoensis 【島(沖)/絶滅 (EX)】 19世紀に3-4頭の採取記録。
  • キクガシラコウモリ科 Rhinolophidae
    • コキクガシラコウモリ   Rhinolophus cornutus 【北・本・島(対・南)】
      • オリイコキクガシラコウモリ(亜種)   R.c.orii 【島(奄美大島)/絶危II (VU)
    • オキナワコキクガシラコウモリ Rhinolophus pumilus 【島(南)/
      • オキナワコキクガシラコウモリ(亜種) R.p.pumilus 【島(南)/絶危IB (EN)
      • ミヤココキクガシラコウモリ(亜種) R.p.miyakonis 【島(宮古島)/絶危IA (CR)
    • ヤエヤマコキクガシラコウモリ Rhinolophus perditus 【島(先)/】 石垣島・西表島。
      • ヤエヤマコキクガシラコウモリ(亜種) R.p.perditus 【島(先)/絶危IB (EN)】 石垣島・西表島。
      • イリオモテコキクガシラコウモリ(亜種)   R.p.imaizumii 【島(西)/絶危II (VU)
    • キクガシラコウモリ   Rhinolophus ferrumequinum 【北・本・島(対)】日本に分布するものをニホンキクガシラコウモリ R.f.nippon という亜種とする場合もある。
  • カグラコウモリ科 Hipposideridae
    • カグラコウモリ Hipposideros turpis 【島(南)/絶危IB (EN)】 ほぼ固有種だが、タイ南部にも飛び地的に分布。
  • ヒナコウモリ科 Vespertilionidae
    • (ヒメホオヒゲコウモリ Myotis ikonnikovi 【北・本】)
      • シナノホオヒゲコウモリ(亜種)   M.i.hosonoi 【本(長野県)/絶危IB (EN)
      • ヒメホオヒゲコウモリ(亜種)   M.i.ikonnikovi 【北/絶危IB (EN)
      • エゾホオヒゲコウモリ(亜種)   M.i.yesoensis 【北/絶危IB (EN)
      • フジホオヒゲコウモリ(亜種)   M.i.fujiiensis 【本/絶危II (VU)
      • オゼホオヒゲコウモリ(亜種)   M.i.ozensis 【本/情報不足 (DD)
    • (ホオヒゲコウモリ   Myotis mystacinus
      • ウスリホオヒゲコウモリ(亜種)   M.m.gracilis 【北/絶危II (VU)
    • (カグヤコウモリ Myotis frater
      • カグヤコウモリ(亜種) M.f.kaguyae 【北・本/絶危II (VU)
    • モモジロコウモリ   Myotis macrodactylus 【北・本】
    • (ドーベントンコウモリ   Myotis daubentonii
      • ウスリドーベントンコウモリ(亜種)   M.d.ussuriensis 【北/絶危II (VU)
    • クロホオヒゲコウモリ Myotis pruinosus 【本/絶危IB (EN)
    • ヤンバルホオヒゲコウモリ Myotis yanbarensis 【本/絶危IA (CR)1997年発見、1998年新種認定。
    • (ノレンコウモリ(タイリクノレンコウモリ)   Myotis nattereri
      • ホンドノレンコウモリ(亜種)   M.n.bombinus 【北・本/絶危IB (EN)
    • (クロアカコウモリ   Myotis formosus
      • ツシマクロアカコウモリ(亜種)   M.f.tsuensis 【島(対)/情報不足 (DD)
    • モリアブラコウモリ Pipistrellus endoi 【本/絶危IB (EN)
    • (オオアブラコウモリ Pipistrellus savii 【北・本・島(対)】 6例のみ。いずれも大陸からの迷行と思われる)
      • クロオオアブラコウモリ(亜種) P.s.velox 【北・本(青森県)/情報不足 (DD)】 4例のみ。大陸からの迷行と思われる。
      • コウライオオアブラコウモリ(亜種) P.s.coreensis 【島(対)/情報不足 (DD)】 2例のみ。大陸からの迷行と思われる。
    • アブラコウモリ(イエコウモリ)   Pipistrellus abramus 【本・島(対・南)】 史前帰化動物。本種を日本固有種とし、アジア大陸に分布するものを P.javanicus という別種とする説もある。
    • オガサワラアブラコウモリ   Pipistrellus sturdeei 【島(小)/絶滅 (EX)】 19世紀末に母島で採取された1例のみ。
    • コヤマコウモリ   Nyctalus furvus 【本/絶危IB (EN)】4例のみ。ヨーロッパヤマコウモリ Nyctalus noctura と同一種とする場合もある。
    • ヤマコウモリ(ニホンヤマコウモリ)   Nyctalus aviator 【北・本・島(対・南)/絶危II (VU)
    • (ヒメホリカワコウモリ   Eptesicus nilssonii
      • ヒメホリカワコウモリ(キタクビワコウモリ)(亜種)   E.n.parvus 【北/絶危IB (EN)
    • クビワコウモリ   Eptesicus japonensis 【本/絶危IB (EN)
    • ヒナコウモリ   Vespertilio superans 【北・本/絶危II (VU)
    • チチブコウモリ Barbastella leucomelas 【北・本/絶危II (VU)
    • (ウサギコウモリ   Plecotus auritus
      • ニホンウサギコウモリ(亜種) P.a.sacrimontis 【北・本/絶危II (VU)】 亜種として分けず、ウサギコウモリに含める場合もある。
    • リュウキュウユビナガコウモリ(コユビナガコウモリ) Miniopterus fuscus 【島(南)/絶危IB (EN)】 かつては本州にも生息していたと考えられる。1933年、紀伊半島での記録あり。
    • ユビナガコウモリ   Miniopterus fuliginosus 【本・島(対)】
    • (コテングコウモリ   Murina ussuriensis
      • ニホンコテングコウモリ(亜種)   M.u.silvatica 【北・本・島(対)/絶危II (VU)
    • (テングコウモリ   Murina leucogaster
      • ニホンテングコウモリ(亜種)   M.l.hilgendorti 【北・本/絶危II (VU)
    • クチバテングコウモリ Murina tenebrosa 【島(対)/情報不足 (DD)1962年に対馬で発見、1970年新種記載。標本は1点のみ。
    • リュウキュウテングコウモリ Murina rykyuana 【島(南)/絶危IB (EN)1997年発見、1998年新種認定。
  • オヒキコウモリ科 Molossidae
    • (オヒキコウモリ Tadarida insignis
      • オヒキコウモリ(亜種) T.i.insignis 【北・本/情報不足 (DD)】 日本で最大の食虫性コウモリ。
      • スミイロオヒキコウモリ(亜種) T.i.latouchei 【島(奄美大島・口永良部島)/情報不足 (DD)】 2例のみ。独立種とする説もある。

