小林・益川理論
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小林・益川理論(こばやし・ますかわりろん)は、小林誠(高エネルギー加速器研究機構原子核研究所所長)と益川敏英(京都産業大学理学部教授、前京都大学基礎物理学研究所所長)が1973年に書いた論文の事である。
両者はこの論文の中で、クォークについては、弱い相互作用によって僅かながらもストレンジクォークからアップクォークへ、チャームクォークからダウンクォークなど世代を超えた変換が起こる事を予測し、その理論を展開した(これを世代混合の理論と呼ぶ)。
そして、その論文によれば「クォークが少なくとも3世代あれば、自然界はほとんど物質ばかりでできていて、反物質が殆ど存在しないことを説明できる」ということを指摘した。
この問題は、「CP対称性の破れ」と呼ばれており、Cは電荷(英:Charge)、Pはパリティ(英:Parity)のことである。
また、カビボ・小林・益川行列(CKM行列)に関しては、1世代の行列理論をN.カビボが1963年に提唱し、3世代混合の理論を1973年に小林・益川の両者が提唱した。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 大西直毅・市村宗武,『量子力学』,放送大学教育振興会, ISBN 4595892470