主題優勢言語
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主題優勢言語(しゅだいゆうせいげんご、あるいは話題卓越性言語などともいう:topic-prominent language)とは、文における話題(主題)が統語論的に決まった方法で明示され、それに比して主語(主格)が重視されない言語をいい、代表的なものとして日本語、朝鮮語、中国語、インドネシア語など東・東南アジアの諸言語がある(東アジア言語参照)。
話題語は、日本語のように係助詞「は」で示されるもの、中国語のように語順(文頭)で示されるものがあり、見かけ上主語と区別しにくい場合も多い。
英語などの主格優勢言語(subject-prominent language)と比較すると、
- 一般に主語を示す必要がなく、動詞の人称変化も、英語”It rains.”のような非人称主語もないこと
- 日本語「象は鼻が長い」のようないわゆる「総主文」が存在する。
- 料理を注文するときにいう「ぼくはうなぎだ」(うなぎ文)のような、主題と主語の違いを考慮せずに主格優勢言語に直訳すると意味を成さなくなる構文があること。
なお主格優勢言語でもそれぞれ話題を強調する方法がある(語順によるもの、話題を明示する言い回し、「は」に当たる助辞を用いるものなど)。一方スペイン語のように主語の代名詞を普通に省略する言語もあるが、これらは主題優勢言語とは逆に、動詞に主語の人称・数が明示されるので主語を省略しても不便はないためである。さらに主格優勢言語でも意味上の主語と形式上の主語が異なる言い方は多く見られる。