外国人恐怖症
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外国人恐怖症(がいこくじんきょうふしょう、外国人嫌悪)とは、外国人を嫌悪、排外あるいは憎悪する傾向のこと。xenophobia(クセノフォビア、ゼノフォビア)の訳語で、「外国人嫌い」などと訳される場合もある。クセノフォビアとは、ギリシア語の"ξένος" (xenos, 異人、異国、よそ者、外国人)と"φόβος" (phobos, ポボス、恐怖)に由来する。
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[編集] 概要
日本は島国であることと、アイヌ民族などの少数民族はいるが、総人口に対して少数であるため、単一民族国家と誤解されることが多い。また、江戸時代において鎖国が約250年も続いた為、外国人や異民族との係わり合いを経験することは極めて少なく、極端な場合には会話さえ難しいこともあり、「外国人恐怖症」の原因となっているという主張がある。それに対し、日本が島国であるということから思いついた単純で稚拙な決め付けあり、江戸末期における開国以降の長い歴史を考慮に入れない偏見である、との反対意見もある。
反対者からは、主張者の単なる主観であるとか、本来外国民である一部の者達を、日本国内において日本国民と法的に平等にするための手段、との批判もある。
[編集] アジア
近年では、アジア各国からの留学や研修、不法あるいは合法就労などの為、日本で生活する人が増えている。そのような人たちとの間で何らかのトラブルや犯罪行為が発生した場合、嫌悪の感情が外国人全体に向けられてしまう場合がある。また、米国同時多発テロ以降、イスラム教徒に対して偏見が向けられることもある。同様のケースは海外でも報告されており、多くの国で問題になっている。
就労ビザではなく観光ビザで入国し、期限切れを無視して日本に残留し(不法残留)そのまま不法就労する者、また彼らを扱うブローカー、闇ビジネスが存在しており、彼らは更に苛酷な条件で、中小企業中心に働かせられているとも言われる。
- これら不法就労は、当人たちにとってもそもそも違法な行為であり、彼らを一概に被害者のように考えることはできない。
[編集] 東アジア
特に、第二次世界大戦の敗戦後、中国人や朝鮮民族との係わり合いは、過去の軋轢などによって、多くの日本人にとって面倒に思われてしまう場合もあり、排除や無視の方向に向かうことは少なくない。外国人参政権などをかかえ、この傾向を改善するよう主に外国の政治家や日本国内に居住する外国人、あるいはそれらの支援者たちから求められている。ただ、実際には彼らが主張する要求は多くの場合で認められていなく、それが差別行為との主張もあるが、なぜ日本に来たかと言う根本原因によっても見方が変わるため、対策は難しい。
- それらの外国人達の本国も、自国外の者に対して同様か、より排斥傾向が強い場合が多く、また内政干渉とも取れる主張もあるため、注意が必要である。
- 特に、ニューカマーと呼ばれる者達への対策が急がれる。
[編集] 日系人
近年、日系外国人を中心として、産業の下部構造とりわけ3K労働に追いやられている点も、第三世界に対する侮蔑の原因の一端にも成っていると一部では主張されている。第三世界からの労働者の多くは、派遣社員という形の就労形態であり、正規雇用されることが稀であり、そのことが臨時雇い、間に合わせ、という先入観を持つ一因となっている。
- 現在は、日本人でも派遣社員とされるものが多く、これを持って単純に外国人を嫌悪しているとは言い切れないため、日本人に対する逆差別との反論もある。
[編集] 日本人の外国人旅行者に対する態度
JNTOの「訪日外国人旅行者満足度調査」(平成17年)によると、訪日外国人旅行者の94%が再訪日を希望しているという結果がある。その理由として「日本の人々が親切で礼儀正しい」という理由をあげる旅行者は、欧米諸国からの旅行者で5割、「台湾、中国、香港」が2割台と大差がある。
[編集] 文化的な嫌悪
自国文化に対する正当な理解、矜持が無いために、他国人を侮辱することで優越感を得ようとする卑劣な側面も否定できないともされる。また、外来語を使わないようにするなどの自国語を守る運動を否定する側面もある。また、食文化に対する文化の相違などから、特定の民族に対して相手の文化を侮辱するような侮蔑語が使われるような場合もある。
- 英語では、フランス人に対する「フロッグイーター」(カエル喰い)、韓国語では日本人に対する「チョッパリ」(豚足:足袋の先が割れているのを蹄に見立てて言う)などが、代表的な文化を侮蔑する罵倒語である。
- このように、日本に限ってのことでも無く、より過激な事例も外国には多数存在する。
[編集] 関連項目
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