原爆症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
原爆症(げんばくしょう)とは、原子爆弾(原爆)による被災によって生じた健康障害の総称。原子爆弾症・原子爆弾傷とも表記する。
発症は被爆直後の場合が多いが、発生から10年、20年、経った後に発症することも少なくない。また、直接被爆をしなくても、原爆投下直後に降った「黒い雨」を浴びたり、母胎内で被爆して生まれた子供にも発症した。広島市、長崎市では被爆直後は健康に見えた人の容態が突然悪化し、死亡したケースが数多く確認されている。多くの場合、体にだるさを感じた後、目が見えなくなったり、節々に痛みを感じたりしたのち、死亡した。 放射線は骨髄等の細胞周期の短い細胞に大きな影響を与える確率が高いため、白血病等の血液癌を引き起こすことはよく知られているが、ミクロネシアでの核実験では島民の免疫能力の大幅な低下も指摘されている。又、放射線が癌抑制遺伝子に突然変異を起こさせた場合、被曝の数十年後の発癌の確率が高まる。
なお、原爆症と遺伝の関係は被曝の項参照。広島、長崎の被爆2世、3世への差別は根強く残っている。
原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律による認定者には被爆者健康手帳が交付される。認定の基準には、投下時又は続く時期に該当地域に存在していたかが、医学的根拠よりしばしば影響を与える。ここで注目すべきは、医学的根拠は客観的事実に近いが、法律で定める地域区分は政治的見解が左右する点である。
広島市には広島赤十字・原爆病院が、長崎市には日本赤十字社長崎原爆病院が設置されている。また、当時日本領であった韓国にも同様の施設が設置されている。
原爆症の三つの区分
[編集] 関連項目
カテゴリ: 広島原爆 | 長崎原爆 | 核兵器 | 医学関連のスタブ項目