国鉄新性能電車の車両形式
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国鉄新性能電車の車両形式(こくてつしんせいのうでんしゃのしゃりょうけいしき)
新性能電車(しんせいのうでんしゃ)とは、101系電車以降作られた車両系列のことであり、以下のような特徴を持つ。
- 駆動方式として釣り掛け方式を廃し、中空軸平行カルダン方式を採用する。
- ブレーキ方式は、従前より使用される空気ブレーキに加え発電ブレーキを併用する「電空併用式電磁直通ブレーキ構造」とした。
- 電動車は2両を1組(ユニット)として扱い、機器を分散配置する。
- 軽量なセミ・モノコック車体構造の採用。
国鉄新性能電車の形式及び番号の付与法は、1959年6月1日施行の車両称号規程改正(総裁達第237号)により制定された。(ただし、交流専用及び交直流両用の電車については、駆動方式にかかわらず、この規程により形式が付与される。)
形式は、種類及び設備を表す記号と3桁の数字(100~999)で表され、車両番号は形式に引き続いて「-(ハイフン)」を置き、その後に形式ごとに原則として1から順に付される。現在、JR四国を除く、JRで使用されている。
「車両の種類を表す記号」「車両の設備を表す記号」「数字(3桁)」-「車両番号」
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[編集] 車両の種類を表す記号
車両の種類を表す記号は、次のとおりである。
- クモ:制御電動車(運転台があり、動力(モーター)を持つ車両)
- モ:中間電動車(運転台はなく、動力を持つ車両)
- ク:制御車(運転台はあるが動力を持たない車両)
- サ:付随車(運転台も動力もない車両)
[編集] 車両の設備を表す記号
車両の設備を表す記号は、次のとおりである。1両に複数の設備を有する場合は、下記の順序で重ねて使用する。(これについては、客車、気動車についても同様である。)
- 営業用車
- 事業用車
[編集] 形式数字
形式数字は桁位置により次のような分類がある。
- 百位:電気方式
- 十位:車両の用途
- 一位:系列・形式の区別(概ね連番)
[編集] 百位
[編集] 十位
- ただし、この車両称号規程制定当初は、0~3は近距離用、5~8は中長距離用として設定されており、初期の新性能電車はこれに従って形式が付与されている。また、一部の交直流電車では周波数の差違によりこれをはずしている場合もある。そのため、この表と齟齬を生じているものがある。
[編集] 一位
- 一位は、系列を表す場合奇数を用いる。すなわち、1,3,5,7,9を使用する。
- 個々の車両形式を示す場合には次のとおり
- 電動車の場合
- ユニット方式の場合、主制御装置を搭載するもの(M車)を奇数、無いもの(M'車)を1減じた偶数。この場合、原則として奇数形式が上り寄りに配される。
- 1M方式電動車の場合は奇数。
- 制御車の場合
- どちら向きにも使用できるものは、原則として奇数形式が付される。
- 向きが限定されるものは、上り向き(東海道線で東京側先頭車)が奇数、下り向き(同、神戸側)が1減じた偶数とされることが多いが、車番の偶数奇数で区別する例、番台区分で区別する例も見られる。
- 付随車の場合
- 原則的に基本形式には奇数が付される。設備や搭載機器の違いにより1減じた偶数を付することがある。
- 電動車の場合
- 中には原則に外れたものもあり、最近では編成内で設備が異なる同種車両が多いので、車両番号にオフセットを加えた番台区分で区別する場合がしばしば見られる。
- この車両称号規程制定以前に新製されていた101系、151系、153系、155系については、旧規程による形式番号(90系、20系、91系、82系)を付与されて落成しており、この規程の制定により形式番号が改められた。
[編集] 系列の一例
[編集] その他の慣例
- 狭小トンネル路線用のパンタグラフ取付部の低屋根構造
- 800番台:例:クモハ100、モハ100、モハ114、モハ164