[編集] サル目(霊長目) Primates

〔在来1科〕

  • オナガザル科 Cercopithecidae
    • ニホンザル   Macaca fuscata】)
      • ホンドザル(亜種)   M.f.fuscata 【本/】 種子島には人為分布。下北半島の群れはサル類の世界北限。生息地5か所が天然記念物
      • ヤク(シマ)ザル(亜種)   M.f.yakui 【島(屋)/準絶危 (NT)
    • 】 タイワンザル Macaca cyclopis 【本】 台湾原産。伊豆半島・和歌山県・青森県で野生化。ニホンザルと交雑。
    • アカゲザル Macaca mulatta 【本】 房総半島南部で野生化。ニホンザルと交雑。

[編集] ウサギ目(兎目) Lagomorpha

〔在来2科〕

  • ナキウサギ科 Ochotonidae
    • (キタナキウサギ   Ochotona hyperborea
      • エゾナキウサギ(亜種)   O.h.yesoensis 【北】
  • ウサギ科 Leporidae
    • (ユキウサギ   Lepus timidus
      • エゾユキウサギ(亜種) L.t.ainu 【北】
    • ノウサギ(ニホンノウサギ) Lepus brachyurus 【本/】)
      • トウホクノウサギ(亜種)   L.b.angustidens 【本】
      • キュウシュウノウサギ(亜種)   L.b.brachyurus 【本】
      • サドノウサギ(亜種)   L.b.lyoni 【島(佐)】 国内移入種のホンドテンにより激減。
      • オキノウサギ(亜種)   L.b.okiensis 【島(隠)】
    • イエウサギ(カイウサギ) Oryctolagus cuniculus 【北・本・島】 原種はヨーロッパ・アフリカに分布したアナウサギ。全国の小島で野生化、環境破壊で問題となる。
    • アマミノクロウサギ   Pentalagus furnessi 【島(南)/絶危IB (EN)】 奄美大島・徳之島のみ。移入種のマングースに捕食される。特別天然記念物

