南西放送
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南西放送株式会社(なんせいほうそうかぶしきがいしゃ)は、沖縄県を放送エリアとする民放テレビ局(NNN/NNS、日本テレビ系列)開設を目指して1989年7月に設立された放送会社。琉球銀行、沖縄銀行、沖縄海邦銀行、沖縄電力、琉球石油、金秀本社、沖縄県農協中央会、琉球バス、沖縄製糖、白石の沖縄由来の有力企業10社が出資していた(1989年5月10日付 日本経済新聞)。
当初は琉球朝日放送(テレビ朝日系列、QAB)とともに、1995年秋の同時開局が有力視されていたが、日本テレビの沖縄進出凍結に伴って計画は頓挫して、免許申請も取り下げられた。これは当時、バブル崩壊による不況で大型投資をする環境にないことや、さらに衛星放送に多額の資金が必要であり、沖縄には進出する余裕はないとして沖縄進出を凍結した。
また、1999年には沖縄県の民放テレビ第4局用の周波数割当そのものが(福井県3局目と同時に)取り消されているが、当時割り当てられていたのは那覇30chであった。
なお、計画当時、既存2局(琉球放送(RBC)、沖縄テレビ放送(OTV))の引き延ばし工作に遭ったと言われるが、開局に至らなかった実際の原因は日本テレビの沖縄進出凍結である。これは民放テレビ局開設に意欲的だったのが地元側ではなく、日本テレビ側であったためである。
また、日本テレビ系の番組を沖縄県内でリアルタイムで楽しむため、本島北部では鹿児島読売テレビ(KYT)を区域外受信している県民も少なくない。また沖縄ケーブルネットワークで一時期CS★日テレがあったが、現在は終了しているため、今後も沖縄県内のケーブルTVでの再送信される予定はない。
なお、日本テレビの沖縄県内の取材は、現在同局の那覇支局(琉球新報の建物と同居)で受け持っている。また、日本テレビ系の番組は主にOTVで放送されており、24時間テレビ 「愛は地球を救う」や全国高等学校サッカー選手権大会といった日テレ系主催のイベントにも参加をしている(但しFNN/FNS系列単独加盟のためクロスネット局ではない)。さらに、日テレ系の番組の半分はRBCで放送されており、かつて木曜スペシャルを日テレと同時ネットしたことがあった(但しJNN系列であるためこちらもやはりクロスネット局ではない)。
また計画当時先島諸島での民間放送開始のためにケーブルを通す予定であったが、第4波が取り消しになったために資金が調達できなくなり、結局既存2局での放送開始となって今に至る。現在でもQABの中継局がないことと、ケーブルテレビ局での再配信も行われていないことから、先島での地上波民放はRBCとOTVのみ(日本テレビ、テレビ朝日、テレビ東京の番組はケーブルテレビで時差配信)であるが、2006年以後に予定される地上デジタルテレビジョン放送の開始により、QABの中継局が設置される可能性はある(時期未定)。一時期日本テレビが沖縄への進出に最も意欲的であったことから、2006年以降になってからデジタルのみでの開局となる可能性もゼロではない(2011年以降になる可能性が高い)。
また、TBS、フジテレビ、テレビ朝日が大東諸島に中継局を設置しているのに、日本テレビ、テレビ東京が、中継局を設置していないのは、前述の通り系列局を持っていないからである。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 沖縄観光ニュース 第381号 「第三の電波を獲得せよ 水面下で火花散る」
- 沖縄観光ニュース 第387号 「TV3、4局認可近し メディアの暗闘」
- 沖縄観光ニュース 第415号 「民放TV2波割り当て諮問 地元の事情」
- 沖縄観光ニュース 第461号 「近づく開局 琉球朝日放送」
- 衆議院会議録情報 第129回国会 逓信委員会 第4号
- 《 1/18付:福井県及び沖縄県における一般放送事業者のテレビジョン放送用周波数の変更》
カテゴリ: 日本テレビ | 沖縄県のマスメディア