御手洗冨士夫
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御手洗 冨士夫(みたらい ふじお、1935年9月23日-)は、第6代キヤノン社長。第2代日本経済団体連合会会長。内閣府経済財政諮問会議議員。若者の人間力を高めるための国民会議議長。
東京都立小山台高等学校、中央大学法学部卒業。2006年5月、私立大学出身者としては初の経団連会長となる。
[編集] 来歴・人物
- 1935年:9月23日:大分県に生まれる。
- 1961年:3月:中央大学法学部法律学科卒業。在学中より司法試験を目指すが果たせず、同年4月、叔父御手洗毅が創業者のキヤノンに入社。
- 1979年:キヤノンUSA社長に就任。
- 1995年:元社長で創業者の一人御手洗毅の息子、御手洗肇の死去を受けて社長(第6代)に就任する。
- 2006年:日本経団連会長に就任。
[編集] 業績
社長就任後、キャッシュフロー経営を取入れ、キヤノンの財務体質強化に乗り出す。手始めに液晶ディスプレイや光ディスク、パーソナルコンピュータ事業から撤退。経営資源をプリンター、カメラ、半導体製造装置等に集中させた。次に、ソニーで行われていたセル生産をキヤノンに導入。海外への生産流出で生産性の低下していた工場の生産効率強化に乗り出す。
[編集] 評価
選択と集中、キャッシュフロー経営など他社に先駆けて経営方法を革新した手腕は高く評価されている。
経団連会長の立場として、昨今偽装請負に対する厚生労働省からの指導が相次いでいる件について露骨な不満を表明したことから[1]、「自ら違法行為を犯しておいて「法律が悪い」と述べ、違法行為の合法化を目指す」という前代の経団連会長奥田碩が行った路線(奥田の場合はサービス残業について同様の態度表明をしており、これがホワイトカラーエグゼンプションの提言につながった)を踏襲していくのではないか、と労働側から危惧され始めている。