[編集] ネズミ目(齧歯目) Rodentia

〔在来3科・移入1科:計4科〕

  • リス科 Sciuridae
    • (ハイガシラリス Callosciurus caniceps
      • 】 タイワンリス(亜種) C.c.thaiwanensis 【本】 台湾南部原産。観光用に放され、神奈川県以西に定着。ニホンリスを圧迫。ツバキ等の食害も。
    • (キタリス   Scriurus vulgaris
      • エゾリス(亜種)   S.v. orientis 【北】
    • ニホンリス   Sciurus lis 【本/】 九州・中国地方では絶滅寸前。
    • シマリス   Tamias sibiricus
      • エゾシマリス(亜種)   T.s. lineatus 【北】
      • 】 チョウセンシマリス(亜種) T.s. barberi 【本・北】 ペットが各地で野生化。エゾシマリスと交雑の恐れ。
    • (タイリクモモンガ   Pteromys volans
      • エゾモモンガ(亜種) P.v.orii 【北/
    • ホンドモモンガ(ホンシュウモモンガ、ニホンモモンガ) Pteromys momonga 【本/
    • ムササビ   Petaurista leucogenys 【本/
  • ネズミ科 Muridae
    • (ヒメヤチネズミ Clethrionomys rutilus
      • ミカドネズミ(亜種) C.r.mikado 【北/
    • タイリクヤチネズミ Clethrionomys rufocanus
      • エゾヤチネズミ(亜種) C.r.bedfordiae 【北】
    • ムクゲネズミ Clethrionomys rex 【北】
      • ミヤマムクゲネズミ(亜種) C.r.montanus 【北/準絶危 (NT)
      • リシリムクゲネズミ(亜種) C.r.rex 【島(利尻島・礼文島)/準絶危 (NT)
    • ヤチネズミ   Eothenomys andersoni 【本/】 3種に分ける説もある。
    • スミスネズミ Eothenomys smithii 【本/】 かつては関東地方から新潟県以東のものを別種のカゲネズミ E.kageus とした。
    • ハタネズミ(ニホンハタネズミ)   Microtus montebelli 【本/
    • 】 マスクラット Ondatra zibethicus 【本】 北米原産。東京都・埼玉県。毛皮用に養殖されたものが野生化。
    • アカネズミ   Apodemus speciosus 【北・本・島(対・屋・種・隱)/
    • (ハントウアカネズミ Apodemus peninsulae
      • カラフトアカネズミ(亜種) A.p.giliacus 【北】
    • ヒメネズミ   Apodemus argenteus 【北・本・島(対・屋・種・佐・隠)/
    • セスジネズミ(セスジアカネズミ) Apodemus agrarius 【島(尖)/絶危IA (CR)】 2例のみ。海外には広く分布。
    • カヤネズミ   Micromys minutus 【本・島(対・隠)】 日本で最小のネズミ類。
    • ハツカネズミ   Mus musculus 【ほぼ全国】 史前帰化動物。
    • オキナワハツカネズミ Mus caroli 【島(南)】
    • (トゲネズミ Tokudaia osimensis(リュウキュウトゲネズミ) 【】 奄美大島・徳之島・沖縄島でそれぞれ染色体数が異なり、種の水準で分かれる可能性もあるが、便宜的に2亜種に分類。移入種のマングース・ノネコにより圧迫。天然記念物
      • オキナワトゲネズミ(亜種) T.o.muenninki 【島(沖)/絶危IA (CR)
      • アマミトゲネズミ(亜種) T.o.osimensis 【島(南)/絶危IB (EN)】 奄美大島・徳之島。
    • クマネズミ   Rattus rattus 【ほぼ全国】 史前帰化動物。
    • ドブネズミ   Rattus norvegicus 【ほぼ全国】 史前帰化動物。
    • ケナガネズミ Diplothrix legata 【島(南)/絶危IB (EN)】 奄美大島・徳之島・沖縄島。日本最大のネズミ。移入種のマングース・ノネコにより圧迫。天然記念物
  • カプロミス科 Capromyidae(しばしば、ヌートリア科 Myocastoridaeとされる)
    • ヌートリア Myocastor coypus 【本】 中部以西。南米原産の毛皮獣が戦後野生化。農作物被害大。

