交響曲第36番 (モーツァルト)
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ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの交響曲第36番ハ長調KV.425は1783年に作曲された。モーツァルトはその年の10月から11月に掛けてのリンツ滞在中に、伯爵であったトゥーン・ホーエンシュタインの予約演奏会のため、この曲を4日間という早さで作曲した。そのような経歴からこの交響曲は『リンツ』という愛称で呼ばれている。
[編集] 楽器編成
[編集] 曲の構成
- 第1楽章 Adagio 3/4拍子-Allegro spiritoso 4/4拍子 ハ長調 序奏付ソナタ形式
- モーツァルトが、自身の交響曲で初めて緩やかな序奏を置いた。生き生きと、と指示された主部はシンプルであるが、湧き上がる美しさがある。第1主題の旋律は全音符で伸ばされた音が印象的であり、旋律中のb音が彩を添えている。第2主題は激しい短調と長調が交替する。全体的にオクターブの跳躍が目立つ。
- 第2楽章 Andante 6/8拍子 ヘ長調 ソナタ形式
- 当時の緩徐楽章にしては珍しく、トランペットとティンパニが用いられている。展開部で登場する、低弦とファゴットで提示される、スタッカートのパッセージが印象的である。
- 第3楽章 Menuetto 3/4拍子 ハ長調
- 飛び跳ねるようなリズムが印象的な主部と、オーボエとファゴットの美しい二重奏のトリオからなる。
- 第4楽章 Presto 2/4拍子 ソナタ形式
- 両主題は4度跳躍を持ち、軽やかな第1主題、レガートな第2主題のあと、対旋律を伴い、ドーシドの音型が模倣され、展開されていく様子は感動的である。その後も7度跳躍の印象的なパッセージが現れ、コデッタも充実している。展開部はアルペッジョの旋律が展開される。
この優れた作品がたった4日間で書かれたことは、驚異的であり、モーツァルトの天才を証明するものである。
カテゴリ: モーツァルトの交響曲 | ハ長調