天台寺
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天台寺(てんだいじ)は、岩手県二戸市浄法寺町にある天台宗の寺院。山号は八葉山。作家の瀬戸内寂聴が一時期住職をしていたことで知られる。毎月1回の法話の日には、境内に入りきれない程の参拝客で賑わう。
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[編集] 札所
奥州観音霊場の第33番札所。
[編集] 起源と歴史
寺伝では神亀5年(728年)、聖武天皇の勅命を受けた行基が開山したと伝えられる。草創の正確な時期は不明であるが、寺に伝わる仏像の制作年代から、平安時代には寺観が整っていたと思われる。近世には盛岡藩主南部家の庇護を受けた。
しかし明治維新後の廃仏毀釈によって寺は大打撃を受け、仏像も数多く焼き払われた。本尊などは檀家によって山林に隠された為、破壊は逃れたが、野ざらしの状態で保管されていた為、保存状態は極めて悪い。
昭和26年には無住となり、昭和28年から31年にかけては境内の杉の巨木1666本が無断で伐採され、売り払われるという事件も起きた。寺の復興が始まったのは今東光の住職就任からであるが、最も大きな影響があったのは瀬戸内寂聴の住職就任である。瀬戸内は寺の復興に注力し、在職中に天台寺を岩手有数の観光寺院に押し上げた。
- 昭和51年(1976年)、第71世の住職として今東光が就任。
- 昭和53年(1976年)、第72世の住職として菅野澄覚が就任。
- 昭和62年(1987年)、第73世の住職として瀬戸内寂聴が就任。
- 平成17年(2005年)、第74世の住職として菅野澄順が就任。
[編集] 文化財
重要文化財
- 本堂-入母屋造、銅板葺きの密教仏堂。万治元年(1658年)、盛岡藩2代藩主南部重直によって造営された。
- 仁王門
- 木造聖観音立像(桂泉観世音)
- 木造十一面観音立像
[編集] 所在地
岩手県二戸市浄法寺町御山久保33-1
[編集] 交通アクセス
- JR東日本東北新幹線二戸駅より車で20分
- JRバス二戸線(二戸駅~浄法寺~荒屋新町駅)または特急すーぱー湯~遊号(盛岡駅~浄法寺~二戸駅) 「天台寺」下車 参道まで徒歩15分
- 八戸自動車道浄法寺インターチェンジより5分
[編集] 近隣情報
- 二戸市歴史民俗資料館
- 天台の湯