[編集] ネコ目(食肉目) Carnivora

〔在来6科(迷行の1科除く)・移入3科:計9科〕

  • クマ科 Ursidae
    • ヒグマ Ursus arctos 【北】)
      • エゾヒグマ(亜種) U.a.yesoensis 【北】 日本最大の陸生哺乳類。
    • ツキノワグマ(ヒマラヤグマ、アジアクロクマ) Ursus thibetanus または Selenarctos thibetanus
      • ニホンツキノワグマ(亜種) U.t.japonicus、または、Selenarctos thibetanus japonicus 【本】 四国・九州では絶滅または絶滅寸前。
    • ホッキョクグマ Ursus maritimus 【北・本】 北海道、新潟県で各1例があり、北極圏から漂流したものと思われるが、後者はツキノワグマ(アルビノ)の誤記載の疑いあり。
  • アライグマ科 Procyonidae
    • アライグマ Procyon lotor 【北・本】 北米原産。1962年以来、ペットが各地で野生化。「日本の侵略的外来種ワースト100」中、哺乳類のトップに挙げられる。
  • イヌ科 Canidae
    • タヌキ   Nyctereutes procyonoides
      • ホンドタヌキ(亜種)   N.p.viverrinus 【本・島(佐)】 隠岐諸島には人為分布。山口県向島タヌキ生息地は天然記念物
      • エゾタヌキ(亜種)   N.p.albus 【北】 奥尻島には人為分布。
    • キツネ(アカキツネ、アカギツネ)   Vulpes vulpes
      • ホンドキツネ(亜種)   V.v.japonica 【本】 房総半島には人為分布。
      • キタキツネ(亜種)   V.v.schrencki 【北】
      • 】ギンギツネ V.v.fulva 【北】 シベリアやアラスカのキツネで、黒い体毛の血統。毛皮獣だが、野生化したものがキタキツネと交雑している可能性がある。
    • オオカミ(ハイイロオオカミ) Canis lupus
      • エゾオオカミ(亜種) C.l.hattai 【北/絶滅 (EX)】 最後の記録は1896年
      • ニホンオオカミ(亜種) C.l.hodophilax 【本/絶滅 (EX)1905年奈良県もしくは1910年福井県での捕獲が最後。
      • イエイヌ(亜種)(ノイヌC.l.familiaris 【北・本・島】 離島などで固有種を圧迫。
  • イタチ科 Mustelidae
    • テン Martes memlampus
      • ホンドテン(ニホンテン)(亜種)【北海道・佐渡島では国内移入種M.m.memlampus 【北・本・島(佐)】 サドノウサギを激減させた。
      • ツシマテン(亜種) M.m.tsuensis 【島(対)/絶危II (VU)天然記念物
    • クロテン   Martes zibellina
      • エゾクロテン(亜種)   M.z.brachyura 【北/情報不足 (DD)
    • ニホンイタチ(イタチ)【北海道・南西諸島などでは国内移入種Mustela itatsi 【北・本・島(南)/】 三宅島などで在来動物を圧迫。
    • (シベリアイタチ(タイリクイタチ) Mustela sibirica
      • チョウセンイタチ【対馬以外ではM.s.coreana 【本・島(対)】 西日本から分布を広げつつあり、ニホンイタチを圧迫。
    • イイズナ   Mustela nivalis
      • キタイイズナ(亜種) M.n.nivalis 【北】 大陸に分布するものと同じ亜種。
      • ニホンイイズナ(亜種) M.n.namiyei 【本/準絶危 (NT)
    • オコジョ Mustela erminea )【高山帯】
      • エゾオコジョ(亜種) M.e.orientalis 【北/準絶危 (NT)】 平地では移入種のニホンイタチ・ミンクの圧迫により姿を消す。
      • ホンドオコジョ(亜種) M.e.nippon 【本/準絶危 (NT)
    • 】 アメリカミンク(ミンクMustela vison 【北】 北米原産。1960年代から。平地でエゾオコジョ・ニホンイタチを圧迫。養魚場等にも被害。
    • フェレット Mustela furo 犬猫についで人気のペットの野生化。原種はヨーロッパケナガイタチ
    • アナグマ   Meles meles
      • ニホンアナグマ(亜種) M.m.anakuma 【本】
    • カワウソ(ユーラシアカワウソ) Lutra lutra
    • ラッコ Enhydra lutris 【海/情報不足 (DD)】 北海道東部沿岸で一旦絶滅。近年、千島列島のものが冬期に知床・根室周辺に出現。
  • ジャコウネコ科 Viverridae
    • ハクビシン Paguma larvata 【北(奥尻島)・本】 移入動物とされてきたが、形態に他の分布地のものと違いが見られることから、独立種の可能性もある。
  • マングース科 Herpestidae
    • ジャワマングース Herpestes javanicus 【島(南)】 ハブ駆除のため沖縄島(1910年)などで放され、多くの固有種を圧迫、奄美大島では駆除を開始。ハイイロマングース、またはインドマングースとの説も。
  • アシカ科 Otariidae
    • アシカ(カリフォルニアアシカ) Zalophus californianus
      • ニホンアシカ(亜種) Z.c.japonicus 【海(竹)/絶危IA (CR)】 すでに絶滅している可能性が高い。
    • トド Eumetopias jubatus 【海/絶危II (VU)】 10-5月に北海道沿岸に回遊。
    • オットセイ(キタオットセイ) Callorhinus ursinus 【海】 冬から春に、銚子沖に至る近海沖合いに回遊。
  • セイウチ科 Odobenidae
    • セイウチ   Odobenus rosmarus 【海】 北極海周辺から、ごくまれに北海道・青森県に迷行。

[編集] ウマ目(奇蹄目) Perissodactyla

〔移入(家畜種)1科〕

  • ウマ科 Equidae
    • ウマ(ノウマ) Equus caballus 【本・島】 宮崎県串間市の都井岬と北海道根室支庁のユルリ島の2か所に、野生化したウマ(ノウマ)が棲息。前者はミサキウマ(御崎馬)と呼ばれる。ミサキウマおよびその繁殖地は天然記念物

[編集] ウシ目(偶蹄目) Artiodactyla

〔在来3科〕

  • イノシシ科 Suidae
    • イノシシ   Sus scrofa
      • ニホンイノシシ(亜種) S.s.leucomystax 【本/】 亜種ではなく1種を立てるべきとの議論もある。
      • リュウキュウイノシシ(亜種) S.s.riukiuanus 【島(南)/】 亜種ではなく1種を立てるべきとの議論もある。
      • ブタ Sus scrofa 【本・島(小)】 離島で野生化。また、イノシシとの雑種であるイノブタが各地でニホンイノシシと交雑。「日本の侵略的外来種ワースト100」中、哺乳類の2番手として挙げられる。
  • シカ科 Cervidae
    • ニホンジカ   Cervus nippon
      • ホンシュウジカ(亜種) C.n.centralis 【本/】 奈良(奈良県奈良市一円)のシカは天然記念物
      • キュウシュウジカ(亜種) C.n.nippon 【本/
      • ケラマジカ(亜種) C.n.keramae 【島(慶)/】 ケラマジカおよびその生息地は天然記念物
      • ツシマジカ(亜種) C.n.pulchellus 【島(対)/】 独立種とする説もある。
      • ヤクシカ(ヤクジカ)(亜種) C.n.yakushimae 【島(屋)/
      • マゲ(シマ)ジカ(亜種) C.n.mageshimae 【島(馬)/
      • エゾシカ(エゾジカ)(亜種) C.n.yesoensis 【北/
      • 】 タイワンジカ(亜種) C.n.taiouanus 【本】 観光用に放され和歌山県友が島などで野生化。本土に渡れば在来亜種と交雑の恐れあり。
    • キョン Muntiacus reevesi 【本】 1980年ごろ、房総半島で野生化。

[編集] クジラ目(鯨目) Cetacea

〔在来9科(迷行の1科除く)〕

  • ナガスクジラ科 Balaenopteridae
    • シロナガスクジラ   Balaenoptera musculus 【海】 現生の動物中で最大。太平洋を回遊中に近海を通過。
    • ナガスクジラ   Balaenoptera physalus 【海】 夏に北上、オホーツク海や東シナ海に回遊。
    • イワシクジラ   Balaenoptera borealis 【海】 夏に三陸沿岸・北海道太平洋海域に出現。
    • ニタリクジラ   Balaenoptera edeni 【海】 太平洋側・東シナ海に回遊、高知県大方町沿岸で4-10月に見られる。
    • ミンククジラ(コイワシクジラ)   Balaenoptera acutorostrata 【海】 春から初夏に三陸、夏に北海道沖やオホーツク海、日本海側では1年中。
    • クロコイワシクジラ   Balaenoptera bonaerensis 【海】
    • ツノシマクジラ   Balaenoptera omurai 【海】 1998年に山口県角島で死体が発見され、2002年に新種として発表。
    • ザトウクジラ   Megaptera novaeangliae 【海】 小笠原諸島と慶良間列島で繁殖、ベーリング海とカムチャツカ沖の餌場に回遊。
  • セミクジラ科 Balaenidae
    • ホッキョククジラ   Balaena mysticetus 【海】 北極圏周辺に生息、国内では大阪湾に迷入した1例のみ。
    • セミクジラ   Balaena glacialis 【海】 夏にオホーツク海や三陸沖で見られることがある。
  • コククジラ科 Eschrichtidae
    • コククジラ   Eschrichtius robustus 【海】 沿岸部を南北に回遊、日本では春と秋に太平洋沿岸を通過。
  • マッコウクジラ科 Physeteridae
    • マッコウクジラ   Physeter marcrocephalus 【海】 三陸沖など大陸棚斜面のある深い海域に多い。
  • アカボウクジラ科 Ziphiidae
    • アカボウクジラ   Ziphius carvirostris 【海】
    • タイヘイヨウアカボウモドキ   Indopacetus pacificus 【海】 2002年鹿児島県で座礁、世界初の全身確認例。
    • オウギハクジラ   Mesoplodon stejnegeri 【海】 日本海側での座礁例が多い。しばしば胃内にビニール等が発見され、座礁数増加との関係が考えられる。
    • ハッブスオウギハクジラ   Mesoplodon carlhubbsi 【海】 太平洋側で数例の座礁記録。
    • コブハクジラ   Mesoplodon densirostris 【海】 国内では、沖縄以外ではまれ。
    • イチョウハクジラ   Mesoplodon ginkgodens 【海】 数例の座礁記録以外に情報がない。
    • ツチクジラ   Berardius bairdii 【海】 夏に房総から三陸沖の大陸棚斜面海域に生息。
  • マイルカ科 Delphinidae
    • シャチ   Orcinus orca 【海】 8-11月に北海道東岸やオホーツク海南部で、2-3月に紀伊半島沖でよく見られる。
    • コビレゴンドウ   Globicephala macrorhynchus 【海】 太平洋側の外洋と沿岸部。
    • ヒレナガゴンドウ   Globicephala melas 【海】12世紀ごろに日本近海では絶滅。他海域では生存。
    • オキゴンドウ   Pseudorca crassidens 【海】 沖縄・九州北部・和歌山の沖合いでよく見られる。
    • ユメゴンドウ   Feresa attenuata 【海】 まれに沖縄から銚子沖で捕獲、座礁。1874年以来、1952年に80年ぶりに再発見。
    • カズハゴンドウ   Peponocephala electra 【海】 沖縄でよく見られる。
    • ハナゴンドウ   Grampus griseus 【海】 太平洋岸の沖合いでよく見られる。
    • マイルカ   Delphinus delphis 【海】 北海道から九州の太平洋を回遊。
    • スジイルカ   Stenella coeruleoalba 【海】 冬は紀伊半島以南、夏は北海道周辺まで、太平洋側に分布。
    • マダライルカ   Stenella attenuata 【海】 沖縄でよく見られる。
    • ハシナガイルカ   Stenella longirostris 【海】 小笠原海域に多い。
    • バンドウイルカ(ハンドウイルカ) Tursiops truncatus 【海】 冬は北九州以南の東シナ海、夏は北海道以南。
    • カマイルカ   Lagenorhynchus obliquidens 【海】 5月ごろに東北沖でよく見られる。
    • セミイルカ   Lissodelphis borealis 【海】 春と秋に見られ、銚子以北の太平洋側では夏に見られることも。
    • シワハイルカ   Steno bredanensis 【海】 三陸以南の太平洋、東シナ海に生息、夏には日本海にも。沖縄周辺に多い。
    • サラワクイルカ   Lagenodelphis hosei 【海】 熱帯の外洋性、日本では漂着1例、捕獲2例。最新の1991年は和歌山県での群れの捕獲。
  • ネズミイルカ科 Phocoenidae
    • ネズミイルカ   Phocoena phocoena 【海】 日本海北部、銚子以北の太平洋沿岸。
    • イシイルカ   Phocoenoides dalli 【海】 外洋性。日本海や、三陸沖など太平洋側にも分布。
    • スナメリ(スナメリクジラ) Neophocaena phocaenoides 【海】 能登半島・牡鹿半島以南の沿岸。瀬戸内海、有明海、伊勢湾などでよく見られる。阿波島(広島県)のスナメリクジラ回遊海面は天然記念物

[編集] ジュゴン目(海牛目) Sirenia

〔在来1科〕